さすけ のインターホン ブログ

趣味のインターホンに関することを中心に書き綴って行きます

アイホン VGX シリーズ 取替の際の備忘録 (R1/R2 265.5KΩ)

アイホンの集合住宅用のインターホンシステムで「VGX」というシリーズが以前ありました。
1995年ごろから2005年ごろに販売されていたようです。
シリーズの中でも小規模マンション・アパート向けの一部の機種の現在は「パトモ」や「パトモα」シリーズが後継機となっています。

小規模用の主流は集合玄関に自動ドアもしくは電気錠があり通行が制限されていて、暗証番号設定用の制御盤VGX-PW(暗証番号設定と解錠時間の設定あり)と集合玄関機、そして住戸内の親機VG-2AT-5(通話と解錠釦)とドアホンIF-DAの組み合わせが多かったのではないでしょうか。

制御盤が無く、自動ドアや電気錠も無く通話のみで集合玄関機と集合玄関機の電源(PS-12Aなど)とVG-2AT-6(通話機能のみ)という組み合わせもあったようです。

機器構成は変わりカメラ付き集合玄関機と通話制御盤と映像制御盤が必要ですが、カメラ付きのシステムであれば映像アダプター付きのドアホンVGX-DVを使用していれば、必ずドアホンの所を制御盤からの幹線が通過することとなり、現在のパトモの映像付きに交換することも容易です。

ところが、通話のみであれば2芯の配線がつながれば動作するのでドアホンを経由せず各階の端子盤から、各住戸にそれぞれわたっていることもあります。
共用部のどこかで各住戸にそれぞれわたっていれば良いですが、直接住戸のインターホン親機同士で接続していたり、お風呂の天井裏で分岐しているなど、各親機との分岐部分が住戸内などの専用部にあると、映像分岐用のアダプタの取付が困難となりますし、端子盤も無いとなるとどこの住戸でどのように配線が集まっているのかわからないと2分配器もどのように配置するのかの設計が困難となります。
住人の人がおらず自由にどこでも入っていけるのなら良いのですが、おおよその場合管理会社の協力も得らえず何も見させてもらえない状況となりがちです。

配線が共用部を経由していない場合は、カメラ付き集合玄関機をご希望でも、やむを得ず通話のみのシステムしか提案できないこととなります。

〇〇ハウスのアパートなども現在はカメラ付きなのに、映像アダプタを住戸内に取り付けていたり、天井裏にかくしてあり触れない状態の物件は頭が痛いです。

VG-2AT-5の抵抗値は 265.5KΩ

R1/R2 抵抗 265.5Ω

幹線が住戸内の同じ階の隣同士の渡りで、各階の端子盤にその階の幹線が1本だけ来ている場合に何台VG-2AT-5が接続されているかの目安がわかる方法があります。
またドアホンに何本も配線が来ているけど、どれが住戸内へ繋がっているのかの判断の目安にもなります。
VG-2AT-5の幹線接続端子R1/R2の抵抗をHIOKIのカードテスター3244-60で測定すると、その個体は極性問わず265.5KΩとなりました。
その配線に2台接続されているとなると半分の132.75Ωになる計算となります。
ですので
計算上の目安は
1台 265.5KΩ
2台 132.8KΩ
3台  88.5KΩ
4台  66.4KΩ
5台  53.1KΩ
6台  44.3KΩ
7台  37.9KΩ
8台  33.2KΩ
9台  29.5KΩ
10台 26.6KΩ
となります

実際の現場で住戸内横渡りで、各階4台のVG-2AT-5が接続されている幹線を端子盤で測定すると
1階. 65.7KΩ
2階. 68.0KΩ
3階. 66.4KΩ
4階. 67.0KΩ
となり計算上の66.4Kと似たような値となります。
よって予想通り4台接続されていて接続不良が無さそうと言う目安となります。

VG-2AT-5 4台接続

このまま幹線をGBX-4XAに接続してみましたところ、接続前は回路電圧が-24.07Vだったのが-24.04Vとなりました。

通話のみの住戸内親機GBM-2Aと交換していきましたが、VG-2AT-5と混在状態でも特に通話にノイズが乗ることも無く、交換すれば集合玄関との通話ができました。
GBX-4XAにVG-2AT-5を接続した状態で、集合玄関からVG-2AT-5の住戸を呼び出ししてもE2とでて接続は出来ません。

注意:VG-2AT-5の混在を推奨するものでもありませんし、正常動作をお約束するものでもありませんのでご注意ください。

呼出音を出しているのは?

VGXで集合玄関機からお部屋を呼び出したときにピンポーンとか鳴りますよね、これは応答しているVG-2AT-5から出力されている呼出音が集合玄関機から流れているようです。なので電源が入っていない時には呼出音が流れなかったり、調子が悪いときには途中で音が鳴らなくなったりするようです。
 パトモの場合は住戸親機ではなく集合玄関機が流しているのでは?と思っています。

パトモで部屋番号が重複してしまったら

 パトモで部屋番号が重複してしまったら両方の部屋の親機が鳴動して、通話操作した住戸と話ができます。
部屋番号設定が間違っていても動いてしまいますので、試験時に住戸番号の確認が重要です。
間違って設定してしまい後でクレームになってしまったこともあります。
3台同じ番号にしてみましたが、同時に呼び出しがかかりました。
これは誤動作と言う扱いですので、あくまでアドレスは重複しないようにしましょう。同じ家族が複数の住戸に住んでいて1つの番号で複数の親機を呼びたい場合や、大きな住戸などで同じ住戸に親機を2台付けたらなんて考える人もいるかもしれませんが、突然呼び出しができなくなった事例もあるそうなのでやめてください。
子機接続の問題もありますので、増設親機を活用しましょう。

おわりに

幾多のパターンの現場があります。
その中の現場を施工するにあたってのわずかな事ですが書いてみました。
この記事が何かのヒントになれば幸いです。

さいごまでご覧いただきありがとうございます

2023/10/29/221737