2024年5月26日 松下電工BV42208・BV42208K 追記
- はじめに
- おねがい
- 感知器の仕組みを見てみよう
- 確認灯の動作
- 差動式感知器を分解してみる(ニッタン 2SC1-L)
- ニッタン2SC1-Lの基盤を見てみる
- ホーチキ DSB-2(本体)を見てみる YBD-RL/1(ベース) との組み合わせ(廃番品)
- ホーチキ DSC-2(本体:現行品)を見てみる YBD-RL/1(ベース:廃盤品) との組み合わせ
- ホーチキ DSC-2(本体:現行品)を見てみる YBR-RL/1(ベース:現行品) との組み合わせ DSC-2RL-A
- ニッタン 2SC1-L(本体)を見てみる B2-C(ベース)との組み合わせ
- 松下電工(パナソニック) BV42208(本体:廃盤品)を見てみる
- 松下電工(パナソニック) BV42208(本体:廃盤品)とBV42208K(本体:現行品)見てみる
- 松下電工(パナソニック) BV42208Y ラクダ色(本体:廃盤品)を見てみる BV4800Y ラクダ色(ベース:廃盤品)との組み合わせ
- 松下電工 BV42208(本体:廃盤品)とBV42208Y(本体:廃盤品)見てみる
- 松下電工(パナソニック) BV42208K(本体:現行品)を見てみる BV4800(ベース:廃盤品)との組み合わせ
- 松下電工(パナソニック) BV42208K(本体:現行品)を見てみる BV4810(ベース:現行品)との組み合わせ
- 松下電工(パナソニック) BV42208K(本体:現行品)を見てみる BVK4000(ベース:廃盤品)との組み合わせ
- 松下電工(パナソニック) BV42208K(本体:現行品)を見てみる BVK4010(ベース:現行品)との組み合わせ
- 松下電工(パナソニック) BV42208K(本体:現行品)を分解してみる
- 能美防災 FDP219(本体)を見てみる FZB013-2(ベース)との組み合わせ(廃番品)
- 能美防災 FDL918-65(廃番品) を見てみる
- 感知器の回路を見て動かしてみる
- S端子・P端子付き感知器を見てみる
- S端子やP端子やXL1・XL2などの外部接続端子についての感想
- 感知器の確認灯が本体なのかベースなのかについて考える
- さいごに
はじめに
インターホン工事の業務に携わっていますとどうしても火災報知器のかかわりが出て来ます。
最近の建物では見ることは少なくなりましたが、古い建物の更新をしていると建物自体はP1型受信機で守られていたとしても、S端子などの外部出力付きの感知器を使用して各住居内に中継器を設け、住戸内全てのどの感知器が感知してもインターホンに知らせる場合や、台所の感知器だけインターホンに移報させているマンションに遭遇することもあります。
外部出力信号を接点出力に変える装置や接続の方法も各社様々で同じ会社でも違う接続方法が有ったりと、いまだによくわかりませんので、この備忘録を書きながら解明していきたいと思います。
感知器自身の外部出力の前に、火災を感知した時に感知器で点灯する確認灯(無いものもありますが)、これがなぜ点灯するのかまずはここからスタートしたいと思います。
おねがい
ブログのこの記事は私が興味を持ったこと疑問に思ったことを自身の備忘録として書いているものです。正確な情報を書くことを心がけていますが、経験が浅いこともあり勘違いして間違った事を書いている場合がありますのであらかじめご注意願います。
このブログを参考にしたら機器が壊れたや、動かないけどどうしたらよいなどの苦情や質問などをいただきましても対応できませんのでご了承ください。
実際に設置されている機器を触るには資格が必要となりますのでご注意ください。
感知器の仕組みを見てみよう
確認灯の動作
感知器の確認灯って根拠もなく点灯して当たり前だと思っていました。
でもLとCの間をテスターで測定すると約24Vが出てて、ショートすると受信機が火災を報知します。考えてみるとショートして0Vになるはずなのに、なんで確認灯が点灯するのかという事です。この時は確認灯がダイヤフラムの接点と並列になっていると勘違いしていました。(上記図面の左側です)
カタログなどを見てみても、どうして確認灯が点灯するのかはよくわかりませんでしたので、実際の物を分解してみました。
ホーチキのDSC-2のベースのカバーがすぐに外れたのでこれで確認してみました。
回路を確認して行くと、確認灯とダイヤフラムの接点とは直列に接続されていました、また、確認灯と並列に抵抗が入っています。
この並列に入れられている抵抗は、受信機内部回路を動作させるのに必要な電流を流すためのものではないかと勝手に思っています。ブリーダ抵抗やダミー抵抗とは違うと思いますがそのようなイメージの物かなと。LED点灯の通過電流だけではリレーなどの内部回路を作動させるのには足りないのでしょう。過去に駐車場に取り付けてあるYBR-RL/2の基盤のLED回路部分が腐食して確認灯の不点灯だけど、単独の抵抗の方だけで動作しているものがありました。
また、LとCの間の電圧を確保する役割もあるのかな?考えすぎかな?(上記図面の右側になります)
差動式感知器を分解してみる(ニッタン 2SC1-L)
ニッタン 2SC1-Lを分解してみる
ニッタンの差動式スポット型感知器2種を分解してみます。
(表面をぶつけられて、凹んでおり廃棄するものです)
写真右は感知器裏面の様子です。
写真左は空気室を取り外した状態です。ダイヤフラムと接点と基盤の様子がわかります。
写真右は接点の状態です。ダイヤフラムが膨張したら接点がくっつくようにベース側のネジの高さで調整されていいます。
ニッタン2SC1-Lの基盤を見てみる
小さな基盤があり、ここに抵抗2個と確認灯が付いています。
基本構成は、ホーチキの回路と抵抗値は違うものの同じです。
基盤を固定しているネジはCと接続されてる金具との導通と固定も兼ねています。基盤の裏側の緑色の面の丸穴はLの端子とダイヤフラムが押す接点を経由して接続されています。
ニッタン 2SC1-Lのダイヤフラムを膨らませてみる
写真の左は冷えた状態で写真の右は加熱した状態ですが、わかりにくいですね
蛇腹の部分から外れたところにある白い部分がリーク孔です。
リーク孔は空気室内と外気との間に一定の抵抗をもった流通孔となっていて、ゆっくりとした温度上昇による熱膨張の場合には作動しないように空気を逃がします。
今度は立てらかせてみました。
左は冷えた状態、右は加熱した状態です。少し膨らんでいるのがわかりますでしょうか。この膨らみの中心部で接点を押します。
ニッタン 2SC-1Lのリーク孔を分解してみる
孔にはめ込んである耳栓のようなシリコンゴムを引っ張り抜きます。中央に穴が開いており、この穴に細いプラスチックの棒が差し込んであります。これだと空気弁のような感じに思えます。
ホーチキ DSB-2(本体)を見てみる YBD-RL/1(ベース) との組み合わせ(廃番品)
ホーチキのDSB-2です。なんだかプリンのように見えますね。
確認灯はベースについています。
差動式スポット型感知器 2種 DSB-2 感第60~24~2号 24V 55mA 製造年1988年
ホーチキ DSC-2(本体:現行品)を見てみる YBD-RL/1(ベース:廃盤品) との組み合わせ
差動式スポット型感知器 2種 DSC-2 感第1~47~4号 24V 55mA 製造年1995年
感知部分の形が変わりましたね。ベースはDSB-2と同じで確認灯は円形に飛び出しています
空気室はしっかりとボンドで止められています
ダイヤフラムとリーク孔と接点が確認できます
確認灯はベース側についていますので、ヘッドには基盤がありません。
ホーチキ DSC-2(本体:現行品)を見てみる YBR-RL/1(ベース:現行品) との組み合わせ DSC-2RL-A
差動式スポット型感知器 2種 DSC-2 感第1~47~4号 24V 55mA 製造年’04 F
ベースの確認灯部分が以前の物に比べてスリムになっています。
ニッタン 2SC1-L(本体)を見てみる B2-C(ベース)との組み合わせ
差動式スポット型感知器 2種 2SC1-L 感第7~110号 DC30V 50mA 2020年製 LOT.203A
確認灯は感知器本体についています
松下電工(パナソニック) BV42208(本体:廃盤品)を見てみる
ナショナル 感知器 差動式スポット型
BV42208 2種
接点容量 DC30V 70mA
型式番号 感第49~27~1号
製造年 昭和60年
松下電工株式会社
とラベルに書いてあります。
1976年4月~1988年1月
空気室は空気室に溶接されたボルトをナットで固定しています。
ナットを外すと空気室と本体が分離できます。
本体側には接点があり接点のダイヤフラム接触部分にはプラスチックのピンが固定されています。
空気室にはダイヤフラム・M3のスタットボルト、左下にはリーク孔が見て取れます。
組み合わせていたベースは手元にありませんがこの当時でしたらBV4900が適合するだったのかなと想像します。
1976年4月~1987年4月
この感知器最近手に入れまして、私が社会人になった30程前から松下電工の差動式感知器と言えばすでにBV42208Kと「K」が付いていましたので、その前身の姿が見れたのはうれしいものです。
松下電工(パナソニック) BV42208(本体:廃盤品)とBV42208K(本体:現行品)見てみる
パナソニックの BV42208K(現行品)とBV42208(廃番品)を見比べてみます。
ぱっと見た目は同じように見えますが、細かいところは若干違うようです。
外形寸法やベースとの接触金具位置は同じ様です。
空気室の固定はBV42208はねじ止めですが、BV42208Kは表からプラスチックのリングをボンド止めして固定しています。
松下電工(パナソニック) BV42208Y ラクダ色(本体:廃盤品)を見てみる BV4800Y ラクダ色(ベース:廃盤品)との組み合わせ
National 差動式スポット型感知器
BV42208Y ラクダ 2種
接点容量 DC30V 70mA
型式番号 感第49~27~1号
製造年 1995年
896 松下電工株式会社
接続可能受信機
受第5~3号
受第61~2号
上記以外の場合は弊社に御確認ください
とラベルに書いてあります。
1978年7月~2005年1月
ベースはBV4800Yでこちらもラクダ色です。
ベースはBV42208Yの後継機BV42921YやBV429211Yにも使用されていたようです。
1987年3月~2016年3月
このBV4800Yの前身になるのはBV4900Y 確認灯付き感知器ベース(ラクダ)ではないかと思います。
1978年7月~1987年5月
松下電工 BV42208(本体:廃盤品)とBV42208Y(本体:廃盤品)見てみる
パナソニックの BV42208(廃番品)とBV42208Y(廃番品)を見比べてみます。
色が標準色とラクダ色の違いだけのようです。
松下電工(パナソニック) BV42208K(本体:現行品)を見てみる BV4800(ベース:廃盤品)との組み合わせ
差動式スポット型感知器 2種 BV42208K 感第60~21号 DC30V 0.1A 製造年1989年
確認灯はベースについています。裏からは透明なアクリルカバーが取り付けてあり基盤が見えます。
ラベルには
National 差動式スポット型感知器
BV42208K 2種
接点容量 DC30V 0.1A
型式番号 感第 60~21号
製造年 1989年
5718 松下電工株式会社
接続可能受信機
受第60~40~2号
受第61~2号
上記以外の場合は弊社に御確認ください
と書いてあります。
1985年11~現在
ベースはBV4800(廃番品)で配線の接続はねじ止め式となっています。
感知時に点灯するLED式の確認灯があります。
MADE IN JAPANの文字が刻字されています
1987年3月~1993年6月
確認灯をはんだごてで温めて取り外します。基盤にはLEDと抵抗が2個取り付けてあります。
松下電工(パナソニック) BV42208K(本体:現行品)を見てみる BV4810(ベース:現行品)との組み合わせ
差動式スポット型感知器 2種 BV42208K 感第60~21号 DC30V 0.1A 製造年月日 990120
ベースはBV4810(現行品)です。2線式で配線はねじ止め式となります。
確認灯はありません。
1989年3月~現在
松下電工(パナソニック) BV42208K(本体:現行品)を見てみる BVK4000(ベース:廃盤品)との組み合わせ
ラベルには
National 差動式スポット型感知器
BV42208K 2種
接点容量 DC30V 0.1A
型式番号 感第 60~21号
製造年月日 990219
5718 松下電工株式会社
接続可能受信機
受第5~3号
受第61~2号
上記以外の場合は弊社に御確認ください
と書いてあります。
1985年11~現在
ベースはBVK4000(廃番品)です。
2線式で配線の接続は差込式となっています。
感知時に点灯するLED式の確認灯があります。
MADE IN JAPANの文字が刻字されています
感知器ベース用の送り配線用コネクタBVK8050相当品が付属していたようです(2012年7月~現在)
BVK4000 1992年7月~2012年12月
松下電工(パナソニック) BV42208K(本体:現行品)を見てみる BVK4010(ベース:現行品)との組み合わせ
ラベルには
Panasonic 差動式スポット型感知器
品番 BV42208K 2種
接点容量 DC30V 0.1A
型式番号 感第 60~21号
製造年月日 150611
5718 パナソニック株式会社
接続可能受信機
受第15~10号
上記以外の場合は弊社に御確認ください
と書いてあります。
1985年11~現在
ベースはBVK4010(現行品)です。
2線式で配線の接続は差込式となっています。
感知時に点灯するLED式の確認灯があります。
MADE IN JAPANの文字が刻字されています
感知器ベース用の送り配線用コネクタBVK8050は別売りです(2012年7月~現在)
BVK4010 1992年7月~現在
松下電工(パナソニック) BV42208K(本体:現行品)を分解してみる
廃棄するパナソニックBV42208Kを分解してみます。
表面の空気室のふちにリング状のプラスチックがボンドで止めてありますので、手をケガしないように小さなマイナスドライバーを差し込んで外していきます。
全周外れますと空気室を外すことができます。(写真左)
接点部分は板バネ状の金属板の先にクロスバー接点を有しており確実な導通を得られるようです(写真中央)
所で、空気室の裏がずいぶんすっきりとしています。
見慣れた先ほど紹介した「K」が付いていないBV42208にはあったリーク孔が見当たらないのです。(写真右)
BV42208Kのリーク孔が無い!?
まさか、リーク孔無くても安定動作する差動式感知器が開発された?でも空気室はある。
そうだ、お湯につけてみよう!
処分するすでに分解した感知器を湯攻めしてみることとしました。
本来の火あぶりして熱する代わりに湯煎して温めてみます。
用意するのはお湯を張ったボールとBV42208Kの空気室です。
これをお湯につけてみますと
プシューーーーーとすごい勢いで空気が噴出してきます!
圧力なべの栓を外したようなイメージです。
さて、どこから空気が出ているのか探してみますと空気室の中央に針穴よりまだ小さな穴が開いています。
ダイヤフラムの中央部の平らな部分。右の写真で言うと接点でど真ん中がすこし窪んでいますがその少し上!黒い点が写真でわかりますでしょうか??ここに穴があります。穴の大きさは小さすぎてノギスでは測れませんでした。
BV42208Kにリーク孔はあります!
能美防災 FDP219(本体)を見てみる FZB013-2(ベース)との組み合わせ(廃番品)
差動式スポット型感知器 2種 FDP219 感第3~44号 30V 75mA 1994年製
確認灯が感知器本体についています。
空気室を取り外してみました。
取り付けた後ロックピンをボンドで止めているので簡単には取れません。
小さな基盤が取り付けられています。
スイッチの部分は板バネ状になっています
リーク孔は耳栓のような形状で中央に透明な丸棒が差し込んであります。
基盤には双方向のLEDと抵抗が2本あります
(リーク孔の部品と基盤は他のFDK219から外したものと合わせて撮影しました)
能美防災 FDL918-65(廃番品) を見てみる
定温式スポット型感知器 特種 FDL918-65 公称差動温度 65℃ 非防水型 感第 5~36 号 30V 75mA 1994年製
ネジで止められているフタを開けると回路が見えて来ます。
感知器の回路を見て動かしてみる
各感知器の確認灯の回路を見てみます
ホーチキのYBD-RL/1は220Ω+確認灯と並列に160Ωの抵抗
ニッタンの2SC1-Lは220Ω+確認灯と並列に150Ωの抵抗
パナソニックBV4800は120Ω+確認灯と並列に180Ωの抵抗
能美防災のFDL918-65は30Ω+確認灯と並列に150Ωの抵抗
となっています。
簡易図にしてみると
このようになります。
松下電工(カジノン火災報知設備)のP型2級受信機 BV1290で感知器を動かしてみる
松下電工BV1290を見てみる
松下電工のP型2級 1回線 確認灯感知器回路付 品番 BV1290を使用して感知器を動かしてみたいと思います。
断線監視機能はありませんので終端抵抗は接続しません。
内部回路を見てみると感知器が作動するとリレーが働き火災を報知するようです。リレーと感知器が一つの回路を形成しています。
受信機と感知器がそれぞれ単体で火災をお知らせするわけではなく、受信機と一体になってチームで連携プレーをします。
U+端子からリレーの動作電源が供給されリレーのマイナス側がL+端子から、感知器を経由してC-(マイナス)へ接続されています。L+とC-に接続された感知器が火災を検知してショートするとリレーが働きます。
BV1290の内部回路を見てみる
ふたの裏に回路図がありましたので、書き出してみました。測定電圧は感知器が復旧した状態の時です。
火災受信機の基本となる回路と思われます。
感知器を接続して測定してみる
松下電工BVK4000を接続して測定してみる
松下電工のBVK4000を接続してみます。
U+とC-の間の電圧は29.0Vです。電圧はAC100Vの入力電圧の変化に連動して変わるようです。
感知器を検知状態にすると(端子をジャンパーします)L+とC-の間の電圧は4.0Vでした。この時U+とL+の間の電圧は23.9Vです。
この4.0Vの電圧で確認灯が点灯していることになります。
この時の電流値は38mAでした。
計算が合いませんが、電圧値が変化しているためかなと思います。
ちなみに感知器を接続せずにL+とC-の間の電流を測定すると48mAでした。
ホーチキYBD-RL/1を接続して測定してみる。
メーカーは違いますがホーチキのYBD-RL/1を接続してみます。
U+とCの電圧は測定時はDC28.7Vです。電源は安定化されていないのでAC100Vの電圧変化で多少変化します。
感知器を検知状態にすると(端子をジャンパーします)L+とC-の間の電圧は4.1Vでした。この時U+とL+の間の電圧は23.9Vです。
この4.1Vの電圧で確認灯が点灯していることになります。
この時の電流値は37mAでした。
図にまとめてみました。
S端子・P端子付き感知器を見てみる
ホーチキ DSC-2K(本体)を見てみる YBD-RL/2(ベース)(廃番品)との組み合わせ
差動式スポット型感知器 2種 DSC-2K 感第1~47~2号 24V 100mA (S端子 24V 65mA) 製造年1995年
感知器内には回路が無いのかDSC-2と同じく2端子です。
100mA-65mA=55mAとなるので感知器自体はDSC-2と同じなのかなと思っています。
ただ、開けれていないので、接点の状態は同じなのか違うのか確認は出来ていません
ラベルは金色です。
ベースはYBD-RL/1にS端子が追加されています。
ベースのラベルには、
YBD-RL/2 L:信号線(+) C:共通線(-) S:S端子(24V 65mA)
と、明記されています。
YBD-RL/2の基盤
基盤にはダイオード2つと抵抗2本とLEDが1個載っています。
ホーチキ DSC-2K(本体)を見てみる YBR-RL/2(ベース)との組み合わせ
差動式スポット型感知器 2種 DSC-2K 感第1~47~2号 24V 100mA (S端子 24V 60mA) 製造年 ’20 R
感知器内には回路が無いのかDSC-2と同じく2端子です。
1995年製のDSC-2KとS端子の電流値が異なっています。
ラベルは金色です。
ベースはYBD-RL/2のネジ端子から、速結差込型端子に変わっています。
ベースのラベルには、
YBR-RL/2 L:信号線(+) C:共通線(-) S:S端子(24V 60mA)
と、明記されています。
実際の結線は有限会社ふじみ防災防犯様のブログに詳しく書かれています
通常のベースYBD-RL/1を測定してみる
上でも試験しましたが、YBD-RL/1を再度測定してみます
待機時はLとCの間は27.9Vで電流は流れていません
火災検知状態になるとLとCの間は4.0Vで電流は36.6mA流れます
S端子付きのベースYBD-RL/2を測定してみる
YBD-RL/2を測定してみます。YBD-RL/1との違いはS端子がある以外にも抵抗値が異なります。
待機時はLとCの間は28.0Vで電流は流れていません
火災検知状態になるとLとCの間は8.7Vで電流は22.3mA流れます
LとSの間には8.3Vの電圧が発生します
U+とLの間は18.5Vです
YBR-RL/1とYBD-RL/2を比較まとめてみました。
YBR-RL/2のS端子の動き
ダイヤフラムがスイッチを押すと受信機と確認灯の回路の電気を流すのと同時に、S端子に接続された回路をマイナスとくっつけるようにもなっています。電気の逆流を防止するダイオードで、電気の流れる向きを決められています。
通常であればS端子に接続する、別電源で動く機器のマイナスを入り切りして動かす動作になると思います。
一般的によくある動作です。
ですが、
ホーチキのS端子付きベースはよく考えられたもので、火災表示灯が別電源なしで接続できるようになっています。
確認灯を点灯させる電圧で、他の物を動かせるように工夫されているように見えます。そのために、確認灯だけが動くYBR-RL/1と違いYBR-RL/2は確認灯に印加する電圧が高くなるように、受信機のリレーとの分圧する電圧をYBR-RL/2の抵抗器の値を調整することによってL端子とS端子の間に発生する電圧を調整したものと思われます。
ただし出力されるのは、感知器のダイヤフラムがスイッチを押している間となります。
S端子に直接連動機器は接続しない
S端子にはホーチキの専用中継器を接続します。
faq.hochiki.co.jp
室外表示灯付き中継器の「CPP-H」は感知器のL端子とS端子に接続します。別途DC24Vは必要ないです。
中継器の「CPK-3」も感知器のL端子とS端子に接続します。別途DC24Vは必要ないです。
中継器の「CPS-1」は受信機のI+を受信機の火災代表A接点を経由してCPS-1の+端子に接続されます。CPS-1のS端子を感知器ベースのS端子に接続し、火災感知時にはC端子経由でーに電気が流れていくようです。
感知器の線とは別にDC24Vの配線が必要です。
S端子へは直接連動機器は接続してはいけませんが、マイナス制御のアイホンのVM(回路電圧DC12V)などは動くのではないかと思います。
パトモは回路電圧が低く(DC3V程度?)うまく作動しないと思われます。未確認です。
YBR-RL/2にホーチキ火災表示灯CPP-H(移報出力付き)を接続して測定してみる
CPP-H 中継器
定格電圧:DC10V 電流:11mA
移報定格:DC30V 0.1A
火災検知状態になるとLとCの間は7.5Vで電流は25.2mA流れます
LとSの間には7.0Vの電圧で6.2mAの電流です
X+とX-はオープンコレクター出力がされます。
オープンコレクター出力ですので、接続を誤ると接続した機器が動作しっぱなしになったり、お互いの機器を壊す原因になります。
【実験】CPP-Hにパトモを接続してみる
実験でCPP-HのX+、X-にパトモアルファのS1、S1Eをつなげてみました。
本来住宅用火災警報器を接続するための設定です。
CPP-Hの出力はオープンコレクター出力のため極性がありますので間違えると正常に動作しませんし、警報が鳴りっぱなしになると思われます。
警報時は「プルル プルル プルル 火災警報器が作動しました確認ください」と鳴ります。ドアホンでもお知らせします。
管理人室親機には汎用1の表示しか出ないと思われます。
パトモの回路電圧が安定せずうまく測れません。3V程度ではないのかと思われます。
古い物件ではCPP-Hに台所の感知器のS端子が接続されていてインターホンのSL・SCに接続されている場面に遭遇することもあります。
YBR-RL/2にホーチキ CPK-3を接続してみる
CPK-3 中継器
定格電圧:DC6V 電流:17mA
移報定格:DC30V 1A
火災検知状態になるとLとCの間は6.5Vで電流は28.7mA流れます
LとSの間には5.8Vの電圧で12.4mAの電流です
CPK-3はリレー接点出力ですので接続する機器の極性を考える必要はなさそうです。
接点出力だけが必要なら、CPP-HよりCPK-3の方が良さそうです。
YBR-RL/2にニッタン LB2を接続してみる
LB2 中継器
定格電圧:DC24V 電流:22mA
ダメもとで他と同じようにL端子とS端子に接続してみましたが作動しません。定格がDC24Vですのでだめです。
LB+(赤)をU+端子に、LB-(白)をS端子に接続してみましたら動作しました。メーカーが違うので保証外です。
別途受信機のI+などからDC24Vの電源線が必要です。
火災検知状態になるとLとCの間は8.6Vで電流は22.0mA流れます
U+とSの間には26.3Vの電圧で25.6mAの電流です
ニッタン 2SA-PH(本体)(廃番品)を見てみる
動作不良で、接続すると検知状態となってしまう故障している感知器を見てみます
デジタルテスターだと異常はわからなかったのですが、アナログテスターでLとCの端子の導通を×1Kレンジで測定すると、徐々に針が振れてゆき0Ωに近くなりました。現在は蓋を開けてサイリスタを触ったことでかわかりませんがそこまで振れなくなりました。
2SA-PHを開けてみる
六角ナットを2個外すと空気室が外れます。
開けてびっくり!そっと閉めようと思ったくらいです。
なんと、基盤にいくつもの電子部品が付いていました。
ホーチキの基盤を見ていたので、同じような物を想像していました。
2SA-PHのリーク孔を分解してみる
2SC-1Lのリーク孔と異なり空気室にバーリング加工で穴をあけて、ねじを切ってプラスチックパッキンを付けたリーク孔が取り付けられています
リーク孔の穴に更にすり割り(マイナス字)付きの止めねじ(イモネジ)に小さな穴をあけたものがねじ込まれています。
止めねじを外すと穴の中に何か詰まっています。ゴミかなと思いましたが、ポリエステル?のような白い繊維が出て来ました。30年近く狭いところに押し込まれていたにも関わらずピンと伸びます。この繊維が空気圧の調整をしていたようです。
2SA-PHの基盤を見てみる
感知器自体の詳細はインターネット上などで調べても分からなかったのですが、サイリスタが入っているので、現行品と同じく保持機能付きの感知器で、LとCは無極性ではないかなと思います。ただし、P端子を使用する場合はP端子とマイナス極の端子(通常はCを接続する)の間に火災感知時に導通が出るようです。
受信機を接続してしばらく経つと、サイリスタのゲート端子の電圧が徐々に上がっていき警報が出ます(上の写真左)。P端子にオプションのリレーを接続すると即警報が出ます。
故障原因を調べてみました。タンタルコンデンサを外して容量を見てみましたが約22μFで、おかしくはありませんでした(上の写真中)。
警報時の通過電流を測ってもいると約33mAです(上の写真右)
サイリスタとコンデンサのはんだを溶かし直しまして、サイリスタの足の根元のAとGの間にゴミでもあるのかと先の細いものでゴリゴリしましたら、警報は出なくなりました。原因はよくわかりませんが、またおかしくなる可能性はあります。
おかしい状態の時に平常時の電流値が0.6mAです。(写真左)
色々いじった後の平常時の電流値は0.000~0.003mAでした。(写真中)やはり最初は何かおかしかったと思います。
警報時の電流値は約32mAです。(写真右)
おそらく最近の感知器の確認灯はLEDが主流と思いますが、このベースは麦球が使用されており、味があっていいなと思います。
回路を見てみると、P端子の無い感知器はダイヤフラムで押す接点が直接受信機の警報リレーを起動していましたいましたが、この2SA-PHはサイリスタの起動用になっています。
サイリスタは、ダイオードに自己保持スイッチの端子が付いていて、一度スイッチがONするとスイッチをOFFにしても電気が流れ続けます。ダイオードに流れる電気を一旦切ると電気は止まります。
このサイリスタをスイッチとして使用して、感知時に電気を流し受信機の火災リレーを起動します。また、P端子に接続されている機器の電気もC端子方向へ流します。
受信機を復旧釦を押すと受信機内部の火災リレーの自己保持が解除されるのと同じく、感知器内部のサイリスタの自己保持も解除される仕組みのようです。
余談ですが、ケアコムのトイレ呼出しボタンの内部にもサイリスタによる自己保持回路が使用されていたのを思い出しました。
押釦内部の確認灯は整流用ダイオード何個も直列につなぎ、4つほどの整流ダイオードと並列にLEDを接続して電圧を発生させていたように記憶しています。
ですのでR型のナースコールの復旧釦はB接点だったりします。
図にはありませんが、警報時のL-P間の電圧は3.2Vでした。P-C間の測定は出来ませんでした。
P端子に機器を接続してみる
P+端子にニッタンのLB2を接続してみました。
P端子やP+端子と表記されているので、最初勘違いして何らかの電源が出力されるものと思っていましたが、実際にはC端子(マイナス側)へ導通が出るようになります。
ですので、電源が必要となります。(別に電源の配線が必要です)
実験に使った受信機にはI+端子がありませんので、U+端子で代用してみました。
黄色いジャンパーをして感知状態にするとリレーが働きます。
黄色いジャンパーを外しても保持型ですので保持します。
受信機の火災復旧釦を押しますが、復旧しません!
良く考えると、感知器の電源は切ったものの、U+からリレーを動かす電流が流れ続けている電流が流れているため保持が解けません。
LB2へ接続する電源はI+など受信機の復旧と同期して電源がリセットされる端子へ接続する必要があります。
ニッタンの受信機はわかりませんが、パナソニックBVJ25131KのI+端子の回路図を見ると火災復旧釦とと連動しているようです。
今現在の感知器はわかりませんが、この感知器は受信機に接続しているLとP+端子の機器が同時にリセットがかからないと、保持動作が止まらないです。
試しにホーチキのCPP-HとCPK-3をLとP+端子に接続してみましたが、電圧が低く作動しませんでした。
P端子にやっちゃダメな直接インターホンを接続してみる。
本来P端子は中継器を接続して使用する必要があります
ホーチキ様はS端子ですが連動機器を接続する場合には必ず中継器を使用するように書いてあります。
アイホンのP型3級火災受信機に接続してみます。
P端子にSL、C端子にSCを接続します。
アイホンの回路電圧は10.7Vです(写真左)、感知器を接続しているBV1290の電源を入れなくても、黄色い線のジャンパーで疑似的に警報状態にするとアイホンの受信機は火災警報状態になります。回路電圧は2.5Vに落ちます。(写真中央)
黄色い線のジャンパーを外しても警報状態は継続します。(写真右)
アイホンの警報停止ボタンを押してもインターホンの火災回路の回路電圧が落ちないので電気が流れている以上、感知器は警報を保持したまま復旧は出来ません。上の実験と同じことです。
ですので、保持型の感知器に直接インターホンを接続してはダメです。
保持型でなければ動くかもしれませんが、住棟受信機の復旧操作と連動してリセット動作する様に接続したリレー(ニッタンLB2 )を介すようにしましょう。
そういえば、過去に感知器が直接接続されているのを見たことがありました。
1CC1-70PWで品番に「H」がありません。保持機能が無いP端子付きだったのだろうと思います。
現行品のラインナップにを見る限りP端子付きにHが無いものが見当たらないです。もし更新される際にはH付きにならないように配慮が必要です。
(思い通りの動作になるのかはわかりませんが、下で紹介している能美防災の接点出力式の感知器に交換できたらどうなんだろう?)
BV1290の電源も入れて、電流値を測ってみました。
受信機のL端子から来た34mAと、インターホン親機からのP端子から来た60mA合わせてサイリスタ(スイッチ)には94mA流れてC端子に抜けていきます。
ニッタン LB2を見てみる
まさにリレーボックスでありますが、使用されているのは高見沢のDC12Vリレーです。大きな抵抗器で電圧を落としているようです。
能美防災 FDL918-WS-65(廃番品) を見てみる
能美防災の定温式スポット型感知器FDL918-WS-65です。
なんとこの感知器にはリレーが内蔵されています。
リレーは高見沢のAS6W-KですのでおそらくDC6Vで動作するものと思います。
回路も無極性で接続できますし出力は無電圧接点ですのでインターホンに接続するのも比較的容易だと思います。
現在はFDLJ906-DW-S65やFDLJ106-DW-S75がリレー内蔵ではないかと思われます。
能美防災の接点出力ができる差動式感知器は
FDPJ206-R-Sなどで表示灯(FLL-061)が接続できる感知器のFDPJ-206-D-X(表示灯用出力XL1(-)とXL2(+)がある)と4端子のベースFZB018-4と移報中継器(リレー出力・4V 30mAで動作)FRL-014の組み合わせの様です。
S端子やP端子やXL1・XL2などの外部接続端子についての感想
今のレベルの私の率直な感想は、これらの端子がある感知器を使用する室外表示灯や移報用の中継器を接続するのなら、同じメーカーの対応品を使うしかないという事です。
それぞれのメーカーで、接続できる機器の仕様や接続方法が異なります。
受信機においても、ホーチキ(マイナスコモン)のP型1級受信機から、能美(プラスコモン)のP型1級受信機に交換している現場や、ホーチキの受信機からニッタンの受信機に交換している物件を見たことはありますが、詳しい方がよく検討して交換しているんだろうなと感心します。
感知器の確認灯が本体なのかベースなのかについて考える
このブログを書いていて感じたのは、ニッタンと能美防災はベースにP端子やX1・X2端子の回路が入りきらないので、感知器側に入れて極力感知器の接続を能美防災は無極性にしたのではないかと言う推測です(一部例外的に極性のある感知器もあるようです。能美防災の定温式で接点出力の感知器など)
対して、ホーチキと松下電工はベースに整流回路のみを組み込み、S端子のあるベースは極性が発生したのかなと思ってしまします。
さいごに
普段、自動火災報知設備に携わっている方たちからすれば当たり前の事だったりするのでしょうけれども、当たり前の所を少しだけスポットライトを当ててみました。
このブログを書かなければ気にすることも無かったところを少し垣間見えました。
長文ご覧いただきありがとうございます。
2023/01/09/422080