さすけ のインターホン ブログ

趣味のインターホンに関することを中心に書き綴って行きます

トステム(リクシル)の家庭用玄関引き戸の電気錠を見てみる。QDK-735B

はじめに

トステムリクシル)のPGシリーズに取り付けられている家庭用電気錠の動作について確認したことを、私自身の備忘録として書き記します。

おねがい

 正確な情報を心がけていますが、間違った内容が含まれている可能性がありますので、予めご了承ください。
 個人的興味の元、ブログを書いております。参考にされる際には自己責任にてお願いいたします。
 このブログを参考にしたら機器が壊れたや、接続方法がわからない・動かないけどどうしたらよいなどの苦情や質問などをいただきましても対応できませんのでご了承ください

トステム家庭用引き戸PGシリーズとは

カタログによるとPGシリーズの使用対象は
・1階土間納まり(この他に使用する場合は防水処理を行ってください)
・木造戸建住宅(集合住宅のエントランスや店舗用としてはご使用いただけません)
となっています。

あくまで一般家庭用の扉です。施設などに設置して、火災報知器連動で避難口としての使用は問題がありそうです。

PGシリーズのエントリーシステム

PGシステムのエントリーシステムは4パターンあり
・手動キー
・CAZASU(カザス)システム(外出時はサムターンで解錠し、外から施錠操作必要)
・簡易タッチキーシステム
・タッチ/ノータッチ切り替えシステム
があります。
このうち手動キー以外は電気錠となっています。
CAZASUシステムと簡易タッチキーシステムの電気錠は、
扉内にある電池で作動(単3電池8本使用。交換が必要)します。
タッチ/ノータッチ切替システムは、外部のAC100Vで動き、システムの拡張も行えます。

タッチ/ノータッチ切替システム

 タッチ/ノータッチ切替システムの電気錠動作を見ていきます。

扉単体での電気錠自身は、いわゆるEモードで作動します。

扉単体での電気錠の動き

 電気的に解錠した場合は受信部分のLEDが赤に光り、「ピピ」と音が鳴り状態を知らせます。
扉を開け閉めすると扉を閉めた時点で施錠されます。LEDが緑に点灯し「ピ」と音が鳴り状態を知らせます。
 電気的に解錠しても扉を開けなかった時は誤操作防止機能が働き、約30秒後に自動的に施錠されます。
 シリンダーやサムターンで手動解錠した時は扉を開け閉めしても、解錠して30秒以上経過しても施錠されることはありません。(連続解錠状態)
 このれらの動作は、扉内に設置されている電気錠制御部が行う動作と思われます。あとで出てくる外部制御を行っても、電気的な施錠についてはこの動作が優先されるようです。

電気錠動作モードとは

 Aモード(自動施錠モード)
 解錠操作をすると設定時間解錠されます。
 解錠中に扉を開け閉めすると、扉を閉めた時点で施錠されます。
 手動で解錠した時でも、扉を閉めた時点で施錠されます。

 Eモード(手動/自動施錠モード)
 押釦操作など電気的に解錠した場合はAモードと同じ動作です。
 手動でキーやサムターンで解錠した場合は、扉を閉めても施錠しません。
 施錠時は鍵またはサムターン操作もしくは、電気錠コントローラ等の解錠釦を操作します。
 鍵を持たずにゴミ捨てに行き帰ってくる時などが想定されます。
 
 注意:後述する拡張機能で電気錠コントローラを別途接続した場合に、電気錠コントローラがAモードに設定されていると、鍵やサムターンで手動解錠しているにもかかわらず自動施錠されてしましますので注意が必要です。
電気錠コントローラはEモードに設定します。

拡張機能

遠隔操作機器と接続して、システムの拡張が行えます。
インターフェイスユニットを主軸として、インターホンセットからの解錠や、アイホンの電気錠コントローラなどのオプション品が接続できます。

拡張機能時の電気錠動作の考え方として、扉に内蔵の電気錠制御部をインターフェイスユニットを介して外部から操作するものとなります。
ただ、インターフェイスユニットからの操作は補助的なもので電気的に解錠した場合、拡張接続した電気錠コントローラが施錠を指示しなくても、扉内部の電気錠制御部が施錠しないといけない状態と判断すると勝手に施錠してくれます。

LIXIL インターフェイスユニット(QDK-735B) ユーシンショウワ製

インターフェイスユニット

インターフェイスユニットの端子を見ていきます。
電圧・抵抗値は実際に測定したものです。
・躯体内配線接続コネクタの信号(インターフェイスユニット:IFUとする)
灰 +12V電源をIFUから扉内の電気錠制御部へ供給
緑 アース(DC12Vのマイナスではない)
青 モーター(施錠時に+12VをIFUから扉内電気錠制御部へ印加。24Vではない)
茶 モーター(解錠時に+12VをIFUから扉内電気錠制御部へ印加。24Vではない)
黄 解錠信号(解錠時に+4Vを扉内電気錠制御部からIFUへ印加)
黒 施解錠信号GND(DC12V-)
赤 施錠信号(施錠時に+4Vを扉内電気錠制御部からIFUへ印加)
白 閉扉信号(閉扉時に+4Vを扉内電気錠制御部からIFUへ印加)
橙 閉扉信号GND(DC12V-)

(モレックス9ピンコネクタメス:美和ロックと同じ配色)
開扉(表示)信号はあくまで扉の状態をインターフェイスユニットで表示するだけのものです。
この配線を切ってインターフェイスユニットでは開扉状態が続いている状態にしても関係なく、扉の電気錠制御部は自動施錠を行いました。
※この躯体内配線接続コネクタに直接外部の電気錠コントローラを接続することはできません。(電気的条件が違うので接続してはいけません)

・2線変換ユニット接続コネクタ
 外部の電気錠コントローラを接続します。
インターフェイスユニット電源切り時は、扉開・施錠・解錠信号出力はオープン状態となります)
青 モーター(施錠時に+24Vを2線変換アダプターから印加)
茶 モーター(解錠時に+24Vを2線変換アダプターから印加)
紫 アース
黄 解錠信号(解錠時に黒とメイク状態:IFU内部解錠信号専用ミニリレーから出力?0Ω)
黒 信号GND(橙と共通)
赤 施錠信号(施錠時に黒とメイク状態:IFU内部施錠信号専用ミニリレーから出力?0Ω)
白 閉扉信号(閉扉時に橙とメイク状態:IFU内部フォトモスリレーから出力?約4Ω)
橙 信号GND(黒と共通)
(モレックス9ピンコネクタメス:美和ロックとほぼ同じ配色)
インターフェイスユニットが疑似モーター錠として振る舞います。施錠・解錠のリレーが別々にあるのはモーター錠が作動するときに、デットボルトが動き出してから完了するまでにタイムラグがあり、施錠から解錠、解錠から施錠の間の空白時間をエミュレートするためと思われます。
 外部の電気錠コントローラはモーター錠設定での接続を行います。

・3Pコネクタ


赤・白に内門解錠スイッチを接続。ショートで解錠する。
ショートしっぱなしにしても、扉の開け閉めで自動施錠される。

・JEM-Aコネクタ
説明書によると
黄:C1 解錠命令入力信号(無電圧A接点入力)
黒:C2 GND
緑:M1 施錠状態信号出力(施錠時HIGH 最大12V/12mA出力、解錠時LOW 約0V)
黒:M2 GND
(配色が独特です)
インターホンと接続する端子。
アイホンのJEM-Aコード(ELW-C)だと色はC1:茶、C2:赤、M1:橙、M2:黄です。


参考文献:LIXIL インターフェイスユニット接続ガイド MAL-339E
   LIXIL インターフェイスユニット 取付説明書 A470 JZZ616311B

アイホン 電気錠コントローラEL-PJP-EAとの接続

EL-PJP-EAは家庭用電気錠システム用です。
対応電気錠はモーター錠・通電時解錠型電気錠のみです。(仕様書等を確認ください)

インターフェイスユニットとの接続時はモーター錠を制御する設定となります。
Eモードでの運用となります。Aモードにすると手動解錠の時にも自動施錠されてしまいます。

初期設定方法

初期設定は機器接続後に電源投入しディップスイッチ8を1秒間ONにしてOFFしてください。
開扉・解錠表示が消えてから、解錠釦を押します。
最初の電気制御で錠種の自動判別を行っているものと思われます。

基本動作

Eモードで動作しますので、盤面および解錠釦などの操作で電気錠を解錠することができます。
扉を開閉すると自動的に施錠されます。扉を開けなくても設定時間(30秒固定)後に自動的に施錠されます。
扉を開けて30秒以上経過した時、扉を閉めることを促す開扉警報が鳴動します。扉を閉めるまで鳴動を続けます。

鍵やサムターンで解錠した場合は連続解錠状態となり、施錠されません。

イレギュラーな状況

電気錠コントローラの電源が入っている状態で、インターフェイスユニットの電源が落ちると電気錠は施解錠の状態を保持したまま電気制御はできません。
例えば、電気錠コントローラで解錠した後に時間差でインターフェイスユニットの電源が落ちてしまった場合、電気的に施錠することができなくなってしまします。
また、開扉信号や施解錠信号もオープンとなるため、扉は閉まっていても開扉警報が30秒後鳴りだします。

EM+/EM-の非常解錠入力は通常使用ができません。

他社の業務用電気錠コントローラを接続して見る

アイホン以外の電気錠コントローラを試験的に接続して見ます。
インターフェイスユニットの2線変換アダプタ接続コードに接続します。

電気錠コントローラをモーター錠設定、
Eモードに設定する必要があります。

注意:美和ロックのAD311は開扉信号が橙で開扉信号のコモンが白と2線変換ユニット接続コネクタの信号と合っていないため、直接接続はできません。入れ替えて接続する必要があります。

一回解錠

1回解錠動作は問題ないように感じます。

連続解錠

連続解錠動作は問題があります。

操作して解錠しても、扉が開け閉めしたタイミングで扉内の電気錠制御部が施錠を行います。
それを検知した電気錠コントローラが施錠した時点で解錠を行います。

解錠操作して扉を開けないでいると、30秒経過した時点で扉内の電気錠制御部が施錠を行います。
それを検知した電気錠コントローラが施錠した時点で解錠を行います。というイタチごっこを繰り返します。

この扉の解錠・施錠動作と共にピ・ピピ音と、鍵のガチャガチャ音がします。

よって、扉の連続解錠やタイマー機能は実質使用できません。

電気錠コントローラによって施解錠信号を監視しているものでは、
インターフェイスユニットの電源のみ落ちた場合には施解錠信号がどちらもオープンと
なるので、施錠もしくは解錠エラーが発生します

さいごに

トステムのPGシリーズを見て来ました。
もともとは、この電気錠で連続解錠がしたいという話で確認したものでした。
結果、私では電気的に連続解錠することはできませんでした。

トステムLIXIL)のPGシリーズはあくまで家庭用の扉ですので一般家庭への設置のみとしてください。

10年ほど前にYKKの扉とインターフェースユニットWD7082 ?(アルファ製)と2線変換アダプターYS KAG-B1とパナソニックのWQN4503Wの組み合わせの商品でも、誤操作防止機能で解錠してから25秒後に自動的に施錠すると言うものがあったことを思い出しました。

さいごまで読んでいただきありがとうございます。

2024/08/25/073500