さすけ のインターホン ブログ

趣味のインターホンに関することを中心に書き綴って行きます

ホームテレホン 松下電工 松下通信工業 108 208 の備忘録 WQT615MS VJ-615M WQT411L VJ-411L WQT612L VJ-612L WQN5431WK VJ-415

2022年12月25日 資料室 資料追加

注意:申し訳ありませんが備忘録的に書いております、もし問い合わせいただいてもお答えできません
また、システムの修理等には各種資格が必要ですのでご理解ください

はじめに

ホームテレホンシステム 108 208は、1990年台前後に一般家庭向けに販売されていた電話システムのようです。
私自身は施工に携わったこともない未知ものとなりますが、調べざるを得ない状況となりましたので内容を書き記します

電話単体というよりは、インターホンとの連携をしたシステムが多かったのではないでしょうか。
一般住宅とはいえ比較的大きな家に導入されていたのではないかと思います

ホームテレホンシステムにもいろいろなバリエーションおよび製造元メーカー(松下電工に対して日通工OEM、松下通信工業OEMなど)があったものと思われます
今回はその中の一部の商品について調べた内容を書きます

注意!

注意❕:私の勘違いなど誤った情報が書かれている可能性がありますのであらかじめご了承ください

108 208 とは

108とはNTTのアナログ電話回線を1回線接続することができて、最大8台のシステム用電話機ユニットを接続することができるシステムです
208とはNTTのアナログ電話回線を2回線接続することができて、最大8台のシステム用電話機ユニットを接続することができるシステムです

ホームテレホンシステムの後継機はあるの?

検索で「パナソニック 既存のホームテレホン(108K、208K、216等)を取り替えたい。代替商品ありますか?」
で出て来ますが後継品代替品は無いようです
電話システムと、インターホンシステムを分離独立させてシステムを再構築する必要があります

ターミナルボックス

電話回線と、電話機ユニットの間に入って制御する家庭用の電話交換機(PBX)となります
これが壊れると、電話がかけれなくなります

私の知る限り現在家庭用の電話交換機を作っているメーカーはありません

修理に伺うこととなりました

電話がかけれない、受けれない

雷を伴う大雨の後、電話がかけれない、受けれないという問い合わせをいただき伺った時の内容です

松下電工 208システムとご対面

私は初めてうかがうお家です。ご対面したのは松下電工のHAシステムの中の電話機208でした
白黒カメラ付きドアホン2台も連携しています

症状

携帯電話から家に電話を掛けると1コールすると切れてしまします
家から外線にかけるとプーという発信音がしてダイヤルはできますが、ダイヤルし終わったとたんに切れてしまします
ドアホンは正常に受けることができます

機器構成

電話交換機は一度交換しているようで、松下電工のWQT615MSがあります

WQT615MS
208M1型ボタン電話装置 WQT615MS (ターミナルボックス)

申請者 パナソニックコミュニケーションズ株式会社
販売元 松下電工株式会社
定格電圧 :AC100V
定格周波数 :50/60Hz
最大定格消費電力:18W
製造年月:031127-2

外形寸法
縦205㎜ 横120㎜ 厚み47㎜ です

1996年4月21日~2003年3月1日

パナソニックコミュニケーションズ株式会社は
2003年に松下通信工業からコードレス電話機(VE品番)・インターホン(VL品番)などを移管された九州松下電器の存続法人
現在はパナソニック システムソリューションズ ジャパン
参考:ウィキペディア パナソニックコミュニケーションズ

電話機 WQT612L
WQT612L

WQT612L ボタン電話機
認定番号 R89-0008-0
     F89-N027
製造年月 910401
申請者 松下通信工業株式会社
販売元 松下電工株式会社

WQT613W 壁埋込型 ボタン電話機

WQT613W ボタン電話機
認定番号 R89-0008-0
     F89-N027-0
申請者 松下通信工業株式会社
販売元 松下電工株式会社

1995年3月21日~2003年3月1日

モニターテレビユニット WQN5431WK

NAIS モニターテレビユニット(2.3用)
WQN5431WK
定格電圧 AC100V
定格周波数 50/60Hz
定格消費電力 動作時 34W
製造年月 041026-1
松下電工株式会社
MADE IN JAPAN

1996年5月21日~2004年12月1日

こちらも途中で交換されているようです。

機器系統

機器構成はわかり、内線電話機にはマルチで6局6芯モジュラーで接続されているのは容易に想像できましたが
インターホンの接続がいまいちわからないので、パナソニックのホームページでWQT615MSを調べましたら施工説明書が出て来ました。

WQT615MS システム構成図
内線電話機の6極6芯モジュラーには

L1L2に回線1の電話回線が接続されているようです(青色・白色の配線)
待機時にはDC48V、通話中は6~12Vのようです

L3L4には内線電話機の電源・制御・内線の通話音声などが接続されていると推測されます(茶色・黒色の配線)
DC15Vとのことですが、実測値は17Vありました。

L5L6には回線2の電話回線が接続されているようです(黄色・緑色の配線)
待機時にはDC48V、通話中は6~12Vのようです
※108システムの場合にL5L6の接続は無いです

注意:配線色は3対電話線の場合ですが、メーカー及び線種によっては違う場合もあります。

ターミナルボックス(家庭用交換機)を探し出す

今回はお客様がターミナルボックスの位置をご存じでしたので良かったですが、知らない場合探し出す必要があります
弱電盤、収納庫、押入れの中、天井裏などどこにあるのか想像しながら探します
どうしても見当たらない場合、停電時にターミナルボックス内蔵のリンガーが鳴るようですので、ターミナルボックスが接続されているであろうブレーカーを落として外部から呼び出すとターミナルボックスが鳴るようです。

今回コンセントを抜いて試してみましたが、コール音1回で切断されてしまう症状なので、一瞬なりましたが探し出すのは出来なかったでしょう。

注意!:ブレーカーを落とすと故障して2度と起動しない機器が出て来たり、時計がリセットされたり設定が消えたりと、その他予期せぬことが起きる場合がありますので注意が必要ですし、お勧めしません。

電話機の着信音が止まらない、内線呼出ができない場合

今回はそのような症状は出ていないのですが参考までに。
最大8台の電話機にそれぞれ違う内線番号を割り振る必要があります
WQT615MSの説明書きには各内線電話機のロータリーディップスイッチで重複しないように1~8に合わせるとあります。
今回設置されていた電話機は4桁のディップスイッチの組み合わせで設定するようになっています
上記の症状の場合にダメ元でスイッチの接触不良が原因で内線番号が狂っている場合を想定して、モジュラーを抜いてからスイッチをそれぞれ合わせなおす事を試してみるのも良いかもしれません。

受話器のカールコードについて

4極4芯のカールコードの断線や接触不良などによって通話送話がうまくできない・ノイズが乗る場合があります。
市販品がありますが交換する場合に、クロスコード・ストレートコードがあります
間違うと通話ができない・聞こえるが送話が小さいなどの症状が起こるようです

「4極4芯カールコード ストレート クロス」で調べると見分け方が出て来ますので、お使いの電話機のカールコードを外して確認願います。

カメラ付きインターホンの配線は

施工説明書の「カメラ付ドアホン子器・モニターテレビユニットとの接続方法」
を見ると
カメラ付きドアホンの4本の線はモニターテレビユニットに接続されて、音声のみターミナルボックスへ接続されています

この音声出力端子は通話のみのドアホンと似たような物と推測されます
(ただしターミナルボックスの設定で、カメラ付きドアホンとの接続なのか、元々通話のみのドアホンの接続か切り替える設定がありますので全く同じとは言えないようです。ターミナルボックス機種によって違うようです)
確認はしていませんが、通話式の親機(廃番)や家庭用FAX電話器用ドアホンアダプターVE-DA10(廃番)と接続できると色々対応の幅が広がるのですがどうなんでしょうか(動作未確認)

ターミナルボックスに接続されたドアホン通話

ターミナルボックスに接続されたドアホン通話はL3L4の配線のみ(ターミナルボックスのH・L)だけで内線電話機と通話できました。

修理の顛末

電話システム

外線の通話は外線が1回線しかなく2回線目が未使用でしたので、振り替えてみましたが同様に使用できませんでした
ターミナルボックスの使用はあきらめて電話システムは独立することとなり、外線を切り離しました。
ターミナルボックスとリビングは離れていたのですが、ドアホンモニターまでの余り配線を利用して、リビングにモジュラーコンセントを付けて、外線を延ばしました。
ここにパナソニックのコードレス電話機を取り付けました。
最近は携帯電話に電話がかかってくることが多く、固定電話の使用頻度は少ないようです。

コードレス電話機も手に入りにくい

PANASONIC 「電話機」供給に関するお知らせ 」
で検索すると出て来ますが、半導体供給逼迫により一部機種が生産終了となり手に入らなくなっています
2021年5月17日付
選択肢は少なく、流通しているものの中から選ばざる得ない状況のようです

カメラ付きドアホン

ターミナルボックスは電話としては動作しませんでしたが、ターミナルボックス経由でドアホンは動作しました。
今まで通りモニターを見ながらの通話と各電話器でのドアホン通話は出来ましたのでそのまま継続利用としました。
ただし、いつ壊れるかはわからない状況です

仮にドアホンシステムのリニューアルとなると、ほかの設備もありますし、玄関のカメラ付きドアホンが壁に埋め込まれていたり、組み込まれているので取替となると悩ましいところです。

実際の修理には時間がかかっています

書き出すとなんでもないようですが、修理にお伺いして、現在の設置機器を探し出して機器構成を確認して該当機器の資料を探し出しシステムを理解しどのように落としどころを付けるか模索し、部材を手配して設置し動作確認しております
今までの経験上ここまで古い機種はメーカーサポート窓口では対応してもらえませんので、自力で何とかするしかない状況です
実際には日数も時間も費やしていることをお伝えしておきます

製造終了後約20年経過しています

一時代のの栄華を築いたホームテレホンシステムは製造終了から約20年経過しています
使用開始から言えばもっと経っているものがほとんどではないでしょうか
メーカーサポートも受けられない今、出来るだけ大事に使い続けたい気持ちはありますが、大変心残りで残念ですが基本的には新しいシステムへの取り替えを検討せざるを得ないと思われます
(ホームバスシステム?Nマスト?
納戸の中に制御装置がずらりと並び、リビングにアラーム、電話、インターホン、電気錠、フル2線な照明スイッチが省配線で融合してたりすると、どうして良いのかさっぱりわかりませんが、、、)

資料室

さすがはパナソニック様、古い機器の資料も全ては無いですがホームページに載っています
この資料が糸口となってシステムの理解ができるようになることもあります
非常に助かっていますが、資料が無ければ闇の中を手探り状態です

ターミナルボックス WQT615MSでしたが、おそらくもともとはWQT615が設置されていたと思われます
WQT615は電話回線が2回線対応のものです
電話回線1回線対応のものはWQT415で、後継はWQT615MSに統一されたのではないかと推測されます

ターミナルボックス 松下通信工業 VJ-615M は松下電工 WQT615MS と似ている?

松下通信工業のVJ-615Mと松下電工WQT615MSの違いで気づいた点

松下通信工業のVJ-615Mは電気錠制御器HX-715の増設スイッチ接続端子と接続でき、電気錠表示のついた内線電話機松下通信工業のVJ-411M・VJ-611Mなどが接続できるようです

末尾にMだけのものは電気錠対応で、MSは電気錠非対応ではないかと推測します

WQT-615MSとVJ-615Mの蓋側に基盤にSW411というスライドスイッチがあり、内線の接続台数によってスライドスイッチを切り替えてドアホンとの通話時のハウリングを抑えるようになっていますが
VJ-615Mだけその下にSW211があり4連のディプスイッチがあります
1~3はドアホンとの接続1~3にて、カメラ付きドアホンと連動する場合はONにする
4番目は電気錠制御器HX-715と接続する場合はONにするようです

ぱっと見た目は同じですが、ほかにも機能の違いはあるのではないかと思います

松下通信工業VJ-615Mの資料

VJ-615Mの資料を探しても出て来ませんでした。
WQT615MSの資料は出て来ますので機能は違いますが、何も無いよりは何かの手掛かりになるのではないでしょうか

松下通信工業 VJ-411L と松下電工 WQT411L

ホームテレホン108型電話機 松下通信工業の VJ-411Lです

VJ-411L
VJ-411L

見た目はWQT411Lとほぼ同じです
受話器の下に機能設定用のディップスイッチが隠れています
側面にはモニター音量・着信音量・受話音量のスライドスイッチがあります

松下通信工業 VJ-612L と松下電工 WQT612L

ホームテレホン208型電話機となり、時計などの表示付きです

見た目は VJ-612L と WQT612L ほぼ同じです


【2022/12/25 追記】

ホームテレホン 108 説明書

ホームテレホン 108 取付工事説明書 VJ-415 VJ-411L
ホームテレホン 108 工事説明書 VJ-415 VJ-411L

 PANASONIC ホームテレホン 108 の取付工事説明書です
ターミナルボックス VJ-415を中心に、電話機 VJ-411L、電気錠アダプタ VJ-802 との接続の様子がわかります。
 一番右の写真は説明書にカタログを載せて取ってみましたが、A2版と非常に大きく見やすいものとなっています。

ナショナル埋込型ホームテレホン 108 取付工事説明書 VJ-413 VL-825TV VJ-4452 VL-578
ナショナル埋込型ホームテレホン 説明書

  
 埋込型ホームテレホン 埋込型電話機 VJ-413、モニタテレビユニット VL-825TV、CCD接続アダプタ VJ-4452A、CCDカメラドアホン子機 VL-578、と ターミナルボックス VJ-415を接続する内容となります。

 各端子の状態による電圧変化も明記されている部分があり、動作確認時の際に助かりそうです。

セキュリティユニット VL-805K、ホームテレホン106 VJ-484M/P
セキュリティユニット VL-805K、ホームテレホン106J VJ-484M

 GP3型受信機 セキュリティユニット VL-805K、ターミナルボックス VJ-475、電話機 VJ(VB)-484M/P などとの接続の説明書となります。

 マンションなどでP型1級受信機と併用して設置する場合の火災感知器の接続が、受信機2台を併用するような接続で目新しいです。コモンが+の受信機との接続は難しそうですね。

最後に

昔はそれぞれのシステムが連携して、かゆいところに手が届くきめ細やかな対応のできる手の込んだ機器があったようです
現代においては携帯電話の普及によって、固定電話機の必要性が薄れ単機能でシンプルなものに置き換わってしまい、縦割り社会のように昔は出来ていたのに今はできないというある意味時代に逆行したものとなってしまっています
代わりにネットワーク経由であれこれ接続できるiotの時代となりつつあります
古い物好きの私にとって残念ではありますが、新しいものにも対応していかなければいけないのかなと思ったり抗ったり、、、