はじめに
インターホンといえば、家の玄関と住戸内を結ぶものが一般的ですが
管制室を起点として各箇所への連絡手段として使われるコミュニケーションシステム
などというものがあるようです
よく見かけるのが、カラオケボックスの受付と各歌唱室との連絡手段
また、学校などでは職員室と教室、など簡易的な内線電話代わりのような
使い方が多いのかなと思います
私も小学校の頃教室に同じようなものが教室の黒板の横にあったなと懐かしく思い出します
VL-555とは
松下電器(松下通信工業)のコミュニケーションシステムの親機VL-355・VL-356・VL-655・VL-656に接続する子機です。
ネットで検索しましたが古いからなのか詳細が出て来ません
本体表面のラベルは昔懐かしの深い緑色の下地色にナショナルのNを模したマークにナショナルの文字
そしてVL-555の品番
注意事項として、セットに水などを絶対にかけないでください
と明記されています
大きさを物差しで測ってみました(誤差あります)
縦:225mm 横:90mm 厚み:84mm
インターホンの縦の中心と取付金具の2つある穴の中心がずれていますので、そのずれが
インターホンの中心から18mm下が取付穴の中心
1977/4/1~1987/11/30
VL-555の端子は
1・2・3・4 とあり、1・2が
親機と接続 ラベルには1をL、2をEへ接続します
3・4のジャンパーを外すと呼び出し音が小さくなる
とのことです
VL-555の端子を測定してみる
インピーダンス計で測定してみると
受話器を置いた状態で1・2間(3・4はジャンパーした状態)は、40Ω
受話器を外した状態では900Ωでした
デジタルテスターで3・4間の抵抗を測定すると56Ωでした
受話器を置いた状態では2・3の間は0Ωで
受話器を外すと無限大となりました
VL-555を分解してみる
古いものなので気を付けて開けてみましたが受話器の爪が折れてしまいます
それはさておき、本体底面の受話器のフック部分に基盤が取り付けてありました
受話器には、スピーカーらしきものが2つ!受話側と送話側もスピーカーでございます
送話側はコンデンサーマイクだと思いましたがスピーカーがマイク替わりのようでびっくりでした
受話側のスピーカーには黒字で松下電器の社章 三松葉の刻印に EAS-45P19S 25Ω
とありました
送話側のスピーカには赤字で三松葉の刻印に EAS-45P19SA 25Ω
と受話側と送話側で品番が違います
コーン部分には受話・送話ともに写真ではわかりにくいですが(拡大すると見えるかも)C-4502Bと透かしが入っています
そして呼び出し音は、受話側ではなくマイク側のスピーカーから鳴動して、受話器と接する本体のスリット部から呼び出し音が本体内で共鳴する構造になっています!なぜ?
受話器内の送話部分と受話部分の間には音を遮断するためと思われるスポンジが入っています
VL-555Kとは
VL-555の後継機と思われます
本体には印刷でNationalの文字にVL-555Kの品番が明記されています
色はクリーム色がかった明るい色です
大きさを物差しで測ってみました(誤差あります)
縦:230mm 横:76mm 厚み:61mm
インターホンの縦の中心と取付金具の2つある穴の中心がずれていますので、そのずれが
インターホンの中心から8mm上が取付穴の中心(金具自体が入違っている可能性があります)
1994/12/31~1998/9/21
VL-555Kの端子は
1・2・3・4 とあり、1・2に親機と接続します
3・4は増設スピーカー(8Ω)とのことです
3・4の間にはジャンパーが入っています
ラベルには
品番 VL-555K
松下通信工業株式会社
と書いてあります
VL-555Kの端子を測定してみる
インピーダンス計で測定してみると
受話器を置いた状態で1・2間(3・4はジャンパーした状態)は、37Ω
受話器を外した状態では900Ωでした
デジタルテスターで3・4間の抵抗を測定すると56Ω+カールコード6Ω=61Ωでした
受話器を置いた状態で1・4の間は約0Ωで
受話器を外すと無限大となりました
VL-555Kを分解してみる
本体底面には基盤が無く端子台のみで、カールコードでつながった受話器内に基盤が入っています
受話器には、VL-555であった送話部分がスピーカではなくコンデンサマイクになっていました
受話部分はVL-555と同じスピーカが入っています
呼び出し音は、VL-555とは違い受話側のスピーカーから鳴動して、受話器と接する本体のスリット部から呼び出し音が本体内で共鳴する構造になっているように思われます
VL-555KAとは
VL-555Kの後継機と思われます
本体には印刷でPanasonicの文字にVL-555KAの品番が明記されています
大きさを物差しで測ってみました(誤差あります)
縦:230mm 横:76mm 厚み:61mm
インターホンの縦の中心と取付金具の2つある穴の中心がずれていますので、そのずれが
インターホンの中心から4mm下が取付穴の中心(金具自体が入違っている可能性があります)
1998/7/1~2003/9/30
VL-555KAの端子は
1・2・3・4 とあり、1・2に親機と接続します
3・4の間にはジャンパーが入っています
ラベルには
Panasonic
品番 VL-555KA
松下電器産業株式会社
松下通信工業株式会社 日本製
と書いてあります
VL-555KAの端子を測定してみる
インピーダンス計で測定してみると
受話器を置いた状態で1・2間(3・4はジャンパーした状態)は、37Ω
受話器を外した状態では900Ωでした
デジタルテスターで3・4間の抵抗を測定すると56Ω+カールコード6Ω=61Ωでした
受話器を置いた状態で1・4の間は約0Ωで
受話器を外すと無限大となりました
AW-101Aとは
VL-555KAの後継機かすらわかりません。AW-101があったのかもよくわかりません
品番の関連も筐体も今までの製品とは全く別物のような感じです
本来パナソニックなどと書かれていてもいい様なものですが、製造・販売会社の情報が何一つありません
パナソニックのWebサイトを見ても情報は見つけられませんでした
品番などなんの印刷も無い味気ない外観です
色合いはグレー系の明るい白色です
受話器はVL-555KAと同一の色違いに見えます
受話器を置く部分のデザインもVL-555KAと似ています
大きさを物差しで測ってみました(誤差あります)
縦:230mm 横:106mm 厚み:71mm
インターホンの縦の中心と取付金具の2つある穴の中心がずれていますので、そのずれが
インターホンの中心から4mm下が取付穴の中心(金具自体が入違っている可能性があります)
AW-101Aの端子は
1・2・3・4 とあり、1・2に親機と接続します
3・4の間にはジャンパーが入っています
ラベルには品名などの情報が書いてあります
コミュニケーション子機
AW-101A
LoT
適合親機
VL-355 VL-356
VL-655 VL-656
AW-101AがVL-355などと接続できる子機であると言うのが唯一確認できる情報です
AW-101Aの端子を測定してみる
インピーダンス計で測定してみると
受話器を置いた状態で1・2間(3・4はジャンパーした状態)は、36Ω
3・4間のジャンパーを外した状態では90Ω
受話器を外した状態では900Ωでした
デジタルテスターで3・4間の抵抗を測定すると56Ω+カールコード3Ω=59Ωでした
受話器を置いた状態で1・4の間は約0Ωで
受話器を外すと無限大となりました
スピーカーが増えてる
受話器内はVL-555KAと同じように見えます
基盤のALPS製のフックスイッチは黒色です
スピーカが2個に増えています!
受話専用スピーカーと呼び出し音専用スピーカーで別れたためと思われます
今までのVL-555◯は受話器から発生したコール音をベース内で共鳴させている様でしたが、本体から直接室内に向けたスピーカーでコール音が聞こえる様になっています
基盤のパターンを見るとVL-555KAよりフックスイッチ回りの回路が変更されて2個のスピーカーを切り替える様になっているようです。
コール音回路用のコンデンサーが一つスピーカー近くの外部接続用の端子台側に移動しています。
スピーカはマーカーロゴが三松葉からMを四角で囲ったものに更新されています
品番はEAS-45P304A6でインピーダンスは25Ωです。コーン部分の透かしは見つけることができませんでした
スピーカは同じ品番のものが2つ入っており、受話専用と呼び出し音専用になっていると思われます
参考までに松下電工のリレーの写真です。Mを四角で囲ったロゴになっています
このDSリレーの4極はすでに廃番となっております。MEXICO製造品です。
最後に
約30年に渡る機器の変遷を見ることができました
部品も変われば会社も変わり世の中のニーズも変わってきたことと思います
楽しませていただきました