さすけ のインターホン ブログ

趣味のインターホンに関することを中心に書き綴って行きます

【備忘録】アイホン VM(住戸用)とVMK(共同住宅用)の火報警報動作のおぼえ書きと修理。時々パナソニック。ニッタンCRE中見

2024年11月3日 ニッタンCRE 加筆
2024年10月6日 終端抵抗器 加筆
2023年8月12日 VMKトラブル対応 加筆
        ニッタンCREとは ほか 加筆
2023年7月2日 加筆修正

はじめに

 集合インターホンの火災報知時の動作について簡単に書き記します。
集合インターホンの工事にはつきものの火災報知器です。
住戸用と共同住宅用でも動きが違います。
特に共同住宅用の動きが良くわからない部分があるので、動作を確認しながらおぼえ書しておきます

おねがい

 ブログのこの記事は私が疑問に思ったことを自身の備忘録として書いているものです。正確な情報を書くことを心がけていますが、経験が浅いこともあり勘違いして間違った事を書いている場合がありますのであらかじめご注意願います。
 このブログを参考にしたら機器が壊れたや、動かないけどどうしたらよいなどの苦情や質問などをいただきましても対応できませんのでご了承ください

注意

 火災警報の試験を行うと、連動した機器が警報を発したり起動したりする事がありますので、現地の状況を十分理解し対応を講じた上で試験を行う必要があります。
 実際の作業には各種資格が必要なものがあります。

アイホン VM(住戸用受信機)

接続

 インターホン親機のSL・SC端子に感知器を直接、もしくは遠隔試験付きの中継器(SL・SC・ST・STCを接続)を経由して感知器を接続します。
感知器の終端には4.7KΩ(ニッタンの場合にはCRE1-A 青色)の終端抵抗を接続します。

 持論ですがSは集合住宅(Syugou jyutaku)の頭のS、なのでSLは集合住宅のライン(Line)、SCは集合住宅のコモン(Common)、STのTは発信機電話のTelではなくTestのTで集合住宅のテスト、STCは集合住宅のテストのコモンじゃないのかと考えています。正解は調べてもたどり着きませんでした。そういえばPとかUって何の頭文字なんでしょうね?

動作

 インターホン親機が感知器からの火災信号をを受信すると、画面に赤い背景に家が燃えているピクトグラムが表示され、即火災警報が鳴ります
男性の声で「ピンーポー ピンーポー ピンーポー 火事です火事です。火災が発生しました。 安全を確認して避難してください」を2回繰り返し「ピューイ ピューイ ピューイ」と言うスイープ音が流れます。
この動作を繰り返します。

 インターホン親機のの警報音は[警報音停止]ボタンを押すと停止します。

 管理人室親機に部屋番号と火災警報が通報されます。

 感知器が復旧すると、自然にインターホン親機も復旧(音声・画面)します。
警報音を停止していない場合でも復旧します。

 停電時は、内蔵バッテリーや外部電源端子を持たないので動作しません。

アイホン VMK(共同住宅用受信機)(-Hを除く)

接続

  インターホン親機のSL・SC端子に感知器を直接、もしくは遠隔試験付きの中継器(SL・SC・ST・STCを接続)を経由して感知器を接続します。
感知器の終端には4.7KΩ(ニッタンの場合にはCRE1-A 青色)の終端抵抗を接続します。
 インターホン親機のJL・JCに住棟受信機の該当する感知器回路L・Cからの配線を接続します。該当回路の終端には住棟受信機の指示された終端抵抗(10KΩやほかの抵抗値、ニッタンの場合には黒頭に緑のリード線のCREなど)を接続します。
 インターホン親機のB・BC(入力極性あり Bに+、BCにーを接続)には住棟受信機のベル線を接続します。
ダイオード付きのベルを接続するイメージで、極性があります。

火災感知器作動状態

VMKの画面 左:感知時の画面 右:ドアホン

 インターホン親機が感知器からの火災信号をを受信すると、画面に「火災感知器作動」の画面が出ます。
ドアホンの警報表示灯が点滅します。
女性の声で「火災感知器が作動しました。確認してください。」の音声が繰り返されます。(ドアホンからは流れません)
感知器からの火災信号が約10秒以内に復旧すると、「火災感知器作動」画面は消えて自然復旧します。

[警報音停止/復旧]ボタンを押すと音声が止まりますが画面は出たままとなります。
感知器からの火災信号が復旧していると確定釦が押せるように約2分間状態を保持した後自然復旧します。
画面が出ている間に[火災確定]釦を押すと(出て10秒以内でも)、火災警報動作に移ります。

火災感知器作動状態から、[警報音停止/復旧]ボタンを操作せず2分間(初期設定値)感知器からの火災信号が停止していても、継続した場合でも火災警報動作に移ります。
[警報音停止/復旧]ボタンを操作して音声が止まった状態でも感知器からの火災信号が継続していると火災警報動作に移ります。

火災警報動作

火災警報画面 左:インターホン親機 右:管理人室親機

 インターホン親機が火災警報動作に移行すると、画面に赤い背景に家が燃えているピクトグラムが表示され、火災警報が鳴ります
男性の声で「ピンーポー ピンーポー ピンーポー 火事です火事です。火災が発生しました 。安全を確認して避難してください。」を2回繰り返し「ピューイ ピューイ ピューイ」と言うスイープ音が流れます。
この動作を繰り返します。

 管理人室親機に部屋番号と火災警報が通報されます。

 火災信号が継続していると、[警報音停止/復旧]ボタンの操作で音停止は出来ますが復旧はしません。
住棟受信機を復旧しても、復旧しません。

 火災信号が復旧していると、[警報音停止/復旧]ボタンの操作で復旧します。
(火災警報動作時にすでに[警報音停止/復旧]ボタンを押して警報音を停止していると自然復旧します)
[警報音停止/復旧]ボタンを操作しなくても、火災信号が復旧していれば住棟受信機の復旧操作でもインターホン親機が復旧します。
動きのイメージとしては、インターホン親機が自己保持型の感知器のような振る舞いで、火災感知状態から復旧していても火災信号を保持し、インターホン親機・住棟受信機どちらが復旧操作をしても復旧するイメージかと思います。
(住棟受信機が接続されていなくてもインターホン親機は火災動作します。)

VMKのJL・JCを住棟受信機接続時のイメージ。左:復旧中 右:警報中

JL・JCに住棟受信機を接続したイメージ写真です。
インターホン親機の火災警報で火災受信機の警報動作します。
感知器回路は復旧中28.6Vですが、警報動作中は6.5Vとなりまして、警報時完全にショートしているわけでは無いようです。

近隣火災警報動作

 インターホン親機が平常時に住棟受信機からの地区音響ベル鳴動電圧をインターホン親機のB・BCに印加すると、近隣火災警報動作に移ります。
B・BCには極性があり、Bに+、BCにーを接続しないと動作しません。(逆に接続しても壊れたことは今のところないです。)

 
男性の声で「ピンーポー ピンーポー ピンーポー 火事です火事です。この近所で火災が発生しました。 安全を確認して避難してください」を2回繰り返し「ピューイ ピューイ ピューイ」と言うスイープ音が流れます。
この動作を繰り返します。
[警報音停止/復旧]ボタンを押すと報知音は停止します。
住棟受信機からの信号が停止すると、火災表示が復旧します。

受信機の地区音響装置の電圧

出火階・直上階警報?

近隣火災警報施工時のワンポイント動作確認
通信先が警報発報したため強制終了しました。

 インターホンの火災動作試験時にJL,JCの試験は、実際に感知器を加熱して火災確定釦を押し住棟受信機が正しく作動するのか試験できます。住棟受信機にて該当回路の断線警報が出ていないのかも確認します。
 近隣火災警報を動作させるB,BC入力の接続や極性が正しいのか試験する場合、全戸終わってから試験をするのも必要ですが、特に更新工事の場合は各戸で工事をした場合にも確認をした方が間違いを気づきやすいです。
少なくとも同一フロアでほかの住戸が更新工事をしていない状態で、管理人室と試験する住戸を通話状態にし、試験住戸の該当する地区音響を鳴動させた場合、通話より近隣火災警報が優先されるため管理人室親機の画面に強制終了のメッセージが表示されて(写真参照)強制的に切断されて、インターホン親機側は警報動作に移ります。
試験する住戸の火災警報の後の流れで試験する場合、インターホン親機の火災が復旧している必要があります(加熱した感知器が復旧するのを待つ)。住棟受信機の地区音響は停止しておき火災警報状態のまま復旧させずにおいておきます。
各戸で試験する場合住人の方の迷惑に極力ならないように1~2秒ほど住棟受信機の地区音響を鳴らして管理人室との通話の切断と火災表示の確認をします。
試験をしたら、管理人室親機と再度通話状態にし動作が正常だったのかの確認を行います。作動しなかった場合、地区音響を鳴らしてもらいテスターでの確認が必要です。
(施工時の動作確認時に正しく作動するのか・極性が合っているかの確認の目安になりそうです。)

 接続を間違うと次の部屋以降で近隣火災警報が鳴りっぱなしになる場合があります。
次の部屋に送るB端子の配線のところにJL(火災を検知するためのDC24Vが出ている)を接続するなどの誤結線の場合などです。
警報が鳴っている部屋をいくら調べてもおかしく無く、その手前で施行した部屋の誤結線となかなか気付かないこともあるようです。

非常電源での動作時

非常電源での動作時、電源灯が消えています

 AC100V電源が切れた時の動作は、インターホン本体にバッテリーは内蔵されていませんが、インターホン親機のDC+/DC-の端子に接続された非常電源(管理人室や共用部に設置されていてバッテリーが内蔵されています)のDC24Vで動作している場合、動作の制約はありますが火災を監視しています。
火災を受信しても画面は作動しませんので真っ暗なままですが、インターホン親機の音声報知はAC通電時と同じです。
住棟受信機への火災報知は行われます。
ただし、インターホンの管理人室親機への火災警報の通知は行われませんし、管理人室親機などとの通話もできません。
遠隔試験も同じく住棟受信機への報知のみです。
近隣火災警報は作動しません。

インターホン機能は動作しませんので、ドアホンのボタンを押しても呼び出し通話できません。

管理人室親機の警報音の消音機能

 設置状況によっては設定できない場合もありますが、消音機能を使うと警報音が鳴らなくなります。
火災報知器の点検中の場合や、管理人さん離席時などに警備会社などに信号をオンラインしていて警報音を鳴らしたくないなどが想定されます。

「警報音切」の場合は管理人室親機から警報音が鳴動します。
移報接点出力が設定されていれば警報内容に該当する出力がされます。

警報音を消音設定すると「警報音消音中」の表示となります。
警報を出すと「!警報音が鳴らない設定です。」と表示がでて警報画面となりますが、警報音は鳴りません。(写真には部屋番号がありませんが実際には部屋番号はでます)
移報接点出力が設定されていれば警報内容に該当する出力がされます。

 アイホンVM・VMK施工時のトラブル対応事例 

施工時に部屋番号設定を間違えていたら ~システムリセット~

施工時に部屋番号を間違えていたなんて言うことが起こることがあります。
住戸用ならAC100V電源を切って、部屋番号を修正している人もいるでしょう。
共同住宅用はAC100Vの電源スイッチを切ってもDC24V電源でも動作しているようで、AC100Vに加えて、DC24Vも落とさないと部屋番号の修正が反映されません。
それよりは単純にリセットボタンを押すだけで行けるようです。再起動に35秒ほどかかります

リセットボタン 中央右寄り

以前の機種で部屋番号を間違えて設定したために特定の部屋の呼び出しができたりできなかったりしたことがありました。
例えば102号室(幹線系統2)なのに101号室と設定してしまい、101号室が幹線系統2に記憶されます。間違いに気づいて102号室に変更します。102号室の呼び出しは問題ありません。本当の101号室は幹線系統1に接続されています。
この時集合玄関機から101号室を呼び出したときに、制御装置の系統1と系統2両方に101号室が記憶されているために、系統1の101を呼び出すこともあれば、系統2の101を呼び出すこともあり、呼び出せたり呼び出せなかったりと言う症状となると聞いたことがあります。

部屋番号が間違っていたら部屋番号修正後、制御装置のシステムリセットをするとこの状況の場合治るようです。

「部屋番号の設定が異常です。設定を確認してください。」 と出たら
部屋番号の設定が異常です。設定を確認してください。


 よくあるのが、部屋番号を設定せずに電源を入れた場合です。
部屋番号は設定してるよ!と言う場合でも、DC電源などを接続してから後で設定した場合も考えられます。どちらも部屋番号未設定の状態となっています。
落ち着いて部屋番号設定を確認した上で、通話釦をめくったところにあるリセットボタンを押してみましょう。

 住宅情報盤のリセットしてもダメなら、制御盤のシステムリセットが必要となります。
すでに他の系統に設定したい部屋番号が登録されてしまっていると考えられます。

 同一系統で部屋番号が重複している場合は異常表示が出ず、管理人室を呼び出しても話し中になる(管理人室は待機状態)など動作がおかしくなるようです。

施工時に「呼び出しできませんでした。・・・再度操作してください(11)」と出たら
管理人室親機(左の写真)、集合玄関機(右の写真)

 本来、「呼び出しできませんでした。・・・・再度操作してください。(11)」
と出ましたら、住戸番号の設定が間違っている可能性・住宅情報盤の電源が入っていない可能性・住宅情報盤の配線に異常がある可能性、などがあるようですが、これらを確認しても異常がない場合も設定間違いなどで部屋番号が誤登録されている可能性があるので、システムリセットを試してみます。

施工が終わったらシステムリセット。

 大事な事なので、何度も書きますが。すべての施工が終わったらシステムリセットが必要です。
説明書にシステムリセットの注意事項が書いてありますのであらかじめ確認しておきます。

施工が終わったら接続後の配線確認。

 接続の確認も必要です。説明書通りにアナログテスターを使用して確認します。

 幹線で系統の再遠端の住戸アダプタとの配線の導通が取れるて、住戸アダプタと住宅情報盤との導通も出ると最低限動作はすると思います。
幹線で2芯中1芯外れていても不思議なことに中途半端に動作することがあるので必ず導通の確認を行います。

 複数住戸での映像系のトラブルの場合、きちんと住戸アダプターが整備されている場合は、幹線の地絡のことがありました。
アースと幹線の片線ずつ地絡確認が必要です。金属スイッチボックス嫌いです。
 特定の住戸での映像系のトラブルの場合(まれに画面が真っ暗になることがあるなど)その住戸の幹線の地絡の可能性がありますので確認が必要です。昔の住宅情報盤用の金属埋め込みボックスに線が嚙んでました。

施工時に基盤の非常電源端子台が外れたら

非常電源端子台が外れたら

 非常電源端子の推奨線径は1.6mmとなっています。
電線を差し込むときにはボタンを押しながら差し込む方が入りやすそうです。色分けのために1ブロックずつ端子を組み合わせているのですが一番端は取れやすくなっているようです。
これを無理に戻そうとすると壊れると思います。
 カバーを外して基盤を取り出し、赤い樹脂の小さな白い押釦を浮かせてヘアピン型の金具を奥まで押し込み、基盤にはんだされている金具の板を赤色側のヘアピンの金具と樹脂の間にひねりながら差込みバネの力を発生させるようにしてDC-の白色の端子台にはめ込みます。
という事をすれば元に戻りそうですが、メーカーに任せましょう。

 端子台やディップスイッチなどでおなじみのメーカーECEのETBM50の仕様書を見てみますと、WireRageは26~14AWGとなっていますので、mm換算すると0.4mm~1.6mmですので1.2mmや最大1.6mmは使用できますが、2.0mmのような太い線は使用できません。
2.0mmなど太い線の場合は1.2mmなどの細いFP線(耐火線)で配線を延長して接続します。

感知器断線警報

 感知器とインターホン親機との間の配線の断線が起こると、インターホン親機から「ピーー ピーー」音が繰り返されて画面に感知器 配線異常と表示されます。(写真左)またドアホンの表示灯が点滅します。VMの場合ドアホンが30秒後に鳴動を始めます。VMKの場合ドアホンは鳴動しません。
また、管理人室でも「〇〇〇号室配線を確認してください」のメッセージが繰り返され「感知器配線異常」の表示が出ます。(写真中央・右)

火災感知器 配線異常報知

 古い機種でドアホンから「ピー 配線を確認してください」のメッセージが流れ続ける機種もあります。
この内容だけだと火災感知器の配線異常なのか、ガス警報器の配線異常なのかは判断つかないと思われます。管理人室でも区別がつかないです。

終端抵抗器

配線異常の検知には終端抵抗器が使われています。受信機から出た感知器回路の最遠端に設置します。
一般的な火災受信機の場合(回路電圧24V)、4.3KΩ・5.1KΩ・10KΩ・20KΩ・定電圧ダイオード(無極性・BV98717)・コンデンサ(無極性・CRE)などがあり抵抗式の場合は10KΩがよく使われていますが、インターホン用は回路電圧の違いからか(回路電圧12V)値は違います。

終端抵抗式の断線検出の方法はおそらく抵抗値を測定しているのではなく、終端抵抗を通過して受信機に帰ってくる電流値を見て正常か断線か火災かを判断していると思います。
インターホンの場合回路電圧が12Vと低いので、抵抗値を低くして電流を多く流して電流値の状態判断をしやすくしているのかな?と思います。


パナソニックのインターホンの終端抵抗器

写真右の上は、パナソニックのマンションインターホン用の終端抵抗です。
ロゴマークからして帝国通信工業の酸化金属皮膜固定抵抗器 RSM1FB と思われます。
抵抗値は3KΩで定格電力は1Wです。

パナソニックの集合住宅用終端抵抗

 パナソニックでは集合住宅用の終端抵抗を部品販売しています。
SHNK1140W7300で終端抵抗が10個入っています
抵抗値は3KΩで1Wです。
保守をされる方は必要かと思います

アイホンのインターホンの終端抵抗器

右の下はアイホンのインターホン用終端抵抗器で4.7KΩです
KOA(興亜電工)の特殊電力型被膜固定抵抗器 SPR1 と思われます。
抵抗値は4.7KΩで定格電力は1Wです。

アイホンインターホンのニッタン感知器用終端器

左はアイホンのインターホン用ですがニッタンの感知器を使用する場合に使われるCRE1-Aです。

CRE-1Aを開けてみた

3.6KΩ1/4W抵抗器(CFS1/4?)と0.33μFの積層セラミックコンデンサが並列に接続されています。

終端抵抗器は感知器の最後に

 一般的に遠隔試験機能付き感知器の配線は遠隔試験機能付きの中継器(ドアホンに内蔵されている場合もある)よりAC0.9-2Cで一筆書きで行い、終端抵抗は最後の感知器に取り付けるようになります。遠隔試験機能付き中継器からインターホン親機まではAE0.9-4Cが必要です。中継器が誤動作しても火災警報(非火災報)となります。原因がわからない誤報の場合中継器を疑うこともあります。
 遠隔試験機能が無い昔の仕組みの場合は、インターホン親機から直接感知器に接続し、最後の感知器からドアホンまでさらに配線して、ドアホンのF・F端子(リード線)に終端抵抗とともに接続します。導通試験ができるようになります。試験用のスイッチやリードスイッチを操作すると火災警報の試験できます。スイッチが誤動作しても火災警報(非火災報)となります。原因がわからない誤報の場合、本来導通試験用であるはずのリードスイッチの誤作動を疑うこともあります。
終端抵抗が屋外に面したドアホンに取り付けるため環境が悪いと、抵抗器の腐食により抵抗値が変化して断線警報が起こることもあります。


一般的な火災報知設備だと発信機・表示灯・ベルが収納された総合盤もしくは受信機から感知器へAE4芯の配線がスタートして、各感知器を渡ってまた総合盤へ帰ってきて終端抵抗を取り付ける事が一般的かと思います。インターホンは少し工法が違うようです。
 詳しくは使用する機器の施工説明書を確認ください。

古い機種のインターホンの場合の配線障害(VH・VG)

 比較的新しいものだと、ガスまたは火災の表示灯が点灯して「ピー 配線を確認してください」のメッセージが流れるものがあります。(VH-3KVTなど)
 古い機種のインターホンの場合、配線の障害として「障害」ランプが点灯表示されますが、火災報知器の配線異常なのかガス警報器の配線異常なのかどちらか判断がつかないものもあります。(VG-4KTなど)
アナログテスターで火災報知器の感知器回路の抵抗を測ったり、インターホン内部のガス接続端子でガス警報器からの電圧が来ているかを測定したり、現在復旧中であればガス警報器を少し揺すったり僅かに回転させてみてどちらの異常か切り分ける必要があります。


感知器断線警報や誤発報の修理

 断線警報や誤報の修理に伺うこともあります。
2人以上で伺います。
基本的にアナログテスターの抵抗レンジを用いて行います。一般的なデジタルテスターでは細かい変化がわかりにくいです。
 アナログテスターにワニ口クリップを取り付けて、受信機から取り外した配線を接続します。
手で押さえていると針の変化があった場合に手の押さえが悪かったのか、実際に現地で何かが起きたのか判断がつかなくなります。

火災報知器 誤動作調査時のテスター例
火災報知器 誤動作調査時のテスター例 その2

正常な状態であれば4.7KΩを指します。

私の場合インターホン以外でもこの方法で行います。終端抵抗が10KΩであれば正常な場合10KΩを指します。
ニッタンの場合、アナログテスターを使っての誤動作調査中のみ、CREを一時的に取り外して10KΩの抵抗に取り換えるなどの工夫をするのも良いかもしれません。

 インターホン親機のSL・SCから配線を抜きアナログテスターと繋ぎます。この時インターホン親機からは断線警報が発されますので、別に用意した終端抵抗を接続するか電源を落とします。
 アナログテスターで抵抗値を測定します。アイホンのインターホンでニッタン以外は4.7KΩの抵抗値なら今は正常です。それ以外の抵抗値の場合、終端抵抗自体が湿気などで腐食していて抵抗値が高くなっていた事がありました。
 現在は正常や原因がよくわからない場合は、2人必要ですが、アナログテスターを見る人と感知器ベースの配線の接触不良がないか、接続部分の配線を確認する人とでテスターの針の変化がないか確認しながら調査します。
施工時は正常でも配線がしっかりと感知器ベースに接続されていないと数年後に異常が出ることもあります。引っ張ると簡単に抜けることもあります。
リード線を圧着する場合で、細いヨリ線とAE線をCEで圧着しており一見大丈夫そうに見えていた場合で、ヨリ線を引っ張ると抜ける場合もありました。CEを差し込むときにヨリ線が穴に入らず取り残されたままAE線が1本のみ圧着されていたようです。

これでもわからなければ、配線自体に不良がないか感知器間の配線を調べていきます。

 感知器ベース自体の腐食で異常が出たケースもありました。

 誤報の場合で、両端の感知器を外して配線だけにしたにもかかわらず、誘導電圧が測定されたレアなケースもありました。この時は苦労して配線を引き換えました。
 誤報の場合で配線をボードを止めるネジで地絡している場合もありました。
 誤報の場合で感知器自体が俊敏に反応する場合もありました。
 誤報の場合で遠隔試験機を接続する中継機が結果悪かった事があります。中継機を交換したら誤報が無くなったパターンです。
遠隔試験機能が3線式の場合はとりあえず中継機の配線をスルーで様子見して、2線式の中継機へ交換とその住戸の全ての感知器を2線式へ交換する必要があります

 インターホン親機自身の不良は直接終端抵抗を接続して単独で確認するくらいかなと思います。
 インターホン親機の基盤のハンダ部分にG様が蠢いていたこともありました。😰

 ドアホン内での断線

 屋外に面しているドアホン内は湿気や幹線道路沿いだと車の排気ガスなどで腐食が起きやすくなる傾向があります。
ドアホン自体の基盤が腐食する場合もあるようですし、配線が断線したりショートすることもあります。

 配線の緑青(ろくしょう)

感知器線の緑青

 まれに感知器の断線警報が出るという事で伺いました。伺ったときは正常状態です。
ドアホンを開けると案の定、感知器の配線に緑青が吹いています。緑青は銅のさびです。
配線を剥(む)くときにカッターナイフを使用してボックス内ギリギリの所で電線の外皮の外周にくるりと回して剥くと手早く作業できて綺麗に見え収まりが良いのですが、中の単線の赤や白などの被覆に切れ込みが入る事があります。このわずかな切れ込みから長年にかけて結露や湿気の水分や酸素などにより酸化が進み緑青が発生し銅線を蝕み断線となるようです。
 写真の配線は赤色の線を引っ張ると何の抵抗も無く根元でぽろっと取れました。この状態で良く動いていたものです。
 感知器回路には直流の電圧を印加して火災や断線を検知していますが、プラス側の方が断線が早い様な気がしています。調べてみるとプラス側の銅線が陽極酸化されることによりマイナス側より早く腐食するという事が書いてある記事がありましたので、今後この様な事象に遭遇したら断線した配線の極性も確認してみたいものです。


感知器線の断線2

違う物件ですがこちらは感知器線とSL SC ST STCの配線も腐食しています。引っ張ると青と茶色の線はぽろっと取れました。
配線の中まで黒く酸化して黒色皮膜ができていますのでカッターナイフなどでエナメル線の表皮を削るように黒ずんだ部分をはがしていき銅のキラキラした部分を出します。
新しい配線とはんだ付けで確実に接続し、自己融着テープで防水処置しビニールテープで保護します。
配線を修復すると動作は正常に戻りました。

今回は断線警報だけでしたが他の物件で、この状態で雨水が入り込み火災警報が出た事例もあります。
また外壁の高圧洗浄で水がドアホンボックスに入り込み、同様に配線にあるカッターの切れ目に水が入り込み火災が作動し呼ばれた事例もあります。


 終端抵抗の腐食(パナソニック)

パナソニック用 終端抵抗 3KΩ 1W

先ほども紹介しましたが、パナソニックのマンションインターホン用の終端抵抗で、写真の物はロゴマークからして帝国通信工業の酸化金属皮膜固定抵抗器 RSM1FB と思われます。
抵抗値を測定すると3KΩで定格電力は1Wです。

終端抵抗の腐食

こちらの写真の抵抗器が使用されていた設置環境は、感知器への配線が4芯でされており、感知器を渡り終わった配線がドアホンへ戻されて終端抵抗はドアホン内に設置されていました。
断線警報が出ているとのことでして調べますと、ドアホン内の配線の腐食はありませんでしたが、抵抗器が腐食していました。
本来3KΩのはずが、測定すると4.2kΩを指しています。(抵抗器のリード線部分で測定しても同じ値でした)

3KΩの新品の抵抗器を配線にはんだ付けして交換しました。
交換すると断線警報は復旧しました。

 終端抵抗の腐食(アイホン)

 ドアホンではなく住戸内の天井に取り付けてある感知器内に終端抵抗が取り付けてある場合でも、結露などで終端抵抗が腐食したのだろうと思われますが、高い抵抗値を示し断線警報が発生したこともありました。

終端抵抗の腐食 本来は4.7KΩ

 先ほども紹介しましたが、アイホンのマンションインターホン用の終端抵抗で、写真の物は雰囲気からして探してみるとKOA(興亜電工)の特殊電力型被膜固定抵抗器 SPR1 ではないでしょうか。
写真左は正常な終端抵抗の測定値で約4.7KΩです
写真中央は腐食した抵抗器で、8.9KΩと高い抵抗値を示しています。取り外した時にリード線に負荷がかかりより高い数値に変化した可能性もありますが、劣化によりこのような値になることがあるようです。
写真右は腐食した抵抗器です

【おまけ】 自動火災報知機用の終端器 ニッタンのCREの中見と測定をしてみる

ニッタンのCREとは

 ちょっと話を変えてみまして、マンション用ではなくニッタンの一般的な自動火災報知機に採用されています黒色の終端器であるCERにスポットを当ててみます。
CREはニッタンの製品ですが、能美防災コンデンサ式終端器、ホーチキではコンデンサ終端器と呼んでおり、CREに対応する機器も発売されています。
 中見は突入電流対策用の20Ωの抵抗と4.7μFの電解コンデンサーが直列に接続したものが入っており、コンデンサーが主役の終端器です。(マンションインターホンの終端用は、値や特性の違うものが並列に接続されている)

 終端器CREを用いた断線検出の仕組みですが、コンデンサの放電現象を利用し設定時間ごとに感知器回線に印加しているDC24Vを一瞬遮断(断線検出パルスを送信)することで、感知器回線の電圧の変化で終端にあるコンデンサの有無を検出することにより断線を判断しているようです。

ニッタンのCREを開けてみる

ニッタン CRE

 ニッタンのCREを開けてみました。
黒の頭に緑色のリード線が出ているおなじみのフォルムです。
頭の先にはCREの文字とNKのロゴマークがあります。
切開してみますと、ゼリー状の絶縁物の中にコンデンサーと抵抗が沈められています。

ニッタン CREの中見

 ケースから抜き出してみると綺麗なオブジェのようなものが出てきました。
 回路図通り、4.7μF(耐圧50V)(B・P両極性)の電解コンデンサと20Ω(1/4W)の抵抗が直列に接続されています。コンデンサロゴマークからすると、この時は松下電子部品製のものと思われます。

ニッタンのCREを測定する

 ニッタンの火災報知器用の黒いCREをLCRテスターで測定してみます。(マンションインターホンの終端用ではありません)

ニッタン CREを測定してみる

測定値はLCR計を100Khzモードにすると
抵抗値は20.94Ω
静電容量は5.61μFを指しました。

何らかの目安になればな思います
CREの良否や現場でのCRE探しにLCR計の活用できないものでしょうか?

ニッタンのCREを探す

単純に正常なCREを探すときには、アナログテスターの抵抗レンジ(KΩなど高抵抗測定レンジ)に合わせて配線に当てます。CREが接続されていると、コンデンサーに充電されるまでの一瞬針が振れて戻ります。続けるには、テスターの赤黒のテスト棒を配線に当てるのを入れ替えて当てると、また針が振れます。

CREの内蔵コンデンサが壊れていると測定できない(探せれない)かもしれません。

CREを複数取り付ける?

 同一回線にCREを2個付けても動作すると聞いたことがあります。感知器回線工事の際に一時的に受信機に入れておけば断線を出さないように工事できそうです。
注意!外し忘れないように注意が必要です!

ニッタン終端器 CRE仕様書・回路図リンク

さいごに 

インターホン親機の火災警報時の動作が、どのようになるのかまとめてみました。
いざというときに正しく作動するように整備したいものです。
ご覧いただきありがとうございます。

2023/01/29/170000

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