さすけ のインターホン ブログ

趣味のインターホンに関することを中心に書き綴って行きます

オムロンの特殊な動作のラッチングリレー(キープリレー) MY2K を見てみよう

はじめに

 以前、松下電工のステッピングリレー(ラチェットリレー)を紹介した時に少し触れましたが、ステッピングリレーは1つの入力に同じ極性のパルス電圧を入力するたびに接点が切り替わるものでした。
ラッチングリレーはそれに似たような動きではありますが、2つの独立した入力を持ち1つは接点を切り替える(セット・ON)入力で、もう1つは切り替えた接点を元に戻す(リセット・OFF)入力です。同じ入力にパルス電圧を再び加えても状態は変化しません。
一般的に基板用のリレーで言われている2線巻ラッチングリレーと同じ動きとなります。
 1線巻ラッチングリレーと言う、1つの入力でありながら入力する電圧の極性を入れ替えることによって保持・解除することができるリレーもあります。パルス電圧入力でON状態を保持、逆の極性のパルス電圧を入力することでOFF解除することができます。1線巻ラッチングリレーで基板用の物は各種あるのですが、MY型のものを探したのですが私には見つけることができませんでした。

注意

 正確な情報を書くことを心がけていますが、間違っている事を書いている場合がありますのであらかじめご了承ください。

ラッチングリレーを見てみる

MY2K 外観1

 上には回路図が書いてあります。OMRONのロゴの横にはインジケーター(動作表示)の小さな窓が開いています。一番右の写真はSETコイルに電圧をかけて、キープ状態にしたものを端子台から外したものです。キープ状態になれば電源が不要です。窓からオレンジ色の表示が見えていて、保持中(キープ状態)であることを示しています。

MYKは磁気ロック式と言うもののようです。これに対してメカロック式と言うものもあります
詳しくはオムロンのFAQをご確認ください

製品に関するFAQ | オムロン制御機器

MY2K 外観2

左2枚は解除状態、右は保持状態でカバーを外したものです。
磁気ロック式と言う事ではありますが、通電を切っているのにどうやって保持しているのかよくわかりません。解除状態の物の可動鉄片をコイルに押し当ててみましたがくっつくことはありませんでした。逆に保持状態の可動鉄片をこじってみると外す事ができました。なんとも不思議な仕組みです。

 オムロンのホームページの説明を読むとSETコイルに電気を流すことにより半硬質磁性材料が磁化され、電気を切っても残留磁束によって可動鉄片を吸着し続けるようです。
SETコイルと逆向きにコイルを巻かれたRESETコイルに電気を流すと残留磁束の力を弱めて鉄片が離れる仕組みのようです。
離れてしまうと半硬質磁性材料の残留磁束はほぼゼロになるようです。
半硬質磁性材料は何ともこのリレーにぴったりな特性を持っていますね。
詳しくはオムロンのホームページに解説があります。

www.fa.omron.co.jp

PDFの6ページ
https://www.fa.omron.co.jp/data_pdf/commentary/generalrelay_tg_j_10_6.pdf


ソケットに差し込んでみる

MY2K ソケットに差し込む

 裏面を見ると端子が並んでいます。接点数でいえば2極ではありますが、コイルが2個ある関係で通常の2極リレーより端子が2つ多いです。ですので、使用するソケットも2極用ではなくOMRON PYFZ-14などの4局用ソケットを使用する必要があります。

通電してみる

MY2K 通電

 setの入力端子に14.赤「+」、13.白「-」の配線を接続します。
resetの入力端子に12.青「+」、9.黄「-」の配線を接続します。

リレーの天板の図はBotom View(ボトムビュー)となっており、プラグを差し込む足側から見た図です。
この図を上から見るのであれば、左右反転して考える必要があります。
リレーのコイルには極性がありますので、正しく電源を接続する必要があります。

今回使用したのはDC24Vタイプですので、Setの入力端子に電圧(DC24V)を入力するとリレーが働きました。
電圧を切っても接点は保持したままです。
接点の出力は2極リレーとは端子の使い方が違うので注意が必要です。
Resetの端子に電圧(DC24V)を入力するとリレーは解除され接点が戻りました。

入力には極性があるのですが、試しに逆に入力してみましたところ、Setは働きましたがResetは働きませんでした。電圧を入力する向きで電磁石の極性が変わるのでそこに保持動作の謎が隠されているのかなと思います。
使用されるときには指示された使い方でお願いします。

さいごに

 いろいろな種類のリレーがあり、MYのなかでもバリエーションに富んでいます。
色々なリレーに接することでさらに探求心がくすぐられます。

最後までご覧いただきありがとうございます。

2022/10/10/101000

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