さすけ のインターホン ブログ

趣味のインターホンに関することを中心に書き綴って行きます

カーFMコンバータを買って改造してみた (その1)

カーFMコンバータ(改造前)

はじめに

先日カーラジオをワイドFM対応のものに交換してみましたが、表示が見にくいなどの不都合がありましたので、元のラジオに戻したいなと考えました。
そもそもワイドFMに対応したいがために交換したので元つけていた、スズキ 39101-68H00-000(ワイドFM非対応)にてワイドFMに対応してほしいのです
カーFMコンバータなるものの存在は知っていましたが、ラジオ自体が最初から対応したものがいいと思って購入は見送っていましたが、この度購入してみました。
思った通りに行くのか、試してみたいと思います

注意

恐れ入りますが、この記事を参考にして改造などをされる際には、ご自身の責任にてお願いいたします

 お住まいの地域の状況にもよりますが、多くの場合このFMコンバータを古いラジオでワイドFMを聴くために購入する場合、はんだごてなどの工具を使用して別途用意する水晶発振子の取替やスイッチの取付など改造をすることが前提となります
 FMコンバータの特性を理解し、お住まいの地域の放送周波数のことが分かった上での導入が必要となります。

カーFMコンバータを購入

いつものアマゾンにて、2022年2月に
uxcell カーFMコンバーター 12V 16MHz MP3 FM ラジオ オーデイオ コンバーター 送信機 1個入り


waves クリスタル 水晶発振子 セット 4M~48M 15種 各1個 計15個を購入しました。

みーくん様のブログ

アマゾンのカーFMコンバータの商品レビューの中にみーくん様が書かれたレビューがあり、非常に詳しく書かれていています。文中に書かれている通り「カーFM周波数コンバーター 改造」でネット検索をしましたら、ご本人様のブログがありまして機器の中身や特性、使用する上でのアイディアなど非常に詳しく書かれていました。
まずはこのブログよりそちらのブログをご覧いただいた方が良いかと存じます。
 みーくん様、非常にわかりやすい丁寧なブログ参考にさせていただきました。ありがとうございます。

カーFMコンバータを見てみる

カーFMコンバータが届いた

アマゾンから数日で購入したものが届きました

カーFM周波数コンバーター

梱包は非常に簡易で、チャック付きビニールに入れられて届きました
説明書も何も入っていません。
元の写真通り、電源線は黄色で、JASOのアンテナ入出力コネクタがあります。

分解してみる

カーFM周波数コンバーター 分解

ジャック側のネジを4本外すと基盤を抜き出すことができます
非常にコンパクトに部品がまとめられています

カーFM周波数コンバーター 水晶発振子

16MHz・18MHz・20MHzの水晶発振子を切り替えて使います
一般的にクリスタルコンバータや略してクリコンと呼ばれたりする、周波数を水晶発振子を利用して局部発振器を作り入力周波数との和や差を作り出し変換するものです
スイッチのどの場所がどの周波数かわからないのでテプラを張ってみました。

波形を測定してみる

カーFMコンバータ 16・18・20MHz 波形

物は試しに手持ちのオシロスコープで波形を測定してみました。
が、測定方法が間違っているのか綺麗な波形と周波数は測定できませんでした。
電源の接続に関しては後述しています。

基盤の部品配置を書き出してみる

FMコンバータ部品配置図

基盤の配置を描き出してしてみました
両面のパターンを片面に書き出しましたので見づらいです
間違っている可能性のありますのでご了承ください

無改造で試しにカーラジオに接続してみる

20MHzに合わせてみる

ワイドFMの放送が90~95MHzです。
スライドスイッチを20MHzに合わせるとダウンコンバートされて出てくるのは「受信したい周波数-20MHz」の計算となります。(実際にはアップコンバートされた「受信したい周波数+20MHz」も同時に出力されています)
なので90~95MHzは70~75MHzに変換されます。
これですと古いFMラジオの受信周波数76~90MHzでは受信できませんので、20MHzの位置ではワイドFMを受信することはできません

発振周波数の高調波に合わせてみます。
20MHz×4倍=80MHzに合わせると無音の強い信号(第4高調波)を受信します
80.0MHzの東京FMをそのまま受信するのであれば、20MHz(4倍)・16MHz(5倍)、10MHz(8倍)、8MHz(10倍)の水晶発振子は避けた方が良いことになります。

18MHzに合わせてみる

スライドスイッチを18MHzに合わせるとダウンコンバートされて出てくるのは「受信したい周波数-18MHz」の計算となります。
なので90~95MHzは72~77MHzに変換されます。
これですと古いFMラジオの受信周波数76~90MHzでは76~77MHzに合わせると94~95MHzの放送が受信できる計算になります
ただし90~94MHzの放送は受信できません

例えば栃木放送の94.1MHzの放送は76.1MHzで受信できます。ただし76.1MHz付近に在来のFM局(FM栃木76.4MHz)がある場合は干渉する恐れがあります

発振周波数の高調波に合わせてみます。
18MHz×5倍=90MHzに合わせると無音の強い信号(第5高調波)を受信します

16MHzに合わせてみる

スライドスイッチを16MHzに合わせるとダウンコンバートされて出てくるのは「受信したい周波数-16MHz」の計算となります。
なので90~95MHzは74~79MHzに変換されます。
これですと古いFMラジオの受信周波数76~90MHzでは76~79MHzに合わせると92~95MHzの放送が受信できる計算になります
ただし90~92MHzの放送は受信できません

例えばニッポン放送93.0MHzは77.0MHz受信できます。
ただし77.0MHz付近に在来の放送波があると干渉します

発振周波数の高調波に合わせてみます。
16MHz×4倍=84MHzに合わせると無音の強い信号(第4高調波)を受信します

仮に輸入車など海外向けラジオに接続すると(推測)

カーFMコンバーターをアップコンバーターとして使用します(受信したい放送波+設定周波数=ラジオの受信周波数)
アップコンバータとして使用すると言っても+と-もどちらも同時に出力されているので何か操作がいるわけではありません

海外のFMラジオ放送はアメリカだと88~108MHz(ヨーロッパは87.5~108MHz)のようです

注意:U.S.A仕様の87.9~107.9MHz(奇数周波数の200kHzステップ)のラジオだと、思い通りに受信できません。

88MHz~95MHzの間はそのまま受信できますが、76~88MHzの放送は受信することができません。

FM放送波を76~90MHzとすると。
FMコンバータを20MHzに合わせると元の周波数に+20MHzされますので、76~90MHzは96~110MHzに変換されます。108~110MHzは受信できません
18MHzに合わせると元の周波数に+18MHzされますので、76~90MHzは94~108MHzに変換されます。東京FM80.0MHzは98.0MHzに変換されます。
16MHzに合わせると元の周波数に+16MHzされますので、76~90MHzは92~106MHzに変換されます。

仮に13.5MHzの水晶に交換すれば76~90MHzは89.5~103.5MHzに変換され、100KHz台が偶数の周波数も奇数に変換されるはずです。
ただし、奇数の周波数は偶数に変換されますので、水晶を変えるスライドスイッチを活用して放送局によってコンバートする周波数を切り替えるなんて手間を惜しまなければUSA仕様のデジタルチューナー式ラジオでも使えるかもしれません。


アップコンバータとして使用するときの高調波は

FMコンバータを20MHzに合わせると、100MHzで高調波を受信します。80.0MHz(東京FM)の放送波は受信できません。(80+20=100)
18MHzに合わせると、90MHz・108MHzで高調波を受信します。
16MHzに合わせると、96MHzで高調波を受信します。80.0MHz(東京FM)の放送波は受信できません。(80+16=96)

無改造まとめ

話を戻して国内向けの車に無改造で接続すると、すべてのワイドFMの周波数に対応することができません。16MHzもしくは18MHzに切り替えて目的の放送局が対応周波数内でかつ、周波数変換先に干渉する在来のFM局が無ければ使えそうです。

FMコンバータを改造してみる

水晶発振子を8、10、12MHzに取り換える

FMコンバータ 水晶発振子取替

アマゾンでFMコンバータと合わせて購入した15個入りの水晶発振子です。
14MHzが欲しかったところですが15個の中に含まれて居ないので、8MHz・10MHz・12MHzを取り出します。
 FMコンバータの水晶をはんだごてを使用して取り換えます。
両面基盤なのと、部品が基盤に密着しているので外しにくいです。
 取り換えるとどの水晶でもワイドFMが76~90MHzの間の一部周波数帯で聞けることになります

黄色い電源コードの剥けたところがほかの部品と接触しそうだったので併せて直しました

FMコンバータ 水晶改造後

波形を測定してみる

FMコンバータ 8・10・12MHz波形

こりずに波形を測定してみました
自己満足です

高調波

8MHzにスイッチを合わせると、80MHzと88MHzで高調波を受信します
10MHzにスイッチを合わせると、80MHzと90MHzで高調波を受信します
12MHzにスイッチを合わせると、84MHzで高調波を受信します

高調波の発生する周波数ではFM放送波があったとしても受信できません
80MHzに高調波がある場合、東京FM80MHzは受信できません

放送を受信してみる

FMコンバータで放送を受信してみる

車で試す前に、室内にてDC12VのACアダプターを接続して動作を確認してみます
室内にて電線をアンテナがわりとし、まともなアンテナも用意してないのでラジオの受信は厳しい環境です
注意:電源にACアダプターを使用していましたが小型のスイッチング型を使用したために、
AM放送がノイズの影響で受信できない状態でした。電源はノイズの少ないものを使用しましょう。一般的にトランス型の方がノイズが少ないようです。

カーFMコンバータの電源接続に際してACアダプタの場合リード線が黒色と黒色に白い筋が入っているなどで、プラス・マイナスの極性がわかりません
必ずテスターなどを利用して極性を確認して、プラスをコンバータの黄色の線と接続、マイナスはラジオのボディアースに接続しアンテナケーブルのシールド側を経由して接続します

元のFM放送局

例えば79.5MHzの放送を受信しようとすると建物内でもともと非常に電波が弱いうえ、FMコンバータの影響で放送の受信が非常に厳しいです。
FMコンバータの電源を切るとノイズ交じりで受信できるようになり、コンバータのアンテナの入力と出力をジャンパーすると、ごくわずかに良くなります。

水晶を8MHzに合わせた時アップコンバートして、79.5+8=87.5MHzでも受信できます。

87.5MHzで受信すると、FMコンバータの電源を入れた状態で79.5MHzを受信するよりは良く聞こえますが、FMコンバータの電源を切って79.5MHzを聴く方がより聞こえが良いです。

FM補完放送を聴くとき以外はFMコンバータの電源を切ったほうが良さそうです

FM補完放送を受信してみる

TBS90.5MHzは
 - 8MHz時 82.5MHz
 -10MHz時 80.5MHz
 -12MHz時 78.5MHz
で受信できます
聞こえ方が同じかと思いきや、実験しているFMコンバータの特性なのかラジオの受信性能なのかほかの要因なのかわかりませんが、水晶と受信周波数を切り替えて同一の放送局を聴くと、受信周波数が高くなるほど(82.5MHz)ノイズが少なく感じました
ですので感度高く使えそうなのは8MHzの水晶が推奨されますw
ただし、問題がありますので次を読んでみてください

コンバートされて出てくるのは

水晶を8MHzに合わせた時アップコンバートして、79.5+8=87.5MHzでも受信できました
 ワイドFMの電波だけでなく、元々ある76〜90MHzの電波も±8MHzされて出力されています
 コンバーターに入る76〜95MHz全ての電波がコンバートされて±8MHzの電波が出力されるので、FM放送局が多数ある地域では多くの電波の干渉を計算する必要があります

14MHzの水晶があれば

 今回は手元にありませんが14MHzの水晶発振子を利用すると在来FM放送の76.1MHzは90.1MHzに変換され、古いFMラジオの受信範囲外となりますのであまり多く考えなくて良いかもしれません。
逆に76.1MHzのワイドFM放送は90.1MHzに変換されることとなります。

車に取り付けてみる

スイッチを取り付けてみる

FMコンバータにスイッチを取り付ける

実際に車に取り付けるにあたって、もともとあるFM放送を聴取する際にはFMコンバータの電源を切りたいのでスイッチを取り付けます。
電源切りの際に、アンテナの入力と出力をジャンパーするように配線をはんだ付けして取出しました。シビアに考えれば筐体内にリレーを設けてリレーがOFFの時にくっ付く接点を使用して、短い配線でジャンパーすればよいのでしょうが、簡易的にスイッチで電源切りの時にくっ付く接点を使用します。

スイッチは手元にあったミヤマ電器のMS168-Kを使用します。
スイッチの接点は2つの独立したⅭ接点(DPDT・2極双投)ON-ON型です。
取付た配線の電源は赤色の線で、紫色がアンテナの入出力です。
電源ONでアンテナOFF、電源OFFでアンテナONとなります

車に取り付ける

ラジオを取り換える

取り付けていたワイドFM対応の「39101-82M21」を取り外し、カーFMコンバータとワイドFM非対応のAM/FMラジオ「39101-68H00-000」を取り付けます。
仮に取り付けますので、配線の接続・解除が簡単にできるWAGOのワンタッチコネクター、WFR-2を利用します。
むき出しの配線が車の金属部分と接触するとショートする恐れがあるので、気を付けて作業します。
FMコンバータの電源はアクセサリ電源(+12V)と接続し今回取り付ける電源スイッチを経由しました。
今回は仮ですのでスイッチはパネルなどに取り付けず、操作ができ運転の支障が無い位置に固定します。

受信してみる

FMコンバータを利用して受信してみる

試験で行っていた電波の届きにくい室内と打って変わって、車に取り付けると快適に受信できます。
また、表示が見やすいのが嬉しいです。操作性もよく、ワイドFM非対応でもこちらの方がストレスないかな?

AMラジオを受信してみる

AMラジオは今まで通り受信できています。
FMコンバータをONしてもOFFしても変わりません

FMラジオを受信してみる

従来のFMラジオも快適に受信できています。
コンバータのスイッチを8MHzに合わせて電源ONしていると複数の放送局が受信できます。
この周波数は元のFM放送、この周波数はワイドFMがダウンコンバート変換されたこれ、この周波数はFM放送がアップコンバートされたこれなど、FMコンバータのスイッチをON/OFFしながら楽しく確認して行きます。

ほかの車のワイドFM対応ラジオで非常に弱く受信できる放送は受信できませんでしたが、強い電波は問題なくコンバートされて受信できています。

スイッチにてFMコンバータの電源OFFの時にアンテナの入出力をショートするようにしましたが、配線を切って電源のON/OFFに関係なくアンテナの入出力は元の状態のままとしてみますと、あまり変化は感じられませんでした

しばらく、いろいろ条件を変えて実験してみたいと思います

さいごに

ワイドFM非対応のカーラジオにコンバータをつないだらどうなるのか試験してみました。
今回購入したものは一部の周波数で使える人には良いのですが、実質はんだごてを使用しての改造が必要で慣れない人には取り扱えないものとなります
改造してしまえば、どのくらいの耐久性があるかはわかりませんが、造りも良さそうですし、特性を理解して使う分にはFMコンバータとしては良いのではないかと思います
他にもFMコンバータの種類があるようですので、そちらも試験出来たらなと思います

最後までご覧いただきありがとうございます

2022/02/24/011700
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