さすけ のインターホン ブログ

趣味のインターホンに関することを中心に書き綴って行きます

リレーの黎明期活躍していた 大興電機製作所 大田原電機製作所の歴史 各社のメカリレー (継電器)の紹介

大興電機製作所のリレー Taiko RAB-24D-11

はじめに

カニカルリレーと言えば私にとって仕事をするうえでなくてはならないアイテムの一つです
数あるリレーの中でもHCリレーと呼んでいる松下電工プラグイン型リレーを多用してきました

カニカルリレーのメーカーと言えば

リレーメーカーと聞かれて、ぱっと言われて思いつくのは松下電工オムロンです
残念ながら松下電工での制御盤用HCリレーは2018年に廃番となりました。
現在はOMRONのMYシリーズを主に使用しています

松下電工オムロンのリレー

松下電工のリレー(HC)です
松下電工 HC4-H-DC12V AP3241K

私にとってはおなじみの松下電工のリレーです
プラグイン端子になっていています
ソケットに差し込んで、ソケットの端子台と配線を接続します
現在パナソニックでは、この種類(HC)のリレーは製造されていません

OMRONのリレー(MY)です
オムロンのリレー MY2 DC24V

MYの古いものです。ケースには「OMRON TYPE MY2」とだけで、定格は明記されていません。
コイルには「OMRON DC24V 650Ω」と書いてあります
コモンの赤色のリード線は現在の製品と比べると非常に細いです

OMRONのリレー MY2N-D2 DC24V

最近のものです。カバーには最大電流10Aと書いてあります。
ただし現在のカタログには以前のカバーに書いてあった、最大5Aとなっています。

OMRON MY2 DC24V

現在のリレーです。
上のリレーにはない裏の足の所に「Crossed-out Wheeled Bin Symbol」リサイクルマークが印刷されています

現在、松下電工の代替として使用しているOMRONのリレーです

ほかのメーカー

この形のリレーほかに国内のどんなメーカーが作っているのかなと思い思い起こしてみれば
和泉電機(IDEC)RUシリーズ(ユニバーサルリレー)
富士電機 HH5シリーズ(ミニコントロールリレー)
があるなと思いつきました。
ネットで調べてみましたら過去には数社作っていたようです
富士通 FRL-263
高見澤電機製作所 MAT2 MAT4 (TAKAMISAWA リレーで検索)
沖電気 FA6-01Q4

NECもあるかと思いましたがネット上では基板用しか見つけられませんでした

IDEC(和泉電気)のリレー(RU)です
IDEC RU2S-C-D24

独創的な形状でコモン端子のリード線を無くす工夫がされています

現在OMRONのリレーが手に入りにくいため使用しています。(2021年9月)

富士電機のリレー(HH5)です
富士電機 HH54PW 100-110v

富士電機のリレーです。私は普段あまり目にすることは無いです

ピンの配列や大きさの規格

後述する大興電機製作所のリレーも含めて
プラグイン端子の長さが若干違うなど細かい違いはあるものの
プラグイン端子の配列・足の番号・番号の意味合いは各社共通となっています。
海外のリレーを見ても古くからこのプラグインの端子を持つリレーが存在するようです
規格で決まっているのか、どこかのメーカーが作ったリレーが事実上の標準になってしまったのか
各社勝手に似せて作っているだけなのか
興味のあるところです

また、共通の呼び方って何だろうなとも思います
ミニパワーリレーなどとの呼び方もあるようですが、、、

大興電機製作所のリレー

大興電機製作所のリレー群

大興電機製作所のリレー

大興電機製作所のリレーその1 (RAB) RAB-24D-11 DC24V
Taiko RAB-24D-11

1964年に発売されたリレーです
プラグイン型となっており、現在のソケットにも嵌合させることができました
この足の配列は規格はどこが定めたのでしょうね

大興電機製作所のリレーその2 (RABK) Taiko RABK-2P
Taiko RABK-2P

RABの後継機種となるようです。
1972年に発売されたリレーのようです
このリレーで一世風靡したのではないでしょうか
現在販売はされていないようです

大興電機製作所とは

大興電機製作所ご存じの方もおられると思います
主に電話関連商品を製造販売している会社です。
目にすることがあるとすれば、銀行や郵便局などのATMコーナーにオートホンという電話機(白地に青いカラー)が設置されているのを見たことがあるかもしれません。似たようなものにガイドホン(日通工)というものもあります。
会社のビジネスホンが大興電機製作所製の場合もあるかもしれません。Taikoのロゴが入っています。

2004年4月に田村電機製作所と大興電機製作所が統合してサクサ株式会社(SAXA)となっています

大興電機製作所の生い立ち

概略を記します
1932年(S.07) 7月1日 古川梅三郎が広田栄吉・大橋繁三の協力を得て大興電機製作所を設立
東京府荏原郡平塚村大字蛇窪(現在の東京都品川区二葉町)

沖電気(後の沖電気工業)の大崎工場で組立、仕上げ現場の組長をしていた27歳の青年が、10余名の従業員と数台の機械設備で独立したのが始まり
沖電気を通じて逓信省へ特殊電話機を納入

1936年(S.11) 沖電気の専属工場の申し出を受けて沖電気の無線部門の繁栄に協力
1938年(S.13) 11月7日 株式会社大興電機製作所設立 各種軍用通信機用部品等を生産、納入
1944年(S.19) 工場疎開の指令により古川社長の出身地の栃木県塩谷郡矢板町に矢板工場を新築

1946年4月(S.21) 沖電気の蕨工場に基幹社員10数名を派遣して、平型リレーの製造に関する基礎的な知識と技術を習得
1947年(S.22) 矢板工場で沖電気の下請けとして、A型局ラインファインダーユニット用のRT-32号、R-913号などの平型リレーを生産し納入
1948年(S.23) 逓信省の指定メーカーとして直納するまでになる。”リレーの大興”の第一歩

1958年(S.33) 2月 株式会社大田原製作所をリレー専門工場として設立。拡大するリレー生産の一部を移管
1964年(S.39) RAB形リレー開発
1972年(S.47) RABK形リレー開発販売。RABK形リレーが目玉商品となった
2004年(H.16) 2月2日 大興電機製作所 田村電機製作所の株式移転により、田村大興ホールディングス設立。
2004年(H.16) 4月1日 傘下の田村電機、大興電機の統合により、サクサ株式会社を設立
との流れになっています

引用:
大興電機製作所五十年史編集委員会,昭和57年10月5日,大興電機製作所50年史,株式会社大興電機製作所
ウィキペディア,サクサホールディングス

大田原電機製作所とは

1958年(S.33)2月 株式会社大興電機製作所の事業拡張の一環として、株式会社大田原電機製作所を創立
通信用リレーをはじめ通信機器、電子機器を製造
1993年(H.05)4月 株式会社大興電機製作所よりリレー事業を引き継ぎ、自動車電装ユニット用リレーの専業メーカーとしてスタート
1993年(H.05)6月7月 大田原市上石上に新社屋を建設し、社名を株式会社タイコーデバイスに変更
(製品の社名ロゴはTD)
2010年(H.22)1月 パナソニック電工株式会社のグループに加入
2010年(H.22)10月 社名をパナソニック電工タイコーデバイスに変更
2012年(H.24)1月 社名をパナソニックバイスタイコーに変更
2017年(H.29)4月 パナソニックバイス帯広株式会社と合併し、新会社 パナソニックスイッチングテクノロジー株式会社となる
(タイコーを冠する名前は無くなりました)

引用:マイナビ パナソニックスイッチングテクノロジーズ株式会社 会社概要 より抜粋

さいごに

各社の制御盤用リレーを色々見て来ました
大興電機製作所はもともと電話交換機用のリレーが主だったのでしょうね
時代の流れとともにリレー生産の商品も変わっていったようです
リレー自体は様々な使い方があるようです
この種類のリレーは各社徐々に扱いが無くなっていっていますが
まだこの先の未来も残っていくといいなと思っています

とある基盤に採用されている基板用リレー NX 2個のうち1個は経年劣化でふたが取れています
火災報知器に使用されているリレー。RFT-1403、RFT-1404

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