- はじめに
- おねがい
- Nシリーズ Dシリーズ統合盤の信号
- Nシリーズの統合盤で障害が復旧しない
- マンションHA Dシリーズ用の統合盤でトラブル信号が復旧しない。(説明書はよく理解しましょう)
- Nシリーズの一般集合住宅向けシステム
- さいごに
はじめに
ナショナルの統合盤はわからないことだらけ、そんな私が遭遇した出来事の一部を備忘録として書いてみます。
わかっている人からすれば、あたりまえのことでしょうけれども・・・。
おねがい
正確な情報を心がけていますが、間違った内容が含まれている可能性がありますので、予めご了承ください。
個人的興味の元、ブログを書いております。参考にされる際には自己責任にてお願いいたします。
このブログを参考にしたら機器が壊れたや、接続方法がわからない・動かないけどどうしたらよいなどの苦情や質問などをいただきましても対応できま せんのでご了承ください
特に古い機器は壊れるリスクがありますし、いざ壊わしたら修理は出来ない場合も想定されます。
責任は負いかねますのでご了承ください。
Nシリーズ Dシリーズ統合盤の信号
Nシリーズは1987年に発売されたマンションインターホンシステムです。
1998年にNシリーズ用マンションHA統合盤が発売されました。
NシリーズとはSHNTだと頭から3番目の文字のNを取って呼んでいます。これに接続できる住宅情報盤の中にはNが入っていないものもありよくわからない場合もあります。SHWB・SHWTなど。
統合盤はインターホン機能と自動火災報知設備の機能が融合した画期的な物であり、私にとっては理解困難な厄介な物であります。
工事面だけで見れば住宅情報盤から住棟受信機への煩わしいフロアの横配線(JL,JC,B,BC)が不要なので楽かもしれません。
Nシリーズの基本ベースは通話のみであり、集合玄関機に映像がある場合は別途映像制御盤を追加して機器を構成するイメージです。
マンションHA映像システム用 1分岐器 SHN8230を見てみますと、SG SG:信号、S GND:通話、TP1 TP2:映像と書いてあります。
統合盤に接続する場合に使用する配線は、耐熱電線のHP0.9-3Pが必要です。
SGは入力・出力・分岐はすべてパラレルになっています。S・GNDは入力・出力はパラレルになっており、分岐はノイズ対策用のインダクタを経由しています。TP1・TP2は入力・出力がパラレルになっており、分岐には映像分岐回路が入っています。
単純に記号の意味を考えると、SGはSiGnalの略で、SはSpeak、TPはTestPointではなく、Terevision Powerではないかと想像しています。あくまで想像ですよ。
SGは、ナショナルのR型火災受信機の伝送ラインに使用されている多重伝送信号N-MAST(エヌマスト)に似たようなものが使われているのかな?と思っています。
火報信号・住居呼出信号・警報信号などなどの各種信号が全て使われているのかな?
Sは、音声信号専用なのかな?
TPにはテレビモニターが受話器と別体の時のモニター電源DC28~32Vにロビーの映像信号が重畳されているのかな?と思われます。
映像ペア線式モニターテレビと呼ばれていました。
その更に昔は映像信号は同軸ケーブルで別に送られており、RF変調波の45.75MHz(参考:アナログTVの1chの映像が91.25MHzだった)TP1,TP2は映像制御盤より供給される純粋なモニター電源(DC32V)だったと思われます。
また単にP1・P2はAC100V電源の入力端子名です。
これから進化したDシリーズ用マンション統合盤は2013年に発売されました。
信号はSG・SGとDJ1・DJ2に簡略化されています。
SG・SGは火災報知設備の信号に特化したものになっており、配線同士を直接接続するには耐熱処理が必要。
DJ1・DJ2はインターホン専用(2通話・2映像+データ通信)で映像信号があるのが当たり前だの前提設計となっており、呼び出し・通話・映像がデジタル処理で、ひとまとめになっています。
使用する配線は、耐熱電線のHP0.9-2Pが必要です。
SG信号・DJ信号を測定してみた
火災信号の(多重伝送信号)SGを測定してみました。
数字は大きく変化しますが、このくらいの数値です。
直流レンジだと17V前後、交流レンジだと11V前後でした。
DJ信号は通常状態では無電圧でした。
施工時にインターホンを接続して登録したけど動作がおかしい場合、電圧を測定してみることでSGとDJの片線が入れ違って接続されているのは判断が付きます。
Nシリーズの統合盤で障害が復旧しない
困った障害が起こったことがありました。
R型受信機 SHNT413KNでトラブルが発生してますという
I住戸電源断とIスピーカ断短というものです。
警報「復旧」釦を押したところ、住戸電源断は復旧したもののスピーカ断短は復旧しない。そもそもスピーカなんてつながってないし。警報の意味が解らない。
機器登録押してみた!変化なし。
怖いけど電源入れ直してみた!変化なし。
いろんなところに聞いてみた!そんな事起こったことない。古いし壊れた。返答無。
一晩寝ながら考えたところ、住居を削除すれば良いのではと思ったものの、削除方法は書いて無い(見つけれなかっただけかも)。
ふとひらめいた。その住居が接続されているSG SGを抜いて機器登録をすればどうなる?
住戸の登録が消えるとともに警報も消えたようだ!
再度SG SGを接続して機器登録をすると、トラブルが出ることも無く元通り復活!
予期せぬ障害が起こると対処に苦慮します。
やれやれでした。
マンションHA Dシリーズ用の統合盤でトラブル信号が復旧しない。(説明書はよく理解しましょう)
これまた困った障害が起こったことがありました。
VGDT4121Kのトラブルの接点出力信号(設定番号401・選択番号15トラブル代表(全トラブル1)に設定)が出ているにもかかわらず、画面には何も表示が出ていないというものです。
結果、説明書のP.269にある住居通信異常設定が「拒否」のままだったという事です。
これを許可にすると、原因となっている住戸の部屋番号が出て来て、住宅情報盤の電源が10分以上断になっている為に信号が発生した事が判明しました。(住戸の電源が切れてもすぐに警報が発生するわけでは無いです)
設定マニュアルの
P.99に ※2:施工設定の受信種別の設定で「住居通信異常」を「拒否」に設定しても出力します。
P.269に注意書きで
・「拒否」に設定すると、住宅情報盤などで警報やトラブルが発生しても、統合盤や管理事務室親機には警報表示などを行いません。
・出荷時には住居通信異常は「拒否」に設定され、それ以外は「許可」に設定されています。
とそのまんまの事が書いてあります。
住戸通信異常には、火報伝送異常は含まれません。とのことです。
SGの配線が断線すると即座に警報は発生します。
Nシリーズの一般集合住宅向けシステム
セキュリティインターホンSHR61005WKNとカラーモニターテレビユニットのSHN3725Wの組み合わせのSHR61007WNです。
2004年ごろの商品です。
映像制御盤から出力されたSG/SGとS/GNDは住戸のインターホンへ、
TP1/TP2は住戸のモニターへ接続されます。
インターホンとモニターは2心の専用コードで接続されます。
映像制御盤側で各電圧を測ってみました。
SG/SG(信号)を直流レンジで測定してみる。値は結構変動します
S/GND(通話)を測定してみる
TP1/TP2(映像)を測定してみる
•モニターの映像の仕組みを見てみる。
モニターへの入力信号電圧を見てみる
電圧は映像制御盤からの出力と同じでモニターの常時電源は供給されています。
モニター側のテレビ起動入力の電圧を測定してみる
専用コードを切って配線に印加されている回路電圧を測定してみました。
モニター側のテレビ起動入力をショートしてみる
起動入力をショートすると集合玄関機からの映像が来ていないため懐かしい砂嵐の映像が出て来ます。
写真はありませんが、この状態で集合玄関機から住戸を呼び出すと集合玄関機が起動しカメラが映像を出力するのでTP1/TP2のペア線にモニターの電源+映像信号が重畳されて集合玄関機のカメラ映像が見えます。
さいごに
なかなか統合盤や一体盤を触ることは少なく、教えてもらえる人もいませんが、機会があれば勉強したいと思っています。
以上、わかっている人にとっては当たり前のことでした。
さいごまで読んでいただきありがとうございます。
2024/10/20/141210