さすけ のインターホン ブログ

趣味のインターホンに関することを中心に書き綴って行きます

カーラジオをワイドFM(FM補完放送)対応に交換してみた ~三菱ミニキャブにスズキ純正ラジオ~

注意

この記事を参考にされる際は、恐れ入りますが自己責任にて作業のほどお願いいたします

はじめに

 テレビの地デジ移行が2011年7月に行われたあと、かつてアナログテレビ放送の1~3CHで使用されていた周波数帯の一部を利用して、AMラジオ放送のFM補完放送が行われるようになりました。
アナログテレビ放送の音声、1chは95.75MHz、2chは101.75MHz、3chは107.75MHzで行われていました

2014年に始まったワイドFMと呼ばれるFM補完放送の周波数は90~95MHzです

ポケットラジオなどの一部はテレビの1~3chの音声が聞くことができるものがあったと思いますが、そのラジオの多くでは周波数を合わせればワイドFMを聞くことができます

2028年にはAM放送のFM補完中継局が親局となり替わり、中波帯(MW)531~1602KHzの放送を取りやめる民間放送局も出てくるという動きもあります。
(本題とは関係ありませんが、かつてAMステレオ放送というFM放送のようにAMで音楽がステレオで楽しめるものがありました)
ハイウエイラジオ(1620KHz)は道路情報を流してくれていますが、こちらもFM補完放送の対応を検討しているようです

最近のカーラジオはワイドFM対応が当たり前とは思いますが、私の普段使用している車のカーラジオは76MHz~90MHzしか受信できません
そこで中古品のカーラジオを購入して載せ替えたいと思います

ワイドFM対応カーラジオを買ってみた(1台目)

私が使用している三菱自動車製造のミニキャブには車体にスピーカがついていません(最近のミニキャブはスズキのOEMのようです)
最初はAM専用カーラジオにスピーカが一体となっているものがついていました
現在はFM対応のスズキ用のカーラジオに取り換えています。

ネットオークションでワイドFM対応のカーラジオで大きさの合うものを探すと、スズキのカーラジオくらいしか選択肢がなさそうです。
現在のダイハツ車に対応したものは物理的に表面パネルの幅が広くて適合しないと思われます。
(昔と今のダイハツ車のオーディオサイズも違いそうですので選択には注意が必要です)

購入したスズキ純正ラジオ 39101-82M21(ASTI製)

スズキ 39101-82M21

1DINサイズのスピーカ内蔵カーラジオです。

ラベルには
39101-82M21
ASTI CORPORATION
39101-82M
MADE IN JAPAN
AM 522~1629KHz
FM 76~95MHz
10R-05 8705
LOT NO 9729
とあります

接続するのに車の配線接続コネクタ(カップラ)が三菱車用とスズキ車用では結合できないので、本来は変換コードなどを利用するのでしょうけれども
バッテリーからの電源(バックアップ電源:+12V)とアクセサリ電源(ACC:+12V)のたった2本つなぐだけですのでラジオに配線を接続してみます。
マイナスは車体に取り付けるとボディアースが効いているのと、カーラジオ自体も金属部分が内部でマイナスと接続されているので、私はマイナスは配線を接続しません。

39101-82M 外部接続コネクタ

外部コネクタの上にスズキ向けの「S」の文字が刻印されています
なぜ「S」の文字が上下反転なのかはよくわかりませんが、昔の三洋電機製のカーラジオは基盤が天板側にあり天地が今と逆ですのでそのころの名残なのかな?
接続コネクタはスズキ車対応の20Pコネクタですが、実際にピンがあるのは5本だけです。
アンテナコネクタは昔ながらのJASOジャックが実装されています

受信周波数の範囲

購入したスズキ純正スピーカー内蔵ラジオ 39101-82Mの受信周波数は
AM 522〜1629KHz
FM 76〜95MHz
です

カーラジオを分解してみよう

スズキ純正 ASTI 39101-82M 21を分解してみる

ラジオを分解してみます
比較的大きなスピーカと、一枚物の基盤が出て来ました。
パネルのスイッチは、てこの原理で基板上のスイッチを押すように工夫されています

39101-82M21 基盤

基盤の裏面はすっきりとしており何も部品がありません。
マイクロコンピュータは 富士通の MB96F673AB が採用されています

配線を接続してみよう

39101-82M21 配線接続

「スズキ 車両 ピンアサイン」 で調べるとハーネスの車両コネクタのピンアサインが出て来ます。
20Pタイプのコネクタを参考に、バックアップ電源とACC電源に対応する基盤上の端子に配線をはんだ付けします

基盤自体はスズキ車両用とダイハツ車両用と共通のようで、ちょうどはんだ付けしやすいように形状の違うダイハツの車両コネクタ装着時用の空きランドがありましたのでそこに配線を接続します。
赤を常時電源、黄色をACC電源に接続してみました

電源を入れてみる

39101-82M21 電源入れてみる

接続したら分解したままの状態ですが、電源を入れてみたくなりましたので細心の注意を払って12VのACアダプタを利用して電源を入れてみます。
赤・黄の線を+に、ボディにーを接続し、アンテナ端子にも短いですが30cmほどの配線をつないでアンテナの代わりにします

アンテナが貧弱で建物内ですので、AM電波の強い局しか入ってきませんでした。
FMも弱いですが入ってきます。ワイドFM放送も入感しました!
カーラジオなのでもう少し良く聞こえるのかなと思いましたが、それほどでもない印象でした

外部スピーカを接続してみる

39101-82M21 外部スピーカ接続

車両コネクタとの接続部分は5ピンの端子があります。うち3本は電源関係なのですが、残り2本のピンアサインには「空(あき)」となっています。ピンをたどっていくと内蔵スピーカにつながっていました。
試しに内蔵スピーカを外して端子にスピーカの配線を巻き付けてみると音が出ました
車両にスピーカがある場合には内蔵スピーカのコネクタを外し、車両のスピーカと接続して鳴らすこともできるのかもしれません(詳細不明)。詳しいことは2台目を買ってみたまで読み進めてみてください。

ふたを閉める

39101-82M21 ふたを閉める

配線を挟まないように取り廻してふたをしてねじを締めました

カーラジオをワイドFM対応のものと交換する

スズキ 39101-68H00 を取り外す

すでに、もともと取り付けてあった三菱のAM専用ラジオをFM対応のスズキ39101-68H00に取り換えていましたのでこれを外します
金具が合わず1点止めになっていまして、金具にある浅い突起に合わせてラジオ側にも穴をあけてずれ止めとしていました

元のラジオ交換の際すでに配線を加工していました。その際エレクトロタップにて追加した配線の赤がバックアップ電源で、緑がACC電源です

39101-82M21 取り付ける

三菱の車両コネクタからエレクトロタップにてバックアップ電源とACC電源を分岐しています
ラジオからの配線の接続が写真にはありませんが、バックアップ電源とACC電源の2本を接続しました

金具を取り付けなおします。39101-82Mは穴が2つとも合いました
組み込んで配線を接続し電源をいれてみますと、問題なく動作しました

問題点、時計が見えにくいのと感度が悪い?

39101-82M 時計見えにくい

39101-82Mは表示部分が表面より13mmほど引っ込んでいます
スズキ エブリイの場合ダッシュボード上部にオーディオ収納部がありますが、ミニキャブの場合ダッシュボードの下の方にオーディオ収納部があり表示が見にくい状態となります

走行してみていつもの放送を聴いていましたが、なんだか感度が悪いいつもはきれいに聞こえていたのに雑音が入る気がする、粘りが無い気がしました。

ワイドFM対応カーラジオを買ってみた(2台目)

1台目のカーラジオの感度が悪いように感じたため中古品ですし調子が悪いのかなと感じ、2台目を購入してみました。

購入したスズキ純正ラジオ 39101-82M22

1台目は末番号が21でしたので違う番号にしようと思い、22を選んでみました

スズキ 39101-82M22

外観は1台目の39101-82M21と同じです

受信周波数の範囲も同じく
AM 522~1629KHz
FM 76~95MHz
です

39101-82M22を分解してみる

39101-82M22 を分解してみる

ラジオを分解してみます

39101-82M21と基盤を見比べてみますが、大きな違いは見つかられませんでした。

39101-82M MPU AMP

MPUが富士通マークの製品からCY96F673ABとサイプレスというメーカーに変わっています。IC6。(日本市場においてサイプレス(Cypress Semiconductor)は富士通エレクトロニクスが取り扱っているそうです 2015.9)

オペアンプ(プリアンプ)はSSOPパッケージのRHOMのBA4558YFV-Mで(IC7)、スピーカアンプはROHMのBD5423MVUです(IC5)。
スピーカアンプのスペックを見ると、BTL出力対応D級スピーカアンプとあります。アンプIC自体の最大定格は4Ω負荷時17Wまで出力できるようです。接続できるスピーカは最小4Ωから16Ωまでのようです。
ラジオの内蔵スピーカの定格が4Ω3.5W MAX7Wでして、外部スピーカー端子とは並列に存在しています。仮に内部スピーカーはそのままで4Ωの外部スピーカーを接続すると、2つのスピーカーの合成抵抗値は2Ωとなってしまい過負荷になってしまいます。
外部スピーカを接続するのであれば、内蔵スピーカはコネクタを抜いておく必要がありそうです。

電源を入れてみる

39101-82M22 電源ON

1台目同様配線を接続して電源を入れてみます
配線の色は変更して、
赤を常時電源、緑色をACC電源に接続してみました

1台目と同じように受信できます
気になるのは、聞こえ方も1台目と一緒のように感じます

スズキ 39101-68H00-000 を見てみる

スズキ 39101-68H00

操作性もよく、非常にお気に入りのカーラジオです
このたび車から外してきましたものです
おそらく三洋電機製です。
同じような見た目で、AM専用などこれもまた多種のラインナップがあるようです。
この機種はAM/FMが聞こえますが、FMは76~90MHzまでしか聞こえませんので、ワイドFMには対応していません
AM1・AM2・FM1・FM2とメモリーバンクが分かれており
各4CHずつ周波数を記憶することができます。
電源の兼ボリュームつまみが右側で操作性も良いです。
表示部が表面に近いので時計も見やすいですし、バックライトも好きな緑色です。

39101-68H00 コネクタ

コネクタはスズキの20Pコネクタですが、実際にピンがあるのはバックアップ電源と、ACCと、マイナスの3本だけです

スズキ 39101-68H00-000 を分解してみる

39101-68H00 分解してみた1

上のふたをねじを緩めて外します。ただ両面テープがスピーカとくっついているのと、爪がかみ合っており外しにくくなっています。

上のふたを外すと、基盤の緑の面が出て来ます。
39101-82Mとは基盤が天地が逆になっています
スピーカとスイッチなどの位置は左右逆ですが、運転席からの操作性は39101-68Hのほうが良いような気がします。

茶色の部品面には昔ながらの抵抗、ダイオード電解コンデンサー、トランス、などが取り付けられています

39101-68H00 基盤の部品

緑の面には、チップの抵抗、トランジスタコンデンサ、MPUなどが取り付けられています

金属でシールドされたチューナー部分にはLA1776というSANYOのチューナーICが入っています

スピーカには懐かしのSANYOのロゴが入っています。4Ω3.5W MAX6Wとあります。

39101-68Hと39101-82Mを聞き比べてみる

39101-68Hと39101-82Mを聞き比べてみる

2つのチューナーを並べて受信状況を聞き比べてみます
受信感度の測定器具などはありませんので、私の主観となります。
AM放送はさほど違いは感じられませんでしたが、FM放送においてはノイズなどの受信状況から、SANYOの39101-68Hのほうが明らかに感度が良いと感じました。
39101-82Mは実用には問題ないと思いますし、個体差もしくは、なんらかの受信障害対策の為に受信感度を押さえているのかもしれません。
ただ39101-68HがワイドFMに対応していないのが悔やまれます
製品が古いのでワイドFMの対応はしていないと思いますが、ヨーロッパなどへの輸出用としてジャンパー線を切るなどで簡単に切り替えができるのなら良いのですけれども、そのような雰囲気は感じられませんでした。
クリスタルコンバータなどの接続も考えてみようかと思ってしまいます。

スズキ エブリイのAM/ワイドFMラジオを見てみる

スズキ エブリイ ラジオ

参考までにスズキ エブリイのラジオを見てみます
オーディオ収納部は目線の高さに近くなります
当たり前ですが、純正の車両コネクタで接続されています
39101-82M11と表記されています
39101-82M21とは操作部分の文字表示や、筐体のフタの形状が異なるようです。

スズキ エブリイのAM専用ラジオを見てみる

スズキ エブリイ AM専用ラジオ

参考までにスズキ エブリイのAM専用ラジオを見てみます
オーディオ収納部は目線の高さに近くなります
この機種はバックライトが緑色です

スズキ純正ラジオの操作方法

イグニッションキーをACCかONで、ボリュームを押すと電源ON/OFF
AM/FMキーを押すとAM/FM切り替わる。長押しで1620KHz交通情報、再度押すと元に戻る
上・下のボタンを押すと周波数が変わる。長押しで電波の強い局を探す

記憶はAM/FMそれぞれ6局(AM専用カーラジオは5局)
CH選局を押すとCH1~6と順番に切り替わる
☆記憶方法
(ダイレクト選局方式に比べて手間がかかります)
ひとまず記憶したいCHにCH選局を押して合わせる(現在の記憶された周波数になる)
上/下ボタンで記憶したい放送局に合わせる
ピッと言うまでCH選局を長押し

☆時刻合わせ
表示ボタンを押しながら下を押し時を合わせる
表示ボタンを押しながら上を押し分を合わせる
時報に合わせて表示ボタンを押しながらAM/FMキーを押すと00分となる

エスペリア ワイドFM対応 KRH-M73N

建機/農機具向けのオーディオメーカーエスペリア(ESPERIA)というメーカーがあるようです。
ラインナップに、ワイドFM対応の1DINサイズでスピーカ内蔵のKRH-M73Nというラジオがあります。
なんと電源電圧が12Vと24V両対応です
非常に気になるところですが、いいお値段するようですので我慢です
(新品で激安サイトもありましたが、良く見ると怪しいので注意が必要です)

さいごに

私が子供の頃はカーラジオといえばAM専用のアナログ式でパネルの上に目安となる周波数が書いてあり、選局ダイヤルを回すと回す向きによって透明なパネルの奥にある針が左右に移動しながら放送局の電波を受信するものでした。
記憶ボタンも備わっており、押し込むと針がピシッとその放送局の位置に移動して受信できるものでした。
記憶するには記憶したい放送局に針を合わせ、選局ボタンを手前に引き抜きまた押し込んだと記憶しています。5局くらい記憶できたと思います。
今考えてもアナログながらどのような仕組みなのか不思議です。


放送にまつわる環境も時代とともに移り変わっています。
受信ツールも放送電波を拾うラジオはもとより、ラジコなどのソフトを使い音声データをパソコンやスマホなどでも受信できます
ラジオの存在が改めて見直されている今、リスナーと身近な存在のラジオをどんどん聞いて、なんなら番組に参加したいものです
JORFラジオ日本の放送終了アナウンスを聴きながら書き綴っていました。
長文ご覧いただきありがとうございます
(2022年2月13日25時)

2022/02/07/001234

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