さすけ のインターホン ブログ

趣味のインターホンに関することを中心に書き綴って行きます

推しのリレー、歯車をラチェットで回転させてON/OFFするステッピングリレー 松下電工AR7221 HCSB、オムロン ラチェットリレー G4Q-212S、フリップフロップリレー AGC1213

2021年8月15日 初版

はじめに

推しのリレーと書きましたが、すでに松下電工では2001年に廃番となってしまっているリレーです
モメンタリー接点(ワンショット)(瞬間信号)(自動復帰)のトリガー信号の入力をオルタネイト接点出力(連続信号)(保持)に変換するリレーです
1線巻ラッチングリレーとは異なり、入力する電圧の向きは問わず(保護ダイオードを入れない場合)コイルに電圧をかけるたびにON-OFFが切り替わり、電圧をかけていない間も状態を保持します

松下電工 HC ステッピングリレー カバーを外した状態 AR7221 HCSB-DC12V

私が社会人になった1990年台終わり頃、現場の仕様で複数の箇所から一つの電話回線信号を切り替える必要がありました。通常であれば加賀通信工業の転換器(KG-12A)という物理的なスイッチを使用するところですが、これをステッピングリレーで行うことになりました
 他にも電気錠制御盤がで連続解錠入力が連続信号入力のみの場合で、複数箇所から施錠・解錠したい場合にも活用していました。

ステッピングリレー とは

ステッピングリレーとは、リレー内部にギアとラチェットが組み込まれていて、通電で内部のギアが回転して接点が切り替わる特殊な動きをするものです。
通常のリレーとは違いギアによって回転した板カムが接点を押し離すもしくは、板カムが居なくなって板バネの力で接点がくっ付くので、通電が切れても接点の状態を保持します(待機時の電源は不要です)。

ステッピングリレーは1つの入力(コイル)にパルス電圧を入力するたびに出力がON->OFF->ON->OFFを交互に繰り返す(2ステップ型の場合)リレーです
通電していなくても状態を保持します
また、4つの接点が順次ONになって行く4ステップ型もラインナップにありました


(※ここで言うステッピングリレーは松下電工のもので、OMRONのステッピングリレー(G9B)とは違う構造のものです、オムロンではラチェットリレー(G4Q)が似たような構造となります)

HCキープリレーとは AP7*** HC2K(2012年8月廃番)

ステッピングリレーと似たようなリレーにキープリレーというものがあります。こちらは2つの独立した入力がありSET(ON)とRESET(OFF)の入力が決まっていて、ONの入力にパルス電圧を印加するとON、OFFの入力にパルス電圧を印加するとOFFの状態となります。
停電時も状態を保持します。
(2線巻ラッチングリレーと同等の動作です)
ONの時にはリレー上面の長方形に切り抜かれた窓から、赤いマーカー表示が現れます

オムロンですと形MYK (MY2K) に相当すると思われます。接点出力は2Cですが、ソケットを使用する場合はコイルが1つ増えた分端子が2個増えたので4極リレー用のソケットが必要です。動作表示もマーカー表示があるようです(オムロンは2021年8月現在現行品)

松下電工 HCキープリレー 2012年8月廃番

写真は松下電工 HCキープリレー AP7124 HC2K-AC100V 2012年8月末廃番

OMRONのラチェットリレーと松下電工のステッピングリレー

話は戻りますが離れた2箇所のFAXの回線をFAX設置場所の横に設置したボタン(押している間だけ出力する)を押すことで切り替える仕組みを構築することとなり、OMRONのラチェットリレーG4Q-212S (2021年現在現行品)を用意しました。
先輩に見せたところ、もっと小さいのがあるとのことで教えていただいたのが、松下電工のAR7221(HCSB-DC12V) (2001年11月廃番)でした
HCリレーのベースサイズに詰め込まれたギアは機能的で芸術的で魅せられてしましました

結局FAXは場所を固定することとなり切り替える話は無くなったしまいました
ただ、3路4路スイッチのように複数個所の押釦(モメンタリー出力:押している間だけ出力)からON/OFFする仕組みを構築するときに非常に重宝しました

ステッピングリレーが廃番となって

2001年に松下電工のステッピングリレーが廃番となりました。
世の中の需要が少なかったようなのです
しばらくの間は、秋葉原の部品店などで流通在庫を手に入れることができていましたが、今ではもう手に入れるのは困難と思われます。

当時、松下電工のリレー担当の方に電話で問い合わせましたがもう金型も廃棄してしまっているので再び生産することはできない旨の返事をいただきました。

フリップフロップIC 松下電工 VSユニットAGC1213 VS5-24V (2010年8月廃番)

まだステッピングリレーを使う場面がありましたので、松下電工のVSユニット AGC1213 VS5-24V(フリップフロップ回路内臓IC)とDS 2線巻ラッチングリレーを組み合わせて使用していました
使い勝手はステッピングリレーと同じで、押釦を押してパルス電圧をICに印加するごとにステッピング動作し接点がON->OFF->ON->と切り替わります。
2極以上のラッチングリレーを使用しそのうち1接点をフリップフロップICに現在の接点状態を通知(アンサーバンク)することによって、パルス電圧の入力があった場合に現在の接点状態を瞬時に判別し確実にステッピング動作し出力状態を切り替えます
ですので待機時の電源不要はです。
逆起電圧(リレーコイルのサージ)保護ダイオードもICに内蔵されていて非常に簡便です。(「リレーコイルの逆起吸収用ダイオードを内蔵しています」と明記)

松下電工AGC1213は2010年8月に廃番、パナソニックのDS2線巻ラッチングリレー(2C接点のみ)2021年9月で廃番となってしまいました。

フリップフロップIC AGC1213 と DS 2線巻ラッチングリレー AG252444 松坂精電舎製? 廃番品

実はこちらのほうがさらにコンパクトに構成できるので重宝していました。
残してほしかったですね

AGC1213 カタログ (2010年8月廃番)
ステッピングリレーの後継はPLCを使用

パナソニックの案内としては、この後継はPLCを使用してほしいとのことでした
プログラムで多彩なことができるのは良いのですが、ステッピング機能のみほしい場合には非常に大きくなりますよね。
電源を入れてから起動に時間が必要ですので、ステッピングリレーと違い待機時にも常に電源を入れておく必要があります。
世の流れでしょうか
「ステッピングリレー 2段動作 置換え」で検索するとパナソニックのサイトでパナソニックのPLC用のラダーのサンプル例が出て来ます

IDEC(和泉電気) スマートリレーを使用する

私はPLCで使われるラダーがさっぱりわかりませんので、複雑な事をする場合はPLCの代わりに専らファンクションブロックの使える
IDECのFL1F-H12RCE ¥18,500(専用ソフトWindLGC 別売り¥6,860)(DC12VかDC24Vの電源とWINDOWSのPCとLANケーブルが別途必要)を使用しています。

IDEC WindLGC V8.2 でフリップフロップ回路の作成例

プログラミングの知識がなくてもブロック遊び感覚でプログラムが組めて、ソフト上でシミュレーションできます
(ソフトはラダー入力もできます)

松本無線パーツ岩国 スイッチ操作リレーユニット(TK-1800A) (現行品)

アナログな私はいろいろと既製品を探しましたが、松本無線パーツ岩国の スイッチ操作リレーユニット(TK-1800A)が停電時でも信号を保持してくれて使用できそうですが、別途常時電源も必要なようなので実際に使えるのかは確認が必要です。
sasukedog.hatenablog.jp


【番外編1】エーモン工業フリップフロップリレー ITEM NO.1587 (廃番品)

番外編にはなりますがエーモン工業からも似たような車向けのリレーが発売されていました(現在は廃番)
車のACCなどの常時電源が必要でスイッチの入力信号が入るたびに出力がON->OFF->を繰り返し、メイン電源が切れると出力が初期状態に戻るものだったようです
こちらは電源が切れると状態が元に戻るので私の使用用途には合わないものでしたが、
車では車内照明やバックフォグランプやバックモニターの切り替えに使用することもあるようで、リセットされたほうが都合が良い場面が多いようです
同等品がアマゾンやヤフオクなどで出品されているようです

【番外編2】汎用ロジックICを使用して自作する TC4013BP TC4027BP CMOS-IC

自作が得意ならICを買ってきて作成するのも可能です

「気の迷い 迷い箱 車の室内灯を前と後から操作する回路を作っても動きません」の記事(2009年前半)は素人の私にはとても参考になり何度も読み返しました。気の迷い様のサイト内で「フリップフロップ」と検索すると興味をそそる様々な記事が出てきます

また、「フリップフロップの回路 技術の森 TC4013BP」で検索、もしくは画像検索するとこちらも参考になる記事が出て来ます
フリップフロップリレーの作成」で検索してもいろいろな記事が出て来ます

TCと頭につくのは東芝製、SNと頭につくのはテキサスインスツルメンツ製です。
TC4027BPも廃番予定のようですので汎用品といえどもいつまで作ってくださるのかはわからないです

こちらも基本的には常時電源が必要で、電源が切れればリセットされるように設計するようです。

私はまだ作成したことはありません。いつか時間ができたら楽しみたいと思います

HCステッピングリレー 松下電工 HCSB-DC12V AR7221とは (2001年11月廃番)

モメンタリースイッチを用いてオルタネイト出力をするリレーとなります

単純にオルタネイト動作をさせたいだけなら、メカ式に状態を保持するオルタネイトスイッチ(押したらスイッチがカチッと言って押し込まれたままの状態となり、もう一度スイッチを押すと押されていない状態に戻る)を使用すればよいのですが、例えば在室表示灯のように数か所から表示灯をON/OFFさせたい場合などにモメンタリースイッチとステッピングリレーを組み合わせると電子回路やPLCなど使用せずとも簡単に組むことができます

販売時期

AR7***の代表的な品番のものの販売時期は
1975年12月1日から2001年11月30日で、すでに廃番となっています

当時のラインナップ

制御 カタログより

私は主にDC12Vの2段動作(AR7221)もしくはDC24Vの2段動作(AR7222)を使用していました

外観

ステッピングリレー外観 右は旧型

左の写真を見ると

左側リレーの表記は
 NAiS
 AR7222
 HCSB-DC24V
 5A100VAC
 MADE IN JAPAN
     00710

右側リレーの表記は
 MATSUSITA
 AR7221
 HCSB-DC12V
 5A100VAC
 MADE IN JAPAN
     80304

となっています。製造時期でロゴとコイルのフィルムカバーが違っているようです
最後の数字が製造時期ではないかと思いますが、読み方がわからないです
仮に00710が2000年7月10日と読むのであれば
80304は78年か88年か98年なのかわからないですね

真ん中の写真はコイル側正面からのものです
右側のリレーにはコイルのフィルムにDC12Vの表記があります。
またどちらにも2段動作であることを表す「2」という文字もあります

右側の写真で、品番などが書かれていた裏側のカバーに何も書かれていません

HCステッピングリレー 底面

左の写真は、接点部分と上面が見えています
上面中央には小さなくぼみがあり、バネ型のソケット保持金具が滑らないよにはまり込みます

中央の写真は底面を横から見ています
内部のフレームを止めるためのねじが飛び出てきています。最近のリレーはねじが飛び出ていないか、ねじ自体が無いものが多いですね。ソケット側はねじの部分に丸い穴をあけて対応しているようです。

右の写真は端子部分が写っています
よく見る4極リレーでは端子が4列でNO端子NC端子COM端子の3つ並んでいますが、2つしか並んでおらず3つ目は埋められています

リレーをソケットにさした状態

リレーをソケットに刺した状態 

写真はリレー盤から取り外した状態となりますので接続されていた配線が残っています
左の写真はリレーを端子台にさし込み、バネ状の保持金具を取り付けています。コイル側が見えています
ソケット端子台のコイル入力端子には逆起電圧保護ダイオードを接続しています
右の写真は接点出力側が見えています
違う状態の2接点を使用して電圧を送っていたようです

HC4極リレーと比べてみる

HC4極リレーとHCステッピングリレーを比べてみます

写真内の左側がHC4極リレー、右側がHCステッピングリレーです
 
左の写真で高さが違うことがわかります、
太さは同じなのですが、高さがステッピングリレーのほうが10mmほど高いです

右の写真は端子の部分です
ステッピングリレーのほうが端子が少ないのがわかります。またねじが飛び出ています。

カバーを外してみる

カバーを外してみますとよりよく内部を見ることができます
※カバーは外さないでくださいね

動作



一番手前の接点部分に注目しますと
左の写真は接点がくっついています
中央の写真は通電して電磁石の力で鉄板が吸着しているイメージで、紙を挟んでいます。
この時に一番手前の接点は開いています
右の写真では紙を抜くと接点は開いたままとなっています

通電することによって上部の黒い部分が写真から見て左に倒れギアを回し(直線運動を回転運動に変換しています)、通電が切れるとバネの力で黒い部分は右に戻りギアをロックします

電気特性

接点は4a接点とありますが、2ステップ型は4つの電極のうち交互にONとOFFが2接点ずつあります
定格制御容量はAC100V5A、DC30V5Aとあります

動作時のコイルの消費電流ですが、DC12V時は109.2mA、DC24V時は54.6mAとあり
HC4極リレーより消費電流は多いようです

ラチェットリレー オムロン G4Q-212S DC12V とは

松下電工のHCステッピングリレーと同様にモメンタリースイッチを用いてオルタネイト出力をするリレーとなります

パルスごとに2接の各接点が交互に切り替え動作を行います。と商品説明に書いてあります
オムロン独自のラチェット機構の採用により接点を切り替えます

販売時期

2021年8月現在現行品です
G4Qシリーズの前身としてMR2Pシリーズがあったようですが1983年3月に廃番となっています

類似商品

オムロンの中で似たような商品があります

ステッピングリレー
 形G9Bシリーズ
 動作:6ステップ、12ステップ。
 電源:DC24V、AC100V、AC200V

ポンプ制御用 交互運転リレー
 ラチェットリレー形G4Qと同様の動きをする電子リレー
 形F61-AN
 形F61-APN2
 電源:AC100,AC200V

外観

G4Q-212S の側面

左側の写真は、側面に品番と回路図が書いています

 OmRON
 G4Q-212S
と書いてあります

中央の写真はカムが2接点のうちの1つの接点を押し上げています
黄色と赤色の導通が出ています
コイルはDC12Vと書かれたテープで巻かれています

右側の写真でもう一つの接点は板バネの力で下がっています
中央の写真と接点の上がり下がりは違うものの
黄色と赤色の導通が出ています

G4Q-212Sのギア面・上面・底面

左側の写真はギアが写っています
通電すると白い爪が電磁石によって下に引き寄せられて、黒い軸を押し廻します
軸の両側にあるカムが2つの接点を操作しますが、両方が同時にONになるわけではなくて、片方ずつONになり、負荷のバランスを取っているようです。
上の写真にあるように接点の取り方を逆にして出力は同じになるように工夫されています

ソケット 8PFA に取り付けてみる

8PFAを取り付ける

8ピン対応のソケットに取り付ける事ができます
ソケットは35mmのDINレールかネジ止めで固定することができます

電気特性ほか

接点は2C接点です
定格負荷は抵抗負荷でAC220V 5A、DC24V 5Aとあります

動作時のコイルの消費電流は、DC12V時は320mA、DC24V時は155mAとあります

コイルの定格電圧はDC12V、24V、48V、100V、200V
AC12V、24V、50V、100V、200Vがあります

大きさ
ケース入りの場合で品番表示面を正面とした場合
縦71.5mm 横63.5mm 高さ80mm (突起部とソケット含まず)です

松下電工 HCステッピングリレーと オムロン ラチェットリレーを並べてみる

HCステッピングリレーとラチェットリレーを並べてみる

機能的にはほぼ同じですが、大きさは親子ほど違います

HCステッピングリレーとラチェットリレーを並べてみる

ソケットの長手方向は、若干違う程度です
幅は2倍違います

最後に

リレーにも特殊な動作をするものがあります
企業である以上は需要や販売数の少ないものは廃番にしてしまう事も仕方のないことかもしれませんが
残してほしいものも多々ありますね
各社いろいろな構造のものがあり、技術とアイディアに脱帽です
今回の記事を書くにあたり、再度ステッピングリレーについて勉強し素晴らしさを再確認いたしました

最後までご覧いただきありがとうございます

2021年7月26日 下書きはじめ
2021年8月15日 初版

2021/08/15/011000

sasukedog.hatenablog.jp

松下電器 家庭用通報機 VJ-555C (GP3級受信機)と埋込取付ユニット VL-901M/3 どちらも廃番商品

家庭用通報機 VJ-555Cとは

松下電器(松下通信工業)の家庭用通報機になります
すでに廃番となっています

非常釦・火災感知器・ガス警報器・防犯(3系統)・予備(2系統)が接続できるようです
アナログ電話回線に接続して異常時にあらかじめ登録した通報先に音声通報ができます
詳細はわかりません

このころ(1990年代)流行したHA(ホームオートメーション)ユニットサイズで松下通信工業の自主規格の大きさになっています
中身の外形は横195mm 縦250mm 深さ49mmです

埋込取付ユニット VL-901M/3 に取りつけて使用します
この時に大きさは横235mm 縦250mmとなります
見た目をそろえた同じHAシリーズの機器を追加して機能を追加することができます
この時には埋込取付ユニットを見合ったサイズに変更します

表面には非常押釦・火災報知表示・ガス報知表示・防犯表示 兼 押ボタン×3回路・予備報知表示・マイク・警報音停止ボタン・オンライン表示 兼 押ボタン・通報表示
テンキー・スピーカ
予備電源表示・テストボタン・試験ボタン・交流電源ボタンがあります

埋込取付ユニット VL-901M/3

埋込取付ユニットは松下通信工業HAシリーズ専用の埋込金具だったようです
すでに廃番となっています
VL-901M/1~VL-901M/6 と入る機器のサイズによって種類があり、HAの様々な機器を組合わせて組込みして使用したようです

左から表面、裏面、ラベル表示

ラベルには、
品番 VL-901M/3
LOT NO. 012
    松下電器産業株式会社
製造元 松下通信工業株式会社
日本製
とあります

既定の寸法で開口し、左右のカバーに隠れている4隅の穴で壁に枠を固定して
HAのユニットを上下の金属部分の穴で固定します。

VJ-555Cを開けてみる

VJ-555Cのパネルを開けてみる

薄い化粧パネルを下からマイナスドライバーでこじ開けると、中の機器が出て来ます。
表面には予備電源のの注意書き、設定スイッチの説明、が出て来ます


薄いパネルの裏には、機器の動作概要が書いてあります

VJ-555Cのユニットを開けてみる

ねじを緩めてユニットのパネルを開きます
左側の細い方と、右側の大きい方を開けます

取り外したパネルの裏側です

裏側は基盤を保護するプラスチック板が取り付けられています。
またベース基盤と接続するための無数のハーネスとコネクタが出ています

ドアホンの端子説明、ガス警報器信号の説明、火災信号の説明
防犯センサーの説明、接続できる火災感知器の説明、接続できるガス警報器の説明
24V仕様の煙感知器は接続できない説明
移報出力の説明、電源基盤の説明がされています

銘板ラベルには

品番 VJ-555C
---------------------------
WAKO DENSHI-S
定格電圧 : AC100V
定格周波数 : 50/60Hz
定格消費電力 : 15VA
---------------------------
GP型3級受信機
型名 VJ-555C
型式 AC100V
  外部配線抵抗 10Ω
型式番号 受第4~17号
製造年 2001年3月
製造番号 01274
感知器回線 1回線(熱感知器)
検知器回線 1回線(有電圧/無電圧)
標準遅延時間 40秒
松下電器産業

とラベルにあります

右の写真にあるように、ユニット外面下にもラベルがありまして

VJ-555 セキュリティ端末装置
認定番号 S92-4041-0
製造年月 AC
松下通信工業株式会社

GP型3級受信機
型名 VJ-555
型式 AC100V
  外部配線抵抗 10Ω
型式番号 受第4~17~1号

色:チャイミーホワイト

とあります。

パネル裏側のプラスチックパネルの下は

プラスチックパネルの下には、チップ部品が並んでいます
大きいほうの2段になった基盤を外してみると、今となっては大きなLSIやROMや汎用ロジックICが並んでいます

パターンは今の製品と違いまだ目で追える程度の太さがあり、両面基盤のようです

スピーカーは松下の 6P100SA 8Ω JAPAN とあります (Φ57mm)

ベースの端子台基盤

ベース部分には端子台と停電動作用バッテリーとメモリーバックアップ用と思われるバッテリーが載っています

筐体の裏には MADE IN JAPANの掘り込みがあります

基盤の裏にはチップ部品が並んでいます

内臓バッテリー

左は動作バックアップ用でDC12Vのバッテリーとなっています
右はメモリーバックアップ用と思われるDC6Vのバッテリーです
どちらもコネクタの形状は異なっています
抜き差ししたら硬かったためコネクタが基盤から外れてしまいパターンがはがれてしまいました。注意が必要です

動作を見てみる

電源を入れて、非常・防犯・予備入力を動作させてみる

入力は+コモンのようです。

  1. 12VCOM端子と非常端子をショートしてみると、警報音とともにLEDが点灯します
  2. 12VCOM端子と防犯3端子をショートして防犯の上から3番目のボタンを押すと警戒できたようです
  3. 12VCOM端子と予備2端子をショートすると予備のマークが点灯し警報音が鳴ります

オンラインボタン操作で防犯を警戒する

オンラインボタン押下

本来は防犯センサー(B接点)を接続するところのB1と+12VCOM端子を配線でショート、B2と+12VCOM端子を配線でショート、B3と+12VCOM端子を配線でショートした状態で、オンラインボタンを操作すると「プー」と音がして防犯のスイッチが3つとも赤点灯し、警戒状態となります。警戒状態になるともう一度オンラインボタンを押しても「プププ」と鳴りエラーとなります。
解除するには設定の暗証番号で設定した番号が必要となりますが、
「#」「暗証番号4桁」「米」を押して解除されたら「プー」と鳴ります。番号が間違っているとエラー音が「プププ」と鳴ります。
警報が鳴りますと通報が始まります。

初めて見た!4線式火災報知器入力を動作させてみる

私は初めて見るタイプで受信機に4つ端子があります
断線検知をするのに今どきですと、受信機は2端子で4芯で配線して終端抵抗に接続する思いますが、終端抵抗という概念が無く代わりに受信機に戻します

P1~P4の端子がありP1端子から感知器へ行きP2に戻る
P3端子から感知器へ行きP4に戻るという結線です
使用しない場合はP1とP2端子をジャンパー・P3とP4端子をジャンパー線で接続します
通常時はP1番端子とP3番端子がショートすれば火災報知します

内部回路はP1番端子が火災判定回路へP4番端子がマイナスへ、
P2とP3はそれぞれ断線検出回路へつながって居るのではないかと思いますが
全く理解できません
P2番端子とP3番端子間はデジタルテスターで導通は出ません
断線状態時にはP1番とP4番端子をショートすると火災報知します

火災入力端子を測定してみる


P1・P2番端子がジャンパー、P3・P4端子がジャンパーの通常監視状態です。この時のP1とP3間の電圧は11.5Vです
P1とP2のジャンパーを外しP1・P2間の電圧を測ると10.4Vです
P1とP2のジャンパーを外しP1・P3(P4)間の電圧を測ると11.6Vです

P1とP2のジャンパーを外しP2・P3(P4)間の電圧を測ると0Vです
P1とP2のジャンパーは接続状態でP3・P4のジャンパーを外してP3・P4間の電圧を測ると10.4Vです
P1とP2のジャンパーは接続状態でP3・P4のジャンパーを外してP1(P2)・P4間の電圧を測ると11.6Vです

VJ-555Cのカタログ

VJ-555C カタログ

BZ1/BZ2端子には呼出音増設スピーカを接続することができるようです
BZとは書いてありますが、有電圧のサイレンなどが接続できるわけではなく、スピーカー用の音が流れるようです
非常ボタンを押したときにも音が出るのではないでしょうか

後継機は?

 時代の流れと言いましょうか、防犯の需要はあるとは思いますが、警備会社にお願いする流れになっているのでしょうか。後継機と言えるようなものが私には見当たりません。
パナソニックの通報機WQNT103も無くなってしまったようです。
 いざ停電時(不審者が電源を落とす可能性もある)でも動作するようにVJ-555Cには停電動作用のバッテリーが搭載されていました。
 探してみるとホームテレホン接続やインターホン接続はありませんが、TAKEXに機器がありました。「SC-810X」と言うセキュリティ自動通報装置と「C-804」と言う警報制御盤を組み合わせて使う方法です。どちらもバッテリーバックアップがあるようです
また、一体型の装置では防犯コントローラとアナログ電話回線にもつなげられる警報制御盤で「RXT-750CTI」と言うのがあります
どちらも電話通報にはアナログ電話回線が必須のようです。火災感知器は断線検出は出来なさそうです。また、火災感知器の感知器ベースでの動作表示は出来ないと思われます(電圧がDC12Vのため)。
ガス警報器も有電圧の物は使えないのではないでしょうか。
上記の装置が使えそうだとしても、私では詳しいことはよくわかりませんし、接続や設定に関して専門知識も必要に感じますので専門会社での取替をお勧めします。
取替時にVJ-555Cは埋め込みですので、外した後の穴を隠す必要があります。

 やはりVJ-555Cの優秀さが際立ちます!

おまけ

注意

設定方法のメモがありましたが何分古いもので、この通り設定できるのかわかりません。内容に誤りがある場合もありますのでご容赦ください。
お問い合わせいただいてもお答えできませんのでご了承ください。
何らかの損害や被害や機器が壊れたなどがありましても補償できません。

設定スイッチを入れる前に!

パネルの中央下の隙間にマイナスドライバーを差し込んでこじると表面パネルが外れます、右上にあるプリセットスイッチの1をONすると設定モードに入りますが、何もせずにOFFにしたとしても、必ず設定モード終了時に作動開始の試験通報が始まります。電源を入れた時や復電した時も同様です。私には止め方がわかりませんので、設定スイッチをONする前に通報先の人に連絡を入れてください。通報先は2件まで設定できます。
 通報内容は「録音メッセージ+作動しました。」です。ここまで聞かずに電話を切ると、再度電話がかかってきます。

プリセットスイッチ1と2

プリセットスイッチ1・2

プリセットスイッチ1をONにすると設定モードに入ります。
OFFにすると運用モードに戻ります。
プリセットスイッチ2をONにすると設定内容のバックアップを行います。
後に説明する設定のいずれかが入っていないと、「オンライン」ボタンの赤LEDが点滅します。

すでに説明しましたが、設定モードから通常モードに戻すと試験通報を行いますので、ご注意ください。

設定項目

1,回線種別 10:ダイヤル10pps 20:ダイヤル20pps 30:プッシュ
2,暗証番号 4桁でオンラインモード解除時に使用する暗証番号を設定します
3,通報モード 1:1ケ所のみに通報 0:2ケ所ともに通報
4,第1通報先電話番号 最大16桁 #で3秒ポーズ
5,第2通報先電話番号 最大16桁 #で3秒ポーズ
6,通報メッセージ録音

ポーズは構内交換機などで0発信などの場合に「0#」などと入れて使用します。(ただし交換機に極性反転信号が必要です)

設定方法

操作上の注意:何かしゃべっている間はコマンドを受け付けませんのでしゃべり終わるまでお待ちください。
また、ボタン操作はゆっくり入れてください。早いとついていけません。
ボタン操作の「#」で設定項目が前進します。
「米」で設定項目が後退しますが「米」の使用はお勧めしません。
「米#」で現在設定中の項目のみの設定内容の削除です。


設定スイッチ1をONします。(オンラインが赤点滅します)

待機状態ですので#を押します
「いち」が聞こえて、回線種別の設定状態となります。
10:ダイヤル10pps 20:ダイヤル20pps 30:プッシュ回線
なのでプッシュ回線であれば「30#」と押します。

待機状態ですので#を押します
「にぃ」が聞こえて、防犯通報モードから解除する暗証番号の設定となります。
4ケタの暗証番号1234であれば「1234#」と押します。
補足:「オンライン」ボタンを押すと通報する防犯警戒状態になりますが、解除するには「#4桁の暗証番号※」と押す必要があります。

待機状態ですので#を押します
「さん」が聞こえて、通報方式の設定となります。
0:2か所ともに通報 1:どちらか1か所に通報となります。
2か所ともに通報するのであれば「0#」と押します。

待機状態ですので#を押します
「よん」が聞こえて、通報先1の設定となります。
「通報先1電話番号#」と押します。
削除する場合は「米#」と押します。

待機状態ですので#を押します
「ご」が聞こえて、通報先2の設定となります。
「通報先2電話番号#」と押します。
削除する場合は「米#」と押します。

待機状態ですので#を押します
「ろく」が聞こえて、通報時に自動再生される通報メッセージの設定となります。
すでに録音されているものがあれば勝手に再生が始まります。
再生中はボタン操作を受け付けません。
「1」と押します。「ピー」音が鳴り録音が始まりますので通報元の情報などを吹き込みます。最大15秒で最大時間が経過したら「ピー」音が鳴りますので、鳴り終わるのを待ち「#」を押します。
15秒の経過を待たずに言い終わったら「#」を押せばその時点で録音終了となり通報時の余分な空白の時間が無くなります。

待機状態となります。
この状態で「6米」と押すと、録音されたメッセージが再生されます。
録音をやり直したいときには「#」をゆっくりとした間隔で何度も押して「ろく」と聞こえたら録音し直します。

「米」を押すと設定項目が後戻りしますがわけわからなくなるので「#」のみを使用することをお勧めします。

設定内容の確認

上記で待機モードと書いている状態時に
「確認したい番号・米」と押すと設定内容をしゃべります。
通報先1を確認したい場合は「4米」と押すと設定内容をしゃべります。

待機モードが良くわからないという事であれば、スイッチ1をONにして設定モードに入った時の状態で「4米」などを押すと確認できます。

設定モードの終了

スイッチ1をOFFにします。
設定内容を停電時もバックアップするために、スイッチ2をONします。

設定がうまくいっていれば、試験通報が始まります。
録音していないなど内容に不備があれば「オンライン」灯が点滅し通報は始まりません。再度設定を行ってください。

パネルを戻します。

通報メッセージ

非常ボタン押下 「緊急事態発生・緊急事態発生」
ガス警報 「ガス漏れです・ガス漏れです」
火災警報 「火事です・火事です」
防犯警報 「戸が開いています・戸が開いています」
予備入力 「緊急事態発生・緊急事態発生」設定による?
通報中は通報灯が点灯します。

通報がうまくいかないと

通報先とつながらない・通報先の人がきちんと最後までメッセージを聴かない場合、電話が切れた後に通報待機中となり通報ランプが点滅状態となり、再度メッセージの通報が始まります。
1回目の通報がうまくいかないと、15秒後に2回目の通報、また15秒後に3回目の通報、3分休んだ後に4回目の通報、15秒後に5回目の通報、15秒後に6回目の通報、3分休んだ後に7回目の通報、15秒後に8回目の通報、15秒後に9回目の通報が始まります。
これ以上は確認していません。
途中で止める方法はわかりません。

内線に接続すると通報できない?

内線やフリーダイヤルなど極性反転信号(通話料課金信号)が出ない回線に接続するとメッセージが流れず正常に通報できないと思われます。そして「通報がうまくいかないと」の状態になります。
建物が離れていても通話料金がかからない内線への接続も同様にダメと思います。
どうしても、内線に接続する場合はTAKEXのSC-810X(OMRON K5Sベース(廃番)のタカコム?着信判定パターンAに設定。通報先着信判定AとBについてはK5Sの説明書(P.5-8)の方が詳しい)やタカコムのADS-100(B-7をON)やTAKEXのSC-25Tなど設定変更で内線接続も工夫してできるようにしてあるものに取り換えるのが良さそうです。
ただし、通報以外の機能に不足があるので総合的にほかの装置も組み合わせての置換えができるのか検討が必要となります。
(外線もですが、よくある内線通報先であっても110番や119番は設定できません)
留守番電話などに接続された場合でも通報したとみなされると思われます。これについては「0」ボタンを押すことにより本人確認できるようにする設定のできるSC-810Xがお勧めではないでしょうか。

これらはアナログ電話回線への接続が前提ですが、ピンク電話回線の場合、簡略して言うと通話料金を10円課金するたびに極性反転が起こるので、TAKEXのSC-810Xの極性反転を無視する「着信判定パターンC」で対応できるのではと思います。違うかな?

TAKEXのRXT-750CTIにつきましては説明書を検索しても出てこないので詳しいことがわかりません。

アダプターアンプ VB-3412F-B を見てみる

VB-3412F外観

VJ-555Cの機能を補うために、VB-3412Fを使用している場面もあるようです。VJ-555Cでは警報時に外部への音響スピーカーを接続する端子があるものの、警報ベルなどを接続することができないようです。この音響スピーカー接続端子で警報音が鳴ったものを感知して接点出力する装置のようで、ベルが鳴らせられるようにDC15Vをするように改造されているように見えます。

内部を見てみる

内部

開いてみると蓋側にスピーカーがあります
松下のEAS-8P13S 8Ω JAPAN
と書いてあり SSと言う文字とともに謎のマークがあります。
基盤上のリレーには出力に電圧を印加するような変更がされているように見えます。
内部に15Vの3端子レギュレータがあるので、出力は15Vとなっています。

VJ-555Cとの接続

接続

VJ-555Cの補助音響装置というスピーカ接続端子に、VB-3412Fのローゼットの青と白の配線が接続されている端子に接続されています。端子の赤と黒からは警報音鳴動時にDC15Vが音の鳴動と連動して出力されます。断続音だと出力ON・OFFを繰り返すような動きとなるようです。

最後に

多彩な機能を持つ家庭用通報機でした
ほかにもインターホン端子・ホームテレホン端子・カードリーダ端子・パッシブ端子など有りますがどのように接続するのか不明です

今現在においても、他社にはない家庭用ならではのオールインワンの便利な逸品だと思います
いいものを見させていただきました
お付き合いありがとうございました

100円ショップ ダイソーマスク用インナーフレームを使ってみる

季節は夏となり、暑い日が続きます
オリンピックが盛り上がる中いかがお過ごしでしょうか

コロナ渦ということで常にマスクを着用して過ごすことが多いのですが
どうしても息が苦しいのか無意識に顎マスクにしがちです

そんな中、不織布のマスクの内側に入れると呼吸しやすくなるインナーフレームなるものが販売されていましたので購入してみました

買ったのは100円ショップのダイソーで1つのパッケージに3個のフレームが入っています

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1週間ほど着用して過ごしましたが口に不織布がピタッとくっつくことが無くて蒸れもあまり感じられず、快適とまでは行きませんがマスクをしたまま過ごすことの苦しさが和らいだ感じです
食器洗い洗剤で洗って繰り返し使用しています
生活するうえで手放せない一品となりました

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ある程度の大きさのマスクでないと横に隙間ができると思います
使用しているマスクとの相性もあると思いますので、確認が必要です
今はダイソーのものを使用していますが、探せばいろいろとあるようです

2極リレーのソケットを分解して見比べてみる uxcell PYF08A OMRON PYF08A OMRON PYFZ-08 IDEC SM2S-05DN NAiS AP3822K CHINT CZY08A DAYIGK DYF08A

2021年8月29日追記
2021年9月19日追記
2021年12月12日加筆訂正

sasukedog.hatenablog.jp

はじめに

みなさまおなじみ、ではないかもしれませんがリレーという部品があります。
接点信号を分けたり、違う電圧のものを制御したり、機器の外と中で絶縁したりするのに私は使用します
リレー自体に機能やコイルの電圧によってさまざまな種類があり、使用するにあたって様々な取り付け方があります
私の場合はほとんどがソケットを使用して平板に取り付けて使用しています。

原材料不足で手に入らない

リレー本体があっても、ソケットが無ければ取り付ける事ができないのですがそのソケットが手に入りません(泣)
樹脂原材料不足とやらで手に入らないようです
半導体不足が続く中、樹脂も無いということで参ってしまいます
モノタロウを見てみるとオムロンのPYFZ-08は2021年7月現在、2022年1月出荷予定ととても待つことができない納期が示されています
  (2021年12月現在、1個売りは取扱停止中となってます)

もともとは松下電工のリレーを多用していたのですがこのタイプのリレーは2018年に撤退し、現在はOMRONのリレーを使用しておりました
松下ではHCと呼ばれ、オムロンではMYと呼ばれる小型リレーです

代替のソケットを探している中でAMAZONで販売しているソケットを購入してみましたので、いかなるものか紹介したいと思います

注意

 ソケットに違うメーカーのリレーを刺すことを推奨するものではありません
使用するリレーの指定以外のソケットを使用する場合は自己責任にてお願いします
(電圧・電流などの定格を考慮しないといけませんが、
メーカーが違っていても同じタイプのリレーを刺すことができます)

HCリレー MYリレー


写真左はすでに廃番になっています松下電工の2極リレー(HC2-H-DC12V AP3221K)+ソケット (HC2-SF-K AP3822K)
写真右は現行品となりますオムロンの2極リレー (MY2N-D2 DC24V)+ソケット (PYFZ-08)です

写真ではわかりにくいですが、左のリレーは最大電流7A、右は最大電流10Aですのでリレー内部の白いリード線が右のほうが若干太くなっています


リレーを足側から見てみます
足の形状・配列・刻印されている端子番号とも同じに見えます


横から見ると電磁コイルと磁石で吸着される鉄板が見えます
通電(14番と13番端子)して励磁されると鉄板が磁石に引き寄せられてリード線が接着された可動接点(9番および12番端子)が電磁石側にある固定接点(5番および8番接点)に切り替わります
通電が切れるとバネの力で元の固定接点(1番および4番端子)に戻ります


左のリレーには松下電工のロゴNAiSの表記が右のリレーにはOmROnのロゴが表記されています

端子配列がコンパチブル


松下電工オムロンのリレーを入れ替えてみました
電圧電流などの定格を考慮しないといけませんが、メーカーが違っていても同じタイプのリレーを刺すことができます

注意:違うメーカーのリレーを刺すことを推奨するものではありません
リレーの指定以外のソケットを使用する場合は自己責任にてお願いします

各ソケットの外観チェック!

uxcell PYF08A OMRON PYFZ-08 IDEC SM2S-05DNを見比べてみる



左からuxcellのPYF08A OMRONのPYF08A OMRONのPYFZ-08 IDECのSM2S-05DN
です
どれも8ピンのミニパワーリレー取付用です

側面の写真です
uxcellのPYF08Aだけ何も書いていません
OMRONのPYF08Aは MAX.7A250V MADE IN JAPAN
OMRONのPYFZ-08は MAX.10A250VAC MADE IN JAPAN
IDECのSM2S-05DNは SM2S-05DN 250V 10A
と表記されています

uxcell PYF08A と CHINT CZY08A を見比べてみる

左:uxcell PYF08A   右:CHINT CZY08A

左はuxcell PYF08A 右はCHINT CZY08Aです
大きな違いはレバーの色が橙色と青色です。
写真ではわかりづらいと思いますが、レバーの色だけでなく細部の寸法が違いますので全く違うものですが、内部まで構造は兄弟のようによく似ています。

左:uxcell PYF08A 右:CHINT CZY08A

どちらのソケットにも 定格やCEなどの基準適合マークの表記はありません
(2021年8月28日追記)

CHINT CZY08A と DAYiGK DYF08Aを見比べてみる

左側 CHINT CZY08A  右側 DAYiGK DYF08A

左はCHINT CZY08A 右はDAYiGK DYF08Aです
大きな違いは長手方向が細くくびれているところがあります。
外観も全く違うものですし内部も違います、ただ構造はよく似ています。

左側 CHINT CZY08A  右側 DAYiGK DYF08A


DAYiGK DYF08Aソケットには
DAiGK
大一工控
DYF08A
7A 250VAC/250V ~
X6708C CE
基準適合マークの表記があります
(2021年9月19日追記)

OMRON PYFZ-08 の印字を見比べてみる

OMRONのPYFZ-08 左は以前購入したもの、右は最近購入したもの

OMRON PYFZ-08の印字の違うものがありますので紹介します。
左は以前購入したソケット
右は最近購入したソケットです
安全規格の表記がわかりやすいように分けられています
またWEEE指令に基づく「Crossed-out Wheeled Bin Symbol」と言うリサイクルマークも追加されています

ほかの部分に違いは見られませんでした
(2021年8月22日追記)

各リレー用ソケットを詳しく見てみる

uxcell PYF08A を分解してみる

AMAZONにて 20個入りを購入しましたところ化粧箱に入ってきました
DINレールの固定レバーが濃い橙色と薄い橙色の2種類混ざってました

裏ブタを開けると平板で出来たブスバーのような導体が見えます

ねじ端子台との接続部分からリレーとのコンタクト部分まで1枚の板を加工して制作されています
板厚は0.25mmです

電流値などの仕様が一切わかりませんが、uxcell の PYF08Aの中には5Aと案内されているものがあります

大きさはW22.5×L72×D30(mm)です。(レバー除く)

CHINT CZY08A を分解してみる

モノタロウにてミニリレー端子台 ミニリレー2極 注文コード 28614898 として販売されているものです
(2021年8月現在品切れです)
(2021年12月現在は販売中です)
モノタロウでの別売りのリレー JZX-22F(D) 用の端子台です。AC220V用 AC110V用 DC24V用 定格通電電流:5A の品揃えが確認できます。

CHINT CZY08A

中央にメーカーロゴが確認できます。一見 CHNT に見えますがHの部分が Hとiをくっつけた形状で右側上部が切れています。
裏ブタを開けると uxcell PYF08A と同様に平板で出来た導体が見えます。良く似てはいますが部品構成や形状は異なっています。

CHINT CZY08A

ねじ端子台との接続部分からリレーとのコンタクト部分まで1枚の板を加工して制作されています
板厚は0.25mmです
製品単体での表記が無いので、電流値などの仕様がわかりませんが、上記にあるように5Aのリレー用の端子台です。

大きさはW22×L71.5×D30(mm)です。(レバー除く)
(2021年8月28日追記)

DAYiGK DYF08A を分解してみる

共立エレショップにてリレーソケット 商品コード L8K312 として販売されているものです
 アマゾンでも CNTDと検索すると似たような商品が出て来ます

共立エレショップは

 大阪府浪速区日本橋にある共立電子産業の通販部門です。
大阪へ行った時には小売店舗のシリコンハウスによく訪れていました、また姉妹店のジャンク品などを扱うデジットは建物老朽化などのため2021年6月17日(木曜日)にシリコンハウスの3階に移転オープンしたようです

外観は
DAYiGK DYF08A

左下にDYF08Aという品番が見えます。
裏ブタを開けると uxcell PYF08A や CZY08A と同様に平板で出来た導体が見えます。良く似てはいますが部品構成や形状は異なっています。

DAYiGK DYF08A

ねじ端子台との接続部分からリレーとのコンタクト部分まで1枚の板を加工して制作されています
他では見られませんが、板には細長いくぼみがプレス形成されており、薄い板ながら曲がりにくいように工夫されています
板厚は0.25mmです

7Aのリレー用の端子台です

大きさはW23×L71×D30(mm)です。(レバー除く)
(2021年9月19日追記)

OMRON PYF08A を分解してみる

2021年3月生産終了となっており、現在は廃番となっています

新旧のOMRON PYF08Aを並べてみます
右が旧型でねじが有色クロメート処理がしてあります
旧型は接続面にMADE IN JAPAN の刻印があります

裏ブタを開けてみました、しっかりとしたバーが見えます

バーの板厚は1mmでリレーとのコンタクト部分は溶接されています
コンタクト部分の先端は旧型の先は細くなっています

大きさはW22×L71×D30(mm)です。(レバー除く)

OMRON PYFZ-08 を分解してみる

PYF08Aの後継機となります
よく間違えそうになるのですがPTFと始まるソケットは、LYシリーズのリレー用ですので注意が必要です

裏ブタを開けると銅の単線が見えます

中身がユニットになっておりごっそり出て来ます
単線の太さの測定値は1.1mmでした

大きさはW22×L71×D30(mm)です。(レバー除く)

IDEC SM2S-05DN を見てみる(分解して見たかったのですが壊れそうで断念)

メーカーは違いますが、オムロンのMY2を刺すことができました
定格は10Aです

青色のレバーのところに小さくTAIWANの文字があります

大きさはW22×L69.5×D31(mm)です。(レバー及び突起部を除く)

似たような端子台は富士電機のTP58X1 (250V7A)もあります

松下電工 NAiS AP3822K HC2-SF-K を見てみる

単品では2018年に廃番となっています

DINレールに取り付ける事はできません。ねじ2本で取り付ける事ができます
端子台がコンパクトなので重宝していました
似たような端子台にオムロンのPYF08Mがありますが、取付面に端子台の突起がはまる穴加工が必要で使ったことはないです。

大きさはW40×L30×D17.5(mm)です。

最後に

多数あるリレーの端子台の中の2極リレーの一部を紹介させていただきました

製品として組み込んで納入するのにいつも使っているソケットが手に入らない、代わりになるものは有るのか?と言う疑問から手に入る限りのソケットを調査してみました
それぞれについて良い悪いと言うのは言えませんが、オムロンの物はひと味違うという感触でした
リレー本体は磨耗や故障すれば差し替えて使えば良いですが、肝心の土台となるソケットが万が一不良を起こす原因となるのであれば目も当てられません
今回の記事は残念ながら新品の状態での事であり、10年先この端子台の劣化具合がどうなっているのかはわかりません

2021年12月現在いつものスイッチング電源も手に入らなくなりました
他メーカーの近いものも有りません
早くいつもの部品が安定供給されます様に

sasukedog.hatenablog.jp

追記

2021年8月22日 OMRON PYFZ-08 の印字を見比べてみる
2021年8月29日 uxcell PYFー08A と CHINT CZY08A を見比べてみる
CHINT CZY08A を見てみる
2021年9月19日 CHINT CZY08A と DAYiGK DYF08Aを見比べてみる
DAYiGK DZY08A を見てみる
2021年12月12日 加筆と品番間違いの訂正

アイホンの集合玄関システム(1980年代) VCM-30M-EL を開けてみる

アイホンの集合玄関機 VCM-30M-EL とは

現在よく見るテンキー方式のものではなく、ダイレクトにつながる呼び出しボタンが30個ついています
古い集合住宅で見かけることがあります
また、動くのかはわかりませんが飲食店の入居しているビルなどでも見かけることがあります

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今回あけたものとは違うもの

戸建て用のドアホンのマイクスピーカーが1個で押釦が住居数分あるイメージでしょうか

おそらく1980年代の製品と思われますが、これだけ古いと手元に資料が無く、VCMシリーズに何回線のものがあったなどわかりません
ただ、多回線ものもの制作できたのではないかと思われます

パネル側外観

 呼び出しボタンが取り付けてあるパネルと、端子台・電源・電気錠基盤のついたベースに分かれており、その間は多芯ケーブルで接続されています

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パネル表面の右側手にはネームホルダーと共に黒色の押釦が並んでいます
その左横にはキースイッチの取付穴、マイク孔、スピーカーのスリットが開いています
裏側は箱状になっており、押釦を押したのを保持するであろう基盤や通話する基盤などが収納されています
太いケーブルの先にはコネクタがついており、端子台のついている基台と接続します

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押釦の銘板のところには番号が入っており左上から1番回路で上から下に行き、右下が30番回路のようです
マンションなどだと下から若い番号を割り振ったりすると思うので、先に部屋を窓に割り付けて接続する箇所を決めたのかなと思われます

開けてみる

蓋を開けると盤面側には大きな基盤が6枚あり、5回路ごとに回路が組まれているようです


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マイクに8Ωのスピーカーとアルプス電気の押釦が取り付けられています


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蓋の裏側には集合玄関機との通話を制御するであろう基盤が取り付けてあります
箱の外から音量調整ができるように配置を工夫してあります
上のほうには端子台と接続するハーネスとの接続用基盤があります

端子台基台

設置されている状況でパネルを外すと出てくるのが端子台基台です

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すっきりとした板に端子台・電源・電気錠用基盤が取り付けられています
このままの状態で特にカバーなどがあるようではなさそうです

銘板には

MODEL VCM-30M-EL
LOT NO.900588Z
〒 アイホンのロゴ
定格電圧 100V
定格周波数 50/60HZ
定格消費電力 10W(最大)5W(待受時)
アイホン株式会社

とあります

コネクタ・端子台

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パネル側との接続コネクタがあります。コネクタで分離できるようになっており施工性が良いです
コネクタはアンフェノールとかセントロニクスとか呼ばれるフルピッチ50Pです
その昔パソコンのSCSI方式ハードディスク接続などで使われていましたよね

端子台には1~30の個別端子台と「+」「ー」の電源端子があります
配線の跡から見ると+は使われていなかったようですが、直流電源で作動する室内親機がラインナップにあったのかもしれません

電源トランスに整流・平滑用の基盤があります

電気錠基盤

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電気錠基盤は独立してあります
各住居内の親機の解錠接点信号をひとまとめにしたものを入力して、タイマー時間接点を電気錠制御盤や自動ドアに出力します
左の2端子が住居からの入力、右の2端子がタイマー出力、真ん中はよくわかりません
出力時にはパネル表面のLEDが点灯するようです

住居親機と接続する

住居親機 IC-2ATD と子機 ID-DA と接続してみます

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住居親機の1・2端子と同じくもう1組1・2端子がありますので、片方の1・2にID-DAを接続し、もう片方の1・2に集合玄関の「1」と「ー」を接続します
集合玄関もIC-2ATDから見れば子機の扱いとなります

電圧を測定してみる

IC-2ATDとID-DAの接続を測定してみます

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待機時は5.6V 通話時は9.5Vでした

IC-2ATDと集合玄関の接続を測定してみます

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待機時は4.6V 通話時は9.2Vでした

最後に

集合玄関システムの原点に近いものを見させていただきました
オートロックにも対応しています
非常にシンプルかつ耐久性もよくまだまだ動きそうに見えます
最近のものほど壊れやすいと思うのは気のせいでしょうか
いいものを見させていただきました

アイホンのカウンターインターホン TC-10M TC-20G TB-SE を開けてみる

はじめに

先日 ナショナルのコミュニケーションシステムを分解しましたが
同等システムのアイホン カウンターインターホンを開けてみようとおみます

sasukedog.hatenablog.jp

カウンターインターホン親機 TC-10Mとは

アイホンのカウンターインターホン 親機になります
いつから販売しているかは調べられていませんが、現在販売中です
TC-10M単体ですと、10台の子機が接続できます
TC-20Mという20局用親機もあります

外観

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白を基調とする本体にグレーの縦ラインが走っています
本体左手にはきちんと受話器が取り付けてあります
受話器の右には受話音量と呼出音量の3段階の切替スライドスイッチがあります
電源LEDと話中LEDの下には転送ボタンがあります
その右には選局ボタンと選局表示LEDがあります


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受話器のカールコードは左横から飛び出しています
卓上にした時の背面(壁付けにした場合には床面)には増設親機用の接続コネクタ、入線口、電源スイッチ、100VのAⅭコードがあります


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底面には壁面取付用の取付穴に45mmの入線口が開いています
また4隅にも壁面取付用の8mmの取付穴が開いています

開けてみる

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開けてみると電源のトランスに電源基盤、子機などを接続する端子台基盤があります

20局用増設選局部 TC-20Gとは

カウンターインターホン親機 TC-10M用の増設選局部になります
TC-10Mと組み合わせることにより、システムを30局とすることができます

組み合わせにより標準システムでは親機20局+増設40局の最大60局まで増やすことができます
組み合わせの詳細はカタログ等を参照ください
(受注生産品を組み合わせると140局も可能のようです)

外観


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表面には選局ボタンと選局表示LEDが20個並んでいます
また親機と接続するコネクタがあります


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卓上にした時の背面(壁付けにした場合には床面)には親機接続用の接続コード、入線口があります
底面には壁面取付用の取付穴に45mmの入線口が開いています

開けてみる

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蓋側には回路などがあり、底面側には配線接続用の端子台があります

壁掛け型子機 TB-SE

TC-10Mなどの親機と接続する子機になります
壁掛け型とはなっていますが、据え置きにすることもできます

外観


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受話器を上げたところに会社名「AIPHONE」と機種名「TB-SE」が印刷されています
裏面にナショナルの子機のような金具はありません
子機本体を開いてとりつけるような構造になっています
露出で外部からの配線を取り込むための溝が上下方向ににあります

フック部品

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受話器を引っ掛ける部分の部品が取り外せるようになっており
突起が無い向きに差し込むと卓上用、突起がある向きに差し込むと壁面用として取り付けることができます
素晴らしいアイディアです

開けてみる


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ベース部分には壁面取付用の穴と入線穴と電線を接続する端子台があります
ふた側には回路基板と呼出音鳴動用のスピーカーが取り付けてあります

ラベルには

MODEL TB-SE
LOT NO. 4A7005X
MADE IN THAILAND
アイホン株式会社

とあります

端子台は

1・2・3・4 とあり、1・2が親機と接続、
3・4は出荷時はジャンパー金具が取り付けてあります
3・4の金具を外すと呼び出し音が減音されます、またリレーボックスATW-Rと接続することができます


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基盤は

基盤の裏面にはチップ部品が多用されています
表面にはコンデンサー類にトランスとアルプス電気のフックスイッチ(黒色)が取り付けてあります

本体のふた部分には呼び出し音鳴動用のスピーカ(外磁型、直径40mm、インピーダンス20Ω)が取り付けてあります

受話器は

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受話器を開けるとスピーカとコンデンサマイクが取り付けてあります
マイクとスピーカを固定する馬蹄型の金具は受話器にある程度の重さを出すためなのか、固定するだけなら必要ない厚みと大きさです

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スピーカは株式会社プリモのCR-4(電話受話器用のダイナミックレシーバユニットと思われるもの)が採用されています

TC-10Mの端子を測定してみる

トランスからはAC16Vが出力されており、内部で整流されていると思われます

ドアホンアダプター用のDC12V端子からはそのまんまDC12Vが出力されています
またDC12Vのマイナス側と子機接続用のE端子の間に導通があり子機はマイナスコモンのようです
(ナショナルはプラスコモンでした)

TB-SE接続時の回線1とEの間の電圧

デジタルテスターで測定
待機中 DC6.5V
子機から親機呼び出し中 DC2.9V
親機から子機呼び出し中 DC11.7V
通話中 DC8.7V

TB-SEの端子を測定してみる

端子1・2の間を受話器を外した状態で測定する

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端子1・2の間を受話器を外した状態でインピーダンス計で測定してみると
800Ωでした

端子1・2の間を受話器を置いた状態で測定する

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端子1・2の間(3・4はジャンパーした状態)を受話器を置いた状態でインピーダンス計で測定しようとしましたがうまく測定できませんでした。
ナショナルの子機の時はうまく測れたので回路を見てみますと双方向のダイオード(D5)がありましたので、ジャンパー線で仮にダイオードが無い状態で測定してみましたら24Ωを指しました。

呼出し時の音の流れ

呼び出し時には1端子からフックスイッチを経由して3番端子4番端子を経由し無極性コンデンサーを通りダイオードを通りスピーカへ(インピーダンス20Ω)接続されます
2端子からはそのままスピーカへ接続されます

端子3・4の間を測定してみる

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端子3・4の間のジャンパーを外して抵抗を測定しましたら122Ωでした
回路を見ますとR9の120Ωの両端に端子3と端子4があります

右の写真は受話器をかけた状態では端子1と端子3の間はショートの状態です
受話器を外すと抵抗は無限大になります

【実験】TB-SEに外部スピーカを接続してみる

ナショナルのVL-555の3・4番端子に外部スピーカを接続すると親機からの呼び出し時に
呼出音を鳴らすことができます
アイホンのTB-SEは3・4番端子に必要であればATR-Wというリレーユニットを接続することになっています
果たして呼出音は鳴るのでしょうか?

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ジャンパーを外して8Ωと20Ωのスピーカを接続してみましたが、どちらも鳴動しました!
むき出しで取り付ける事は無いでしょうから、VL-862WやIER-2を接続しても鳴るかもしれません

注意:鳴りはしましたが、本来接続するはずではないものを勝手に接続して実験してみました。
わずか数分試してみただけですので不具合が起こる可能性はあります
記事をみて接続される際にはご自身の責任にてお願いします

ナショナルのコミュニケーションシステムからアイホンのカウンターインターホンに取り換える

親機の大きさが大きくなりますので設置場所の余裕があるか確認が必要です
親機に外部接続ボックスで配線が接続されている際は配線が届かないことがありますので、配線の取り回し等も気にしたほうが良いです
子機だけですと配線の本数も同じようですので障害が起きていなければ幹線の流用も可能かと思います

カウンターインターホンのカタログ

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カウンターインターホンの概要がわかります

ナショナルのコミュニケーション親機 VL-355、VL-655 を分解してみる!VL-555 TB-SE を接続

コミュニケーションシステム親機

先日ナショナルのコミュニケーションシステムの子機を分解いたしましたが
今度は親機を手にかけてみようと思います

sasukedog.hatenablog.jp

VL-355とは

松下電器(松下通信工業)のコミュニケーションシステムの親機になります
すでに廃番となっています
後継機は無いようです
VL-555などの子機を接続して使用します
VL-355単体ですと、10台の子機が接続できます
また、VL-356という20局用の親機も存在します

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ネットで検索しましたが古いからと思いますが詳細が出て来ません

本体の盤面は深い緑色を基調としたものになっており、電源スイッチ・電源パイロットランプ・選局ボタン・選局ランプ・ホールド釦が装備されています

電源ランプの上には Nationalの文字、受話器の下の白い部分にNを模したナショナルのロゴが刻まれています

取付は据え置きか、本体裏面上部の2か所にあるだるま穴に引っ掛けるようになっています


VL-355は新コミュニケーションシステムと言う品名になっており、それより以前にVL-351というコミュニケーションシステム親機があったようです(1970~1977)


1977/4/1~2003/9/30

VL-355の端子は

1~40の数字が刻まれていますが、詳細は端子カバーのの裏に明記されていました

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L1~L10とEの端子にコミュニケーション子機を接続します
DAはドアホンアダプターの略のようです
S は増設スピーカ

VL-355の銘板


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銘板には

ナショナル コミュニケーション
品番 VL-355
〒NDCL
定 格 電 圧:AC100V
定格周波数:50/60Hz
定格消費電力:10W
LOT NO. 7D11 IM2AC
松下通信工業株式会社

とあります

VL-355を分解してみる

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本体は表面と底面とに分かれます。
底面側には電源スイッチ経由したAC100VをDC9Vに変換する基盤、トランス
端子台・増設親機への接続コネクタに呼び出し音量のボリューム

表面側には、制御回路・回線選択回路などがあります

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単線の配線は結束バンド(タイラップ・インシュロックなど)をほぼ使用せず、蝋引きの麻紐で丁寧に束線されています


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電源整流基盤から出力された電気は18番端子+桃色と19番端子ー空色にも接続され内部の電源にもなっているようです
内部にはチップ型の電子部品は見当たらず、トランジスタ・抵抗器・コンデンサ・コイル・トランスなどが所せましと並んでいます


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受話器はVL-555と同じもののようです
スピーカもVL-555と同じEAS-45P19Sですが、コーン紙にあったエンボス加工は製造時期が違うためか施されていませんでした

VL-655とは


VL-355コミュニケーション親機と接続し20局の増設選局部として使用します
すでに廃番となっています
また、VL-656という40局用の増設選局部もあります

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本体の盤面は親機と同じく深い緑色を基調としたものになっており、選局ボタンと選局ランプが横に5個4段の計20個並んでいます

取付は親機とは違い、VL-555と同じ引っ掛け金具で取り付けるようになっています

VL-655は新コミュニケーションシステム 20局増設選局部という品名となっており、それ以前はVL-653コミュニケーションシステム20局増設選局部(1970~1977)だったようです


1977/4/1~2003/11/30

VL-655の端子は

本体には7本の配線で親機と接続するための端子台があります
配線の色は抵抗器のカラーコードの並びになっており1:茶色から7:紫色までです


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多芯ケーブルで接続された端子台に20台までのコミュニケーション子機を接続できるようになっています
端子台の上部には「端子の表示は蓋の内側にあります」と書かれています

VL-655の銘板には


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ナショナル コミュニケーション
品番:VL-655
LOT NO. 7C11
松下通信工業株式会社

とあります

また、本体のあけ方のラベルが貼ってあります
本体止めねじ2本をはずした後 本体上ケースと下ケースを下図のようにずらすことによって開けることができます

とあります
実際に開けるときに非常に硬くこの表記がなければ壊してしまうところでした
閉めるときにはいとも簡単に閉めることができました
ただ、実際の施工や運用に開ける必要性は無く誰のため?のラベルか謎ですね

VL-655の端子台配線色

(2022年1月23日 追記)

VL-655製品本体には、子機を接続する端子がありません
多芯ケーブルが本体より出ており、接続端子台が別に用意されています。
手元にある製品の配線の長さは1.7mと案外長いです

本体と端子台を接続する配線の色を見ていきます
※端子台との配線色ですが製造時期によって色が変わっているかもしれませんのでご了承下さいください。

基本的に本体の選曲ボタンの裏の基盤にはんだ付けされているリード線が個別線で20回線分、E共通線は親機と接続するベース側裏端子の1茶の端子にはんだ付けされているものです

接続端子台の内容
1から28は端子台の通し番号、L1-L20が増設される回線番号、Eは共通端子です

手元にある製品の端子台内部の配線接続色です。色順は抵抗器のカラーバーの色順+アルファです
1. L1 茶
2. L2 赤
3. L3 橙
4. L4 黄
5. L5 緑
6. L6 青
7. L7 紫
8. L8 灰
9. L9 白
10. L10 若草
11. L11 桃
12. L12 空
13. L13 茶/黒
14. L14 赤/黒
15. L15 橙/黒
16. L16 黄/黒
17. L17 緑/黒
18. L18 青/黒
19. L19 紫/黒
20. L20 灰/黒
21. E 白/黒
22. E 若草/黒

(21から28まではE共通線が内部でジャンパーされ、お互いに接続されています)

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VL-655 端子台配線接続色

写真左:VL-655と端子台の裏面
写真中:VL-655の蓋を開けたところ、選局ボタンの裏から配線が個別にはんだされています。
ベースの1番端子にEが接続されています
写真右:端子台の裏カバーを開けたところと、蓋の裏面の端子図
描いてある端子図は左上が1ですが、裏カバーを開けた配線がはんだ付けされているのは、右上が1となります

VL-355とVL-655をつないでみる


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VL-355とVL-655をつないでみました
電源を入れると電源ランプ点灯・選局ボタンを押すとランプも点灯しました

VL-355の端子を測定してみる


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電源端子の+と子機を接続するEの間に導通があり子機は+コモンのようです
電源端子を測定するとDC8.7Vでした
回線1とEの間は無負荷でDC6.9Vでした

VL-355にVL-555とVL-555Kをつないでみる

VL-355の回線1にVL-555を、回線2にVL-555Kをつないでみます

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VL-355とVL-555との接続を測定してみる

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L1とE間に直流電圧計で
待機中は6.8Vの電圧がかかっています
子機から親機を呼び出し中は3.4Vの電圧がかかっています
親機から子機の呼び出し中は8.2Vの電圧がかかっています
通話中は5.4Vの電圧がかかっています

VL-355とVL-555Kとの接続を測定してみる

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L2とE間に直流電圧計で
待機中は7.1Vの電圧がかかっています
子機から親機を呼び出し中は3.6Vの電圧がかかっています
親機から子機の呼び出し中は8.3Vの電圧がかかっています
通話中は5.4Vの電圧がかかっています

VL-555と若干の差はありますが誤差の範ちゅうと考えます

【実験】VL-555に外部スピーカを接続してみる

VL-555Kの3・4番端子にスピーカ8Ωとの表記がありましたので、試しにVL-555の3・4番端子のジャンパーをはずしてスピーカを接続してみます
本来は3番と4番端子を結ぶジャンパーを外すと呼び出し音が小さくなるだけの機能の様です


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8Ωのスピーカを接続してみました。呼び出してみると呼び出し音が鳴りました
続いて20Ωのスピーカ(アイホンIERー2)をつないでみました。呼び出し音が鳴りました
写真ではお伝えできないのが残念です

8Ωと20オームのむき出しのスピーカをつないで音の大きさを聴き比べてみましたが、音の大きさの差異は私の耳ではわかりませんでした

注:勝手につないで実験してみましたが、どこかに余分な負荷がかかって不具合が起こる可能性もありますのでご注意ください

【実験】VL-555Kに外部スピーカを接続してみる

3・4番端子にスピーカ8Ωとの表記がありましたので、3・4番端子のジャンパーをはずしてスピーカを接続してみます


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8Ωのスピーカを接続してみました。呼び出してみると呼び出し音が鳴りました
続いて20Ωのスピーカ(アイホンIER-2)をつないでみました。呼び出し音が鳴りました

注:勝手につないで実験してみましたが、どこかに余分な負荷がかかって不具合が起こる可能性もありますのでご注意ください

コミュニケーションシステムのカタログ

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コミュニケーションシステムの概要がわかります
大きさなどの情報も載っています

転送方法

カタログに親機の転送操作で、子機同士の通話ができますとあります

親機にて子機から呼ばれたら受話器を上げて、呼ばれた回線の選局ボタンを押すと通話状態になる
ここから転送するには
親機にて転送したい先の子機を呼び出し通話する(この時最初に通話していた子機は話中音)
「HOLD」を押すー>最初に呼び出してきた子機の選局ボタンを押すー>3者通話状態になる
ー>親機の受話器を置くー>2者通話(子機同士)ー>両者が受話器を置くと終了

最後に

時代の流れなのか、パナソニックはこのシステムの販売をやめてしまいました
携帯電話も無い時代から各部屋との通信手段として活躍してきたこのシステム
まだ多くの場所で使われ続けていると思います
大事に使い続けたいものです

番外編

【実験】松下 VL-355に アイホン TB-SE を接続してみる

メーカーの違う親機と子機はたして動くのか

松下通信工業のVL-355コミュニケーション親機とアイホンのTB-SEカウンターインターホン子機ですが
なんとなく似たような方式となっています
現在のようなデジタル方式だと無理ではないかと思いますが、アナログ方式で端子の接続も似通っています
壊れるの覚悟で接続してみます

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VL-355とTB-SEの呼び出しを測定してみる

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L1とE間に直流電圧計で
待機中は7.0Vの電圧がかかっています
子機から親機を呼び出し中は3.9Vの電圧がかかっています
親機から子機の呼び出し中は8.2Vの電圧がかかっています

呼出のコール音は違和感なく鳴りました
ほっと一安心
果たして通話はできるのでしょうか

VL-355とTB-SEの通話を測定してみる

通話状態にしてみます

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L1とE間に直流電圧計で
通話状態では5.8Vの電圧がかかっています

会話はというと、できました!
メーカーを超えての接続、少し感動ものです

※ご注意
 子機1台だけの接続で呼び出し・会話はできましたが、本来接続するはずでないものを勝手に接続して実験してみています
わずか数分試してみただけですので不具合が起こる可能性があります
接続されませんようにお願いいたします

sasukedog.hatenablog.jp

2022/1/23 VL-655の端子台配線色 追記