さすけ のインターホン ブログ

趣味のインターホンに関することを中心に書き綴って行きます

スピーカがマイクがわりになる!パワーインターホン VK-412A VK-508C 三松葉 松下通工 松下電器

パワーインターホン(ハイパワーホン)

インターホンなのにマイクが無い、でも会話ができる
そんなインターホンが昔は松下電器から販売されていました

松下通信工業のパワーインターホン VK-412A(5回線用)

親機とスピーカで構成されて、呼び出しスイッチも接続できます


左の写真はレトロな外観の 親機(VK-412A)の表と、左の写真はセレクタスイッチ

右上にはナショナルのNを象ったロゴと POWER INTERCOM の文字
左には電源ボタンと電源の表示灯があります
また、正面中央のスリットにはスピーカ、右のスリットにはマイクが内蔵されています。
右下には送話音量と受話音量の縦回転式のボリュームがあります
さらに下の側面には、外部マイクとAUXの端子があります

下にはセレクタスイッチと選択表示があります
この選択表示は今だとLEDで表示されるところですが、メカ式で中の黄色い表示板が電気仕掛けで出たり引っ込んだりします。(写真は押した状態で電源を切りセレクタスイッチをOFFしたので、表示部は4以外ONの表示を保持しています)


底面と端子台

背面では無く底面に製品のラベルと端子台があります
パワーインターホン 品番 VK-412A
定格電圧:AC100V 定格周波数:50/60HZ 定格消費電力:45W
松下通信工業株式会社

端子台の「1」と「C」にセレクトスイッチ1と連動するスピーカを接続します

松下通信工業のパワーインターホン用 壁掛け型子機 VK-508C

表面と背面

グレーのプラスチックの筐体の中央にはナショナルの懐かしいロゴ
縁の下部にはパワーインターホンのシールが張り付けてあります
裏面はMDF材の蓋があり、蓋ににスリットが設けられています。
上部には壁掛け用のだるま穴が開けられていて、下部には製品のラベルが張られています
筐体はナショナルの業務放送用スピーカのWS-1600、WS-1605と共通ではないかと推測されます



ラベルには
品番 VK-508C
インピーダンス:63Ω 許容入力:2W 松下通信工業
とあります
インピーダンス63Ωってあるの?って思いながら裏蓋を開けましたら、スピーカがお目見えしました

スピーカにはロゴマークが打ってあり少々潰れているのもあり三菱のスリーダイヤ?
と勘違いしましたが、スピーカ右下ネジの横に三松葉(松下電器社章)の刻印があるのを見て間違いに気づきました。
スピーカーの品番は EAS-16P167A で 63Ω
と記載されています
ローインピーダンスのスピーカは8Ωをよく見かけますが、マイクで使うにはインピーダンスが高い方が音が拾いやすいのでしょうか?また8の倍数の64Ωでも無いのは何でだろ?コンデンサーの6.3V耐圧なども見かけるので、63と言う数字に何かの由来があるかもしれませんね


写真右はスピーカとは関係はありませんが、三菱電機のブレーカーが入っていた商品の箱です。今でも広島県福山市の工場で作られているのではないかと思われます


スピーカ子機の回路と結線

パワーインターホンの親機から来た灰色の配線はラグ板を経由してスピーカに接続されます
スピーカのプラス(+)側はバイポーラ電解コンデンサー(10マイクロファラッド 耐電圧50V)を経由して接続されます。
スピーカのマイナス(ー)側はそのままスルーで接続されます

呼出スイッチから来た黒色の線は、親機に82Ω 2Wの抵抗器(松下電器産業 三松葉ロゴ入り)を経由して、押しボタン押下時には親機から来た灰色の線をショートします。
押しボタンを押すと、親機と子機からピーーと言う大きな発振音がします

配線

本体とスピーカーの間の配線は、スピーカを接続するだけのイメージとなりますので2芯だけです
この2芯で交互通話ではありますが会話ができます

使用感

騒音の無い場所で実際に使用してみると、交互通話ながらノイズもなく、子機側でも明瞭に聞こえ大きな声を出さずとも通話をすることができました
集音マイクとして機能しますので現場の会話・状況を聴取することもできます

当時のカタログより

左は松下通信工業のパワーインターホンのカタログ(VK-411A VK-412A VK-413A VK-432A VK-433A)
右はアイホンのハイパワーホンのカタログ (AP-1M AP-5M AP-10M AS-3N AS-31B AS-5B AS-10B NP-B)

現在は?

パナソニックアイホン(AP-1Mなど)も親機とスピーカを2本の配線で接続するだけの簡単な構成の商品は無くなってしまっています。

なんず 工事現場用インターホン(廃番)
なんず 作業連絡装置
 と検索すると似たような製品が出てきます
子機との間の配線数が2芯の物と、2Pr(4本の線が2本ずつより合わせてあるもの)で同時通話ができるものなどがあるようですので状況に応じてシステムを選択できそうです

また、マルツ インターホンの製作 と検索すると、スピーカをマイクがわりにしようするインターホンの自作記事が出てきます